速水さんとお仕事
テストの結果が発表されてから二週間が経過した。
あれからというもの女子に声をかけられる回数がさらに増えた。
勉強ができる=努力ができて、誠実な人ということらしい。
この世界の男は傲慢か臆病のどっちかだから、受け答えができるなおかつ誠実な人が
モテるらしい。前世ではガリ勉と男子からも女子からも馬鹿にされることが
多かったので、勉強してきてよかったーーと思う。
今日は委員会の当番の日なので図書室に向かう。
速水さん先いるかな?正直あの人はニガテだ。
めっちゃ睨んでくるし、男が嫌いなのだろうか。
教室をでて、図書室へと向かう。
ガラガラガラガラ
速水さんがまじめな顔をしながらカウンターに座っている。
相変わらず綺麗だな。おっと思わず見惚れてしまっていた。
「ごめん少し遅くなった。」
「私が早すぎただけよ」
、、、、、、、、、、、、
き、気まずい、放課後だから人は少ないし仕事もない、
「てか速水さん勉強できるんだねこの前のテスト二位ってすごいね」
「嫌味?一位のあなたに言われてもうれしくないのだけれど」
「ごめん、そんなつもりじゃなくて、ただ純粋にすごいと思っただけで」
「いいすぎたわ、男だからって強く当たっちゃったごめんなさいね」
「いや、なんも考えずに言った俺も悪いよ」
やっぱり速水さんは男が苦手だったんだ。なんか申し訳ないな
「あの―」
「無理に喋りかけなくていいわよ」
、、、、、、、
き、気まずい第二弾。話を遮られてしまった、、
「はぁーそんな怯えた子犬みたいな顔しないで、ほらこの本面白いから貸してあげる
暇つぶしにでも使って」
「あ、ありがとう!速水さんって優しいね」
「やややややさささしししい!?わわたしが!?そそんなわけないでしょ」
おやおやおや?もしかして褒められると弱いのでは?
「美人で優しくて頭も良いなんて速水さんは完ぺきだね」
「そそそんんなななこと言ったってなにもあげないんだからねーーー」
顔を真っ赤にして走り去ってしまった。前言撤回あの人のことめっちゃ好きだわ
一時間後
速水さんが仲間になりたそうにこちらを見ている。というのは冗談で図書室の扉の前から
こっちを睨んできている。入ってくるのが恥ずかしいのだろうか。
「ほら、そんなとこにいないでこっちおいで」
「あなたのせいでしょ!!」
速水さんが文句をいいながらこっちに近づいてくる。
「あなたのせいって僕特に何もしてないんだけどなーー」
「あなた私のことび、び美人って冗談で言ったでしょ」
「冗談なんかじゃないよ本当に美人だと思うからそう言ったんだよ」
速水さんが顔赤くし両手で顔を抑える。
照れてる様子もかわいいな。もっとからかいたくなっちゃう
15分後冷静さを取り戻した速水さんが真剣な顔で口を開く
「私はっきり言うけど男が嫌いなのよ」
俺が黙っているとさらに速水さんは言う
「正直男はまだ苦手だけどあなたとなら喋ってあげてもいいわよ」
速水さんが顔を赤くしながら言う。
俺は少し戸惑いながらも
「ありがとう。じゃあこれからは友達としてよろしく」
速水さんの手をスッと取り握手をする。
「ま、まだ完全に信用したわけじゃないんだからねーーー」
また走って出て行ってしまった。
まだ出会って二週間(喋ったのは今日が初めて)の人に褒められただけであんなんになるとは、
本当に男が嫌いだったんだろうか、いやあの目は本当になにかトラウマがある目だった。
将来悪い人に騙されそう、、まぁかわいいからいっか
一人でニヤニヤしながら図書室を後にするのだった




