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第二十一話 双子の正体

 私たちが教室に入ると、何かに感づいたのか美音がこちらを見てくる。


「あ~! えなちゃんだ! おかえっり~」


 相変わらず、私を見つけるとすぐに抱き着いて来ようとするので、私はそれを躱す。

 すると、駆け足で来ていたからなのか、美音はこけそうになるが、何とか持ちこたえていた。

 いつも思うのだが、美音は私のことを発見する特殊能力でも持っているとか?

 あ、もしかしたら、感覚で、魔法を使っていて気配察知でもしているとか。

 だとしたら、魔法の才能があって、ある意味「天才」なのかもしれないけど――

 美音に限ってそれはないのかな。

 実際、魔法を使っていたら分かるし。


「――ん、え――ゃん。えなちゃん! 聞きこえてる?」


 美音がひたすら、私の名前を呼んでいた。

 私は、考え事をしていた対象に、話しかけられて少し焦った。


「うん? 何の話? ちょっと考えごとしてて――」

「そっか。ならよかった。えなちゃんってば急にぼーっとするんだもん。びっくりしたよ」


「良かった~」と言いながら、美音は黒月を抱いて撫でていた。

 いつの間に仲良くなったんだ? あの二人。


「それで、何か話してた?」

「いや? 話って言うか、絵菜ちゃんたちが結局何者なのかって問い詰めていたというか……」

「そ、そうなんだ。」


 問い詰めてたって、そんなに気になるの?

 まぁ、どうせ話すことになるからいいんだけどさ。


「何者か、ねぇ。……ちょっと話し長くなると思うけれど、それでも良い? それと、全部は話せないんだけど……」

「良いよ。えなちゃんの話ならいくらでも聞けるから。それに、誰だって秘密はあるし。私でもあるからね秘密。」


 美音の秘密、ちょっと気になる。

 けどきっと、「えなちゃんのことが大好きなこと~!」とか言い出しそうだけど。


 考え事をしながら、他の皆を見ると私の話に賛成なのか、頷いている。

 ということは、オッケーということのなのかな。

 類はというと――あくまでもこちらに任せるらしく、話そうとする気配がない。

 だったら、勝手に話させてもらおうかな。


「分かった。じゃあ、まずは結論から言うと、私と類は『創造神の子ども』だったんだ――」


 それから私は、色々な事をを話した。

 前世の記憶を持っていること。

 私と類が、前世では双子で、私が姉だったこと。

 等々、もちろん隠していることもあったが、できるだけ話せる事柄に関しては、話したつもりだ。


 私が話した内容を簡単に要約するとこうだ。

 私と類は、前世では『創造神 ジェシカ・フォン・リーヌ』の子どもで、双子で生まれた。

 私が姉で『エリカ・フォン・リーヌ』といい、類が弟で『エルド・フォン・リーヌ』という。

 と言っても、今の私と類では、類の方が誕生日が先なので類が兄になるのだが……まぁ、いっか。

 それで、前世からの付き合いである黒月は、類の契約精霊のようなもので、ミシェルは、類の専属執事だ。

 私にも、『白桜』という、桜色の瞳に白くてふわふわな綺麗な毛並みと、耳と足、それから尻尾に茶色でギザギザの模様がある狐の形をした契約精霊のような存在がいて、専属メイドの『カーリュ・ド・ミール』がいた。

 だけど、今現在、この世界とは違うところで囚われているらしい。

 要は異世界というやつだ。

 もちろん、私たちが前世で過ごしてところも異世界だったが、そことも違う世界らしい。

 なんとも、めんどくさい。

 でも、まだ生きているということらしいけれど、できたら早めに助けに行きたい。

 黒月によると、どうやら、少しへまをしたらしく、捕まってしまったとのこと。

 何をしているんだか、あの二人は。

 とまぁ、このような話をしていたんだが、類が本当に口を挟まなくてびっくりした。

 さっきのお説教というか、何というかが、堪えたのかな。

 そんなことはどうでもよくて、皆の反応はというと――


 美音の場合


「えっ! ということは、えなちゃんたちは、神様ってこと!? 神様とお友達というか、親友ってすごいことじゃん!」


 予想通り、はしゃいでいた。

 亮の場合は、


「そうなのか。だとしたら、俺たちの正体って何なんだ?」


 一応、頭脳派でもあるので、自分の正体について気になっているみたいだった。

 また後で話すとしよう。

 政近の場合はというと、


「俺の妹が、神様だったというわけか。このことを話したら、すごいことになりそうだな。……話さないけど。」


 美音と同じくはしゃいでいた。

 というか、本当に話さないでほしい。

 話しても信じる人なんていないと思うし、兄のことだから「とうとうあの病気――『中二病』を発症したか」となりそうだけど。

 それでも、誰が聞いているかわからないし、万が一に備えて、話さないでほしい。

 後々面倒だから。


 政近と違っておとなしい海莉の場合は、


「神様、神様か。だったら、類君たちのこと『類様』みたいに呼んで、数えるときは一柱とか二柱と科の方がいいのかな!」


 コミュ障の海莉にしては珍しく、目が輝いていて、少し興奮気味だった。

 でも、様付けと柱呼ばわりは目立つからやめてほしい。

 そういえば、海莉ってアニメとか漫画とかそういったものが好きだったから、その影響もあって『魔法』とか『神様』とかで、実際にあると知って、興奮しているのかな。

 最後は、穂乃花先生の場合で、


「そうだったんだ。教えてくれてありがとう。絵菜さん。神様かぁ、それも創造神の。確かに知られたらまずいことだね。でも、転校生とまさかの繋がりで、混乱してない? 大丈夫?」


 冷静に判断して、ついでに心配もしてくれる。

 やっぱり、穂乃花先生って先生としても、人としても、すごくいい人だということが分かったというか、元々分かっていはいたんだけど。

 ――っと、そういえば、『創造神の子ども』と言っても、ただの『創造神の子ども』ではないということも話したんだっけ。

『創造神の子ども』というと、世界を創造した神の子どもというのは合っているのだが、その「世界」が何を指しているかによって変わってくるのだ。

 一般的な『創造神』が創る「世界」とは、ただ一柱の創造神を除いて、この「宇宙」のようなものを指している。

 その、ただ一柱の創造神こそが私たちの前世での母、『ジェシカ・フォン・リーヌ』である。

 何が違うかというと、すべての理を創り出したのが、ジェシカである。

 簡単に説明すると、「宇宙」という世界を創り出した創造神がいるとするならば、その創造神を創り出した者もいて、「宇宙」を創り出せるように土台を創った者もいる。

 そういった、神々を創造して創り出したり、その神々がいろいろの物を創りやすいように土台を立てたりしたのが、我らが母のジェシカだということだ。

 と説明したところ、ピンと来ていない人が一名ほどいたが放っておいた。

 まぁ、いつも煽られているからなのか、匿名R君は、ここぞとばかりにその子に対して煽っていてが。


 そんなこんなで、話さなければいけないことは大体話せたと思うから良いとしよう。


 窓の見ると、もう六月下旬ということもあり、すっかり晴れていた。

 面白かった、また続きが読みたいという方は、ブックマーク、いいね、評価など宜しくお願いします。

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