第十話 突然の事件!?
またあの夢を見た。
その日何かが起こるという、予言の夢?
でも、起きたことはいつも些細なことだった。
ずっと育てていた花の芽が出たり、好きな食べ物を買ってきてくれたりと嬉しかったことや解けそうだったのに時間切れで解けなかった問題など嫌なことがあったりしたが、本当にその日に忘れてしまうような些細なことしかなかった。
大きなことと言えば、両親がスマホを買ってくれたり、類が転校したりといったことぐらいだ。
だから、こんなことになるとは思っていなかった。
私の目の前で、美音が、短剣を持った男に刺されそうになるとは。
時は遡り、一時限目と二時限目の間の休み時間のこと。
「え~なちゃん、今日の部活、何する?」
「う~ん、どうしよっか」
「文化祭の曲でも決めるか」
「それいいね。亮にしては、良いこと言うじゃん」
「文化祭で曲を披露するの?」
まだ、部活に来たことがなかったからか、類が質問をしてきた。
「そうだ。自分たちが作った曲や、ボカロとかアニソンとかのはやってる曲なんかを練習して、発表するんだぜ」
「じゃあ、その文化祭っていつあるの?」
「十月か、十一月ぐらいかな」
「美音ちゃん、それだと曖昧だよ。確か十一月の最初の週にあって、体育祭と文化祭が一緒になってて『白上祭』っていう名前なんだよ」
「そうなんだ。ありがとう」
類が私に感謝をしてくる。
そんな私は、そういえばと思い出したことがあった。
「類って何の楽器というか、なにやりたい?」
「え? 楽器か、ちなにみに、皆は何をしているの?」
「私は、ボーカル兼ギターかな。一様、ピアノを弾けるから、キーボードもできるけど」
私が答えると、続いて二人も答えた。
「俺はドラム」
「私はベースだよ。もう一人の子が、キーボードだね」
「じゃあ、何でもいいってことだ」
「うん。それと、ボーカルが私って言ったけれど、皆、歌ってるから実際は皆ボーカルなんだけどね」
「もしかしなくても、僕も歌うことになるの!?」
「そうなるな」
「まじか。歌、歌えるかわかんないのに」
類が、肩を落としていると、亮が慰めた。
「大丈夫だ。俺も最初は、すっごい下手だったから」
「本当にね~。だってカラオケで七十点代で、八十点いったの本当にごくわずかだったもんね」
美音がここぞとばかりに煽る。
「美音、お前! って今は美音にかまってる暇はなくて、とりあえず、楽器決めるのと今週末ぐらいにカラオケ行かね? 部活のメンバーで、って言っても五人だけどな」
「煽ったのに、反応しなくなったよ。つまんないの。でも、カラオケに行くのは賛成かも」
「私もいいよ。もう一人は部活で聞くとして、類は?」
「僕もいいと思う。でも、念のため親に聞いてからにする」
「分かった」
「じゃあ、類の予定が合ったら、予約しとくな~」などと言いながら、とてもテンションが上がっていて、興奮気味な亮であった。
類と初めて、出かけられるということもあって、とても楽しみなのだろう。
私もその気持ちが、分からなくはない気がした。
「ところで、類は楽器、これが良いとかないの?」
美音は、亮が騒いでいること珍しくを無視して、類に話しかけた。
「正直あんまり分かんないけど、ギターには、あこがれるかな」
「それは、俺も分かる。でも、楽器を一つ一つ見たらやっぱり、ドラムが良い、ってなったから、ちゃんと見てから選んだ方がいいと思うけどな、俺は」
「なるほど。じゃあ、僕もそうする。でも、今のところはギター志望、ってことでよろしく」
「おう、分かった」
そんな感じで、部活の話をしただけで、休み時間は終わった。
二時限目は、理科(地学)だった。
「......こんな感じで、星にもいろいろなお話があるから気になったら、調べてみてね。っと脱線しちゃってたね。ごめん」
教卓のところに立って、授業をしているのは、私たちのクラスの担任、穂乃花先生だ。
今日から地学で、どうやら宇宙や星の話らしい。
「それにしても、やっぱり、ほのちゃん先生の授業は面白いな~」
「分かるよ。穂乃花先生の授業って、授業に関係のある雑学とかも入ってくるから、分かりやすいし、面白いよね」
「まだ、えなちゃんってば、ほのちゃん先生のこと『穂乃花先生』っていってたの?」
「私は、穂乃花赤先生の方がしっくりくるし、それに、そんな勇気ないから」
「そっか~、まあ、えなちゃんが、それでいいなら私はいいと思うけどね」
そんな、のんきな話をしていると、いきなり後ろの扉が開いた。
はじめは、この時間の授業を持っていない先生が見学しに来たのか、遅刻してきたクラスメイトが入ってきたのかと思っていた。
だからあまり気にしていなかった。
でも、穂乃花先生の顔がどんどん青ざめていくのを見て不思議に感じた。
それから突然、私たちのクラスから悲鳴が聞こえた。
「きぁあああああああ、は、刃物持ってる......」
悲鳴が聞こえて慌てた振り返った先には、包丁らしき刃物を持った男と謎の杖を持ったフードを深くかぶった人がいた。
フードをかぶっている人は、まるで、異世界アニメに出てきそうな格好をしていて、フードを深くかぶって、マントを羽織っているせいで、顔も体格も分からない。
だから、性別が分からない。
すると、ずっと黙っていた二人組の不審者は声を出した。
先に出したのは、刃物を持った男だった。
「本当に、ここにいるんだろうなぁ。その赤色の封筒を持った奴が」
「えぇ、いますとも。それから、殺さないでくださいよ。その封筒を持った方々を。大切な実験体なんですから」
「「「「......!」」」」
フードをかぶった人は、女の声とも男の声とも聞き取れて、ますます性別が分からなくなった。
でも、今はそれどころではない。
なぜなら、あの『謎の封筒』が赤色の人は『実験体』だといったのだから。
つまり、あの不審者たちは、美音と亮を狙っているということになる。
だからこそ、このことがばれてはいけない。
私は、私たちは、冷や汗をかいた。
でも、またもや類だけは違ったが。
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