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第4章:白タンクトップ強化週間、発動

署名活動が失敗に終わりかけたが、筋肉自慢たちの賛同を得て少し希望を見出した恵斗先輩。しかし、それでもまだ生徒全体の支持とは言えない。校長に再度話を持ちかけるため、次の作戦を考え始める――。

「よし、次は“白タンクトップ強化週間”をやる!」

放課後、生徒会室でそう言い放った恵斗先輩の目はギラギラしていた。

「強化週間ってなんすか……?」

「ほら、体育祭前に体力強化週間とかやるだろ? それと同じさ! 白タンクトップの良さを浸透させるための強化週間だ!」

「いや、全然同じじゃないですけど。」

「まずは体験からだ! 実際に着てみれば、その素晴らしさに気づくはずだ!」


そう言って、恵斗先輩は大量の白タンクトップをどこからか持ってきた。

「先輩、それどこから調達したんですか?」

「通販で100枚セットを買った!」

「無駄すぎる……」


試着体験会、開催!

次の日、昇降口に「白タンクトップ体験会」の看板が立っていた。

「ほら、俊介。手伝え!」

「いや、なんで俺が……」

「会長の命令だからな!」

結局、渋々と試着コーナーに立つ俊介。


「ほら、着てみろよ! 白タンクトップを着れば心が安らぐぞ!」

「いや、そういう宗教じみたセリフやめてください。」


通りがかった女子生徒たちが不思議そうにこちらを見ている。

「ちょ、恵斗先輩! 女子にまで勧めたら逆効果ですよ!」

「でも、白タンクの良さは性別を超越するんだ!」

「いやいや、女子が着たら透けますって!」

「む、そうか……じゃあ男子限定だな!」

「そもそも男子でも透けるんですけどね。」


案の定、誰も試着しないまま時間だけが過ぎていく。

「ほら、俊介! お前がまず着て見本を見せろ!」

「絶対嫌ですよ!」

「そこをなんとか!」

「先輩、まず自分が着ればいいじゃないですか。」

「……いや、俺はもう普段から着てるしな。」

「意味不明です。」


こっそり配布計画

「仕方ない、体験会が無理なら、次は直接配布だ!」

「え、何それ?」

「ほら、朝の登校時に『どうぞ!』って渡していけば、もらった手前、試すだろ?」

「いや、ただの押し付けですよねそれ。」

「大丈夫だ! 愛があれば伝わる!」

「伝わらない愛が一番厄介なんですよ……」


翌朝、昇降口で白タンクトップを配り始める恵斗先輩。

「どうぞ! 心が安らぎます!」

「え、何これ……」

「……宗教?」

「いらないです!」

次々に断られる中、唯一もらっていったのは柔道部の仁田先輩だった。

「おう、恵斗! これくれるのか? サンキューな!」

「やっぱり仁田先輩だけか……」

「ほら、俊介。仁田も喜んでるじゃないか!」

「いや、仁田先輩だからですよ! 普通の人は無理っすって!」

白タンクトップ強化週間として試着体験会を開き、さらには直接配布を試みる恵斗先輩。しかし、その熱意とは裏腹に一般生徒からの反応は冷たかった。そんな中、筋肉系男子たちだけがやけに協力的で、白タンクトップ同盟がさらに勢力を増していく。果たして、恵斗先輩の理想は実現するのか――。

あなたなら、この熱意をどう思いますか?

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