眼鏡の王子様
ヒナは、そのまま電車に乗って席につくと毎日の日課の読書を始める。
(さっきの人・・・なんか焦ってたみたいだけど私何か顔についてたのかな?)
ヒナは自覚はないが、眼鏡を外すと別人なくらい美女へと変貌する。
その姿はおサナ馴染みのオトコノコ1人、家族くらいしか知らないのだった。
ヒナには友達が少なく、しかもいつも眼鏡をしているため、その姿をみせる機会がない。
多分・・というか絶対その男子もそれが原因なのである。
(あ~あ・・・今日も電車混んでるな
今日は入学して1か月だっていうのにまたクラスメイトとは
馴染めてないし・・・そろそろ馴染まないといけないんだろうけど)
そんなことを考えているともう駅についてしまった。
人ごみを駆け抜け電車を降り、学校へ向かう。
羽ヶ丘高校。通称はね高。学力はそこそこいいほうかな。
お金もちが多いけど、貧乏人の私にはちょっと行きにくい学校だったりする。
でも今日も頑張るぞって一息つく。
キーコーンーカーンーコーン
「あ・・・やばっ授業始まる急がなきゃ・・・」
教室についた。
席についてまた読書。
あっ予鈴がなった
「えー今日の授業もちゃんと寝ずに聞けよ」
クラスメイト「はーい」
皆寝る気満々な答え。無理もない。この教師は勉強の教え方はうまいが
余計な無駄話もおおく、しかも笑えないジョークばかりいうから・・・。
私はいつも通り要点だけ抑えて・・・あとはラクガキか読書。
ちなみに私の席は窓際の一番後ろの席。
私はふと窓を覗きこむ・・・。
(あぁ~今日も良い天気だな。校庭を覗いてみよう。
男子がサッカーしてるや・・・ふーんこんな日にサッカー・・・
あっ・・・)
あたしは気づいた。あの後姿さっきの少年にそっくりなことに。
「あの人・・・サッカーしてる。しかも上手だな・・・」
「オイ、高岡。この人の授業を聞かず何外を見ている」
「先生・・・」
げっ注意されちゃった・・・。
目の前には先生がたっていた。あーあ・・・とため息つきながら
私は外から目をそらす。
「す、すみません・・・」
(何やってるんだろ・・・あたし、今は授業に集中しなくちゃ!)
キーンコーンカーンコーン
授業が終わった・・・
あーやっと終わった
なんか長かったし。
あっそういえばさっきの少年・・・
私は外を見たがその少年の顔を拝借した。
あ・・・
(王子様・・・みたい)
私は決して面食いではない。どちらかというと坂本竜馬とか
そっち系の顔が好み。もちろんアメリカ人と戦国武将だったら戦国武将派だ。
だから・・・
(王子様って勝手に呼ぼうかな・・・テキトーに)
今日から彼は眼鏡の王子様だ。
その日から時々学校で目にしたその彼はなんと!学校でも
王子様扱いされていることが判明した。
(そりゃ・・そうだよね、あのルックスだもん)
でも王子様なんて・・・私にとって遠い存在なんだよな。
まっ恋なんてほど遠いものに憧れてるわけじゃないし。