表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/20

ビームヒーロー2

「まあ、トゲの出現地点は覚えた。ビビっても仕方ない、進むぜ」

美子がそう言うと、スタート地点に戻されたヒーローを再び前進させた。

「時間制限あるけど、気にせず慎重に行きましょう」

江奈が言った。

「ああ……と、ここだな。よし、ジャンプで回避!」

ヒーローは先程のトゲのトラップを跳躍でかわした。

「その調子その調子ぃ」

「へへへ。おっ、何か歩いて来たぞ」

ヒーローの前方から、目玉のついた黒い丸い物体が突進してきた。

「敵……か?」

「いや、どうみても敵でしょ。かわしてもいいけど、せっかくだし応戦しましょ」

「おう。ビームヒーローっていうぐらいだから、ビームで攻撃できるんだろう。攻撃はこのボタンだな」

美子はコントローラのボタンのひとつを押した。

すると、ヒーローはオノを取り出し、敵キャラを切り裂いた。

「ビームじゃねぇのかよ!」

「……タイトル詐欺もいいとこね。しかも、仮にもヒーローの武器がオノってどうなのよ?」

「きっと、実家が木こりか何かなんだろう」

「……またどうでもいい裏設定が増えたわね」

「まあ、敵は倒せたんだ。この調子でどんどん行こうぜ」


「ふー、何とか中盤まで来たぜ」

一息ついた美子が言った。

「……十回死んだけどね」

江奈が言った。

「それを言うなよ。初見殺しのトラップまみれだから仕方ないだろ」

「それにしても以外と単調ね。アイテムとかないのかしら」

「確かに、何かあってもいいよな……ん?」

「どうした?」

「いや、何かそこの背景の木の所から気配が」

「気配? あんた何言ってんの、大丈夫?」

「おい、ヤバイやつ扱いやめろ。何か気になるんだよな、攻撃してみるか」

ヒーローは背景の木の近くでオノを振った。

すると、その背景が切り裂かれ、中から木の実らしきものが出現した。

「ほら、隠しアイテムだ」

「……隠しもなにも初アイテムなのだけど」

「なんだこれ? りんごか?」

「イチゴじゃないの?」

「イチゴは木から採れないだろ」

「じゃあ、りんごでいいんじゃないの?」

「……本当にそうか?」

「いや、そこどうでもいいから! とっととそのアイテム取りなさいよ」

「分かったよ。ほい」

ヒーローは木の実を食べた。

そして、ヒーローは消滅した。

「いやいや、おかしいおかしい」

「……罠アイテムだったのね」

「わざわざ隠しといて、取っちゃダメなやつとかどんだけ性格悪いんだよ」

「何かもう、余計なことしない方がよさそうね」

「くそぅ、もう一回トライだ」

美子はコントローラを握り直した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ