閉話③
今私は絶賛大翔君でファッションショーをしている。
かっかっこよすぎる、、、、、
「店員さーんもっと服もってきてくださーい
いいですねー大翔君これも似合ってます買いましょう」
写真、写真ー
今日のデート全部服屋でもよかったかもですね
「ちょっと祐奈さんさすがに終わりにしない?注目されすぎて大変なことになってるし」
大翔君が少し疲れたような顔をしながら言う。
くっっさすがに疲れてるみたいだしそろそろやめなければ、、
「あともうちょっとだけ」
「そういってからもうすでに一時間たってるんだけど」
「まぁこんな機会なかなかないからねー限界まで楽しまないと」
「別にまた今度くればいいじゃないですか」
「そっか、そうだよね」
少し悲しい顔をしてしまう
デートが楽しくて忘れてしまっていたが、今日が最後なのだと思いだす
いや今考えるにはやめよう。お母さんにばれた日から散々考えたんだから。
今は楽しもう。最後の瞬間を噛み締めながら。
「てか祐奈さん、こんなに服買ってお金大丈夫なんですかしかも全部僕の服だし」
「ふっふふ自慢じゃないけど男性専門病院に勤める人はエリートしかいないんだよー
男性と接点がある(兄弟や父親、婚約者など)なおかつ優秀なひとしかなれないってわけ
つまり給料ももちろん高いだからこんなに買っても大丈夫!」
まぁ欲しいものはだいたいお母さんが買ってくれるし、金なんて有り余るほどあるんだよねー
今までためてきたものを開放するチャンス!
「じゃあ次は祐奈さんの服を見ましょう!」
大翔君に手を引っ張られる。動揺するなー動揺するなー
「わ、っわたし!?私は大翔君の服見れるだけで満足というかー、」
「そんなこと言ってないでこれ着てください」
大翔君から服を渡される。シアージャケットにボリューミィなパラシュートだ。
「めちゃくちゃ似合ってますよ超綺麗です」
「そ、そうかな」
「この服買ってくるので祐奈さんはここで待っててください」
「ちょちょちょっとまってさすがに男の人に払わせるわけにはいかないよ」
「さっき服を買ってもらったお礼です」
「だとしても、、、」
「じゃあ俺からのプレゼントってことで」
「あ、ありがとう」
何回惚れ直せばいいの!?私をどうかしたいの!?
嬉しく思うと同時に悲しさも増していく。
「ずっと一緒にいたいなー」、「突き放すなんてできるかな」と
デートが終わり、二人で歩く。大翔君に大事な話があると伝え、公園に入る。
「もうあなたとは会えません」
少し震えた声をしながらも淡々と冷たい声で続ける。
「実は私婚約者がいるんです。あなたとはただの遊びでした。今日は楽しかったです。さようなら。」
すぐさまベンチから立ち上がり、走って駅の方へと向かう。
これ以上大翔君の顔をみたら泣いてしまいそうだったから。




