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せつない恋物語〜あの世とこの世〜

あなたに逢うため水になる

作者: 櫻月そら
掲載日:2026/08/19

高い高い 雲より高い(そら)にいる、

あなたにふたたび逢うためならば。


私は水になりましょう。


私は海に溶けましょう。


雲になり、雨になり、川となって流れましょう。


桜の花を背に乗せて、

水着ではしゃぐ子を眺め、

流れ流れて、海と混ざるのです。


夏の熱い陽に照らされて、私は(そら)へと昇ります。


だけど、あなたは見つからない。



私は雪になりましょう。


白く冷たい雪になりましょう。


幻想的だと、喜ばれるばかりではありません。

時に疎まれ、恐れられ……。


それでも、私は雪になる。


人に踏まれ、黒く汚れてもかまいません。


それがあなたに繫がるのなら。



そしてまた。

季節は廻り、私は海を漂って。


いったい、あれから、どれくらいの時が経ったのでしょう。


私は幾度、あなたがいない世界を(めぐ)ったのでしょう。


夏のまばゆさ身に受けて、また(そら)に還る時がきた。


あぁ、やっと。

あぁ、やっと!

愛しいあなたに逢えました。


こんな姿の私でも、また抱きしめてくれますか?


まるで甘露水(かんろすい)のような口づけを、(なが)(なが)くしてくれますか――?

お読みくださり、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
高い天から、雲となり、雨となり、時に雪となり、川となり、海へ溶けて。そしてまた天へ昇って。廻りゆく季節、廻りゆく世界の中で、変わらない『あなた』への想いが心に響きました。 壮大な抒情詩でありつつ、繊…
理科の授業で、水が蒸発して水蒸気になって……天にのぼって雲になって…雨になってわーい♪と降って、川になって流れて海までいくようなのを思い出しました(*^^*) 違うタイミングで気化してしまったらなか…
水っていろいろなかたちをとって天にも海にも巡ることができると思うと、なんだか不思議ですね。壮大で、幻想的で、「私」の思いに重なると切なくもあり……。 終わりなく永遠に世界を巡るのかなあと思っていたら、…
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