表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

バトルレーシング3

「ふーっ、やっと毒沼から脱出できたぞ」

美子が言った。

「かなり時間とられたわね。まあ、幸い順位はまだ三位だけど」

江奈が顔をしかめながら言った。

「まあでも、運次第ではあるが、前のマシンを抜かすことが可能だということは分かった。最後まで諦めねーぞ」

「そのいきよ、美子……にしても四位のマシン遅すぎないかしら?」

「後方車両のことはどうでもいいよ。ウチらの相手は前の二台だ」

「……それもそうね。あっ」

「お、前のマシンが見えてきたな。マシンの真横スレスレから抜かしてやる」

「また余計なことを。せっかくのチャンス、油断すんじゃないわよ」

江奈がそう言った次の瞬間、相手のマシンの車体から、巨大な刃物が現れ、美子のマシンを突き飛ばした。

「はぁ!? なんだそれ!?」

「……なるほどそういことね」

「どういうことだよ?」

「どうもこうも今のがこのゲーム、「バトルレーシング」のバトルの要素ってことよ」

「……マジかよ。これじゃあ近寄れねぇぞ」

「落胆するのにほまだ早いわよ」

「え?」

「目には目を、歯には歯を、武器には武器を! きっとこっちのマシンにも武器が備わっているはずよ」

「なるほど、そうか! えーと……このボタン使ってないな」

美子はコントローラのボタンのひとつを押した。すると、美子のマシンの先端からミサイルが発射された。

「おっ! すげぇ!」

「おあつらえ向きの遠距離攻撃! これで前のマシンもひとたまりもないはず!」

二人はガッツポーズをした。

しかし、その喜びも束の間、放たれたミサイルは美子のマシンの前方に落下した。

「飛距離みじかっ!!」

「……完全にハズレ装備ね」

「ちくしょー、打つ手なしかよ……」

美子がそう言った次の瞬間、前方のマシンが毒沼に落ちた。

「……」

「……」

「……なんだこのコース?」

「あんたがランダム選んだせいでしょうが!」


「よし! 運も味方にしてくれたおかげで、残り一台抜かしてゴールすりゃクリアだ!」

美子が意気揚々と言った。

「……運しか味方にしてないけどね。まあ、結果が全て。油断はなしよ」

江奈が釘を指した。

「おう、もう余計なことはなしだ。地味に勝ってやる」

「……どんだけ魅せプレイしたいのよあんたは……あっ、ラスト一台、見えた来たわよ」

「きたな…………しゃあっ! 抜かした!」

「やるじゃないの! このままゴールラインをぶち抜きなさい!」

「おっし! ゴールライン確認! いっけえええええ!」

美子が絶叫した次の瞬間、美子のマシンの真横を高速の物体が横切り、そのまま一位でゴールした。

「……え?」

「……あれは……ずっと四位だったマシンだわ」

「……まさに、ダークホース」

戦意を失った美子は操作の手を止めてしまい、彼女達の結果は四位となった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ