あなたに逢うため水になる
掲載日:2026/08/19
高い高い 雲より高い天にいる、
あなたにふたたび逢うためならば。
私は水になりましょう。
私は海に溶けましょう。
雲になり、雨になり、川となって流れましょう。
桜の花を背に乗せて、
水着ではしゃぐ子を眺め、
流れ流れて、海と混ざるのです。
夏の熱い陽に照らされて、私は天へと昇ります。
だけど、あなたは見つからない。
私は雪になりましょう。
白く冷たい雪になりましょう。
幻想的だと、喜ばれるばかりではありません。
時に疎まれ、恐れられ……。
それでも、私は雪になる。
人に踏まれ、黒く汚れてもかまいません。
それがあなたに繫がるのなら。
そしてまた。
季節は廻り、私は海を漂って。
いったい、あれから、どれくらいの時が経ったのでしょう。
私は幾度、あなたがいない世界を廻ったのでしょう。
夏のまばゆさ身に受けて、また天に還る時がきた。
あぁ、やっと。
あぁ、やっと!
愛しいあなたに逢えました。
こんな姿の私でも、また抱きしめてくれますか?
まるで甘露水のような口づけを、永く永くしてくれますか――?
お読みくださり、ありがとうございました。




