簡単な探索と発見 視点切り替えあり
ちょっと長めです
暇な時、空いた時間等にお読みください
〜アデスside〜
まず、目に飛び込んできたのは魔物の死体の数の多さである。それら全てがこの森の固有種であり、1体で普通の魔物10体を相手取る事の出来る者達である。それが7体も死んでいるという事はもしかすると本当にこの森には魔王かそれに近い者がいるかもしれない
「正直、魔王(仮)がこんなに強いとは思わなかったぞ」
なんて独り言を呟きながら森の奥へと進んでいく。その間、魔物の死体が途切れる事はなかった。頭のなくなっている死体、下半身が無い死体、切り刻まれている死体など死因は様々なものであった。
「これ、同一人物なのかね。パーティでも組んでる気がしてきた。ここにいるのは魔王じゃないかもしれないな」
のんびりと歩きながらそんな事を考えていると、一際草木が折られた場所に出た。
「何だ、ここ。戦闘があった場所か?でもそれにしては綺麗な折り方だ。まるで何かをイメージしているような…?」
そうアデスが思案している中、突如背後から魔物が
「グガァァァァァァァ「うるさい」ァァ…」
ザクッっと言う音と共に魔物は絶命した。アデスに心臓を貫かれたのだ
「ん、アヌか。なんでこんな所に居るんだ?アヌが住処から出てくるのはおかしい。もしかして、アヌの住処に何かあったのか」
アヌとは、『ケルス』の固有種の1種である。犬に近い見た目、体型をした魔物だが色が青く非常に獰猛で爪、牙が異常に発達している。しかしアヌは住処から出てくる事は滅多になく自分達の住処に近づかなければ襲ってくる事はまずない。襲ってくる事があるとすれば住処を離れ空腹になっている時である。
「行ってみるか」
アデスは目的地を決め行動を開始しようとしたが…
(隊長、至急こちらに来てください。魔王らしき者を発見しました)
というユニからの念会話により行き先を変更した
〜ユニside〜
「全く、こんな見るからに危険そうな場所に2人で行けとか王様もなかなか酷なこと言うよね」
ユニは1人、木々の間を走りながら愚痴をこぼしていた
「隊長もそっと私に仕事任せようとするし、信じらんない!」
ユニの愚痴は止まらない
「なんか死体だらけだし、奥に行けば行くほど増えてるし、絶対強いよ自称魔王は!」
そんなこんなで走っていると、違和感を感じた
「なんでこんなに走りやすいの?まるで誰か既に通ったみたい」
そんな疑問を抱いたが、
ぺキッ、ガブッ、ムグムグムグ
という咀嚼する音が聞こえ、ユニはすぐさま音を立てず、音のする方へ向かった
ユニの向かった先には魔物の骨らしき物が転がりその近くには火が灯っていた
「な?!」
ユニは火の近くに居た者を見て、思わず声を上げた。何故なら魔物を食っていたからだ。幸いにもその者に聴こえていなかったのか気にすることもなく魔物を食い続けている
その様子を見たユニは、1度離れ、アデスへ連絡を取るため念会話を発動させた
念会話とは会話したい相手とあらかじめ波長を合わせておき、その相手と離れた場所から会話したい時に合わせておいた波長に魔力を流すとその相手と脳内で会話できるというものである。その際、必要な魔力は発動時に流す魔力だけでいいので消費する魔力は微々たるものである
(隊長、至急こちらに来てください。魔王らしき者を発見しました)
そう簡潔に伝え、地図案内を発動する
地図案内とは術者が対象者に向け目的地をを表示し、その場所まで案内人を召喚するというもの。
これは術者自身にも掛けることが可能。案内出来るのは、術者が自分の行った事のあるところのみであり、見た事のある場所の案内はできない。
この発動発動条件も念会話と同じであらかじめ波長を合わせておき発動時に魔力を流せばいいだけである。
ただし、地図案内は案内人を召喚するため魔力消費は念会話に比べ若干多い。
余談であるが瞬間移動を使う者にこの魔術は必要ない
地図案内を発動し、アデスがこちらに向かっている事を確認できたのでユニはホッとする。しかし、
「おい、まだか。早く出てこいよ」
突然、魔王らしき人物が声を出した。それもこちらに気付いていると思わしき事を言っている。
それにユニは焦ってしまう
(なんでバレてる?やっぱりさっき声出したから?もうバレてるなら姿を現すべき?いやいや、隊長来るまで待つべき)
しかしすぐさま冷静さを取り戻したユニはアデスを待つと決め、その場で動きを止めた
〜???side〜
誰か来たな、2人か。男と女。ん?女が消えた。あぁ、素早く動いてんのか。すげぇなこの速さ。男の方は正面からか。まるで忍者と侍みたいだな。
ここら辺の魔物も飽きたし、ちょうど良かったな。
それにしてもなんで魔物は俺を見るなり魔王だ魔王だ言うのか。そんな魔王っぽいのかな俺。風格でもあんのかな
男の周りに魔物の骨と思わしき物が大量に転がっている。
男のすぐそばにパチパチと音を立て燃えている火がある。
そして男は、大の字で寝転がっている。
(腹減ったなぁ…まだ肉あったっけ)
男はぼんやりとそんなことを思い立ち上がると、森の奥へと移動した。数分も経たずして男は戻ってきた。2匹の魔物の死体を担ぎながら。
(食料確保っと)
火の近くに座り、死体を火にかけて焼き始めた。暫くしていい焼き色になると、それを食べ始めた
(味ないなぁ…調味料欲しい。おいおい、なんか近くに来てるぞ。やめてくれよ、人が飯食ってる時に)
襲ってくる気配はない。しかし食事中の所をじっと見られるのは気分が悪い
「おい、まだか。早く出てこいよ」
話しかけてみる。返答はない
(面倒臭いなぁ)
1匹食べ終わったところで男は立ち上がった
その堂々たる姿はまるで男がこの森の支配者かの様であった
地の文とか心情とかがごちゃごちゃで読みづらいかも知れません。申し訳ございません。精進します。
また、少し動きました。魔物の強さと登場人物の強さは何処かでランク付けします。魔術はまだまだたくさん出てきます。魔力とは生きているもの達がそれぞれ持っている力です。勿論、個人によって量、質が変わります。
どんどん複雑化していきます。頑張ります。それでは