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幼馴染が看護師になりたいっていうから病院ごっこに付き合った結果…  作者: 猫の集会


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8/10

相手の気持ち

 今日は、琴音がわたしの部屋に来てっていうから、琴音の部屋の前まできていた。

 

 

 変だな…

 

 いつもは基本、ドア開けっぱなしなのに…

 

 …

 

 なんだろう?と思いつつドアをノックした。

 

 

 すると…

 

 いつもは、元気に返事するのに今日は…

 

「はい、どうぞ」

 と、なぜか元気のない声だった。

 

 …どうしたのだろう?

 

 そっとドアをあけると、琴音はベッドにパジャマ姿で横になっていた。

 

 

「琴音、大丈夫?」

「え?何が?」

「具合悪いなら今日は、おとなしく寝てなよ。なんか欲しいものある?」

「え?なんかくれるの?じゃあー、家に露天風呂!」

 

 …

 

「そうじゃなくて…食欲とかあるの?」

「ありまくりだよ。今朝おかわりしたし。ところで看護師さんは、なんのよう?」

 

 ⁉︎

 

 まさか…

 

 これは、おままごと始まってるやつか…。

 

 今日は、看護師じゃなくて患者目線ってやつか。

 

「あ、湯音野ゆねやさん。体調は、どうです?」

「はい元気です‼︎」

 

 朝の健康観察かよ…

 

「それじゃあ、また来ますので寝ていてくださいね。」

 

「寝ません‼︎コホコホコホコホ…咳が止まらないです」

 

 

 元気じゃなかった…

 さっきの健康観察の意味…

 

 …

 

「…それは辛かったですね。それでは、お熱と脈拍はかりますね」

「そんなことしている場合じゃありませんよ。薬ください」

「様子を先生に報告してからお薬処方されますからね。苦しいかも知れませんが、もう少しお待ちくださいね」

 

「ピーピーピー」

 琴音が、口でナースコールを押した。

 

「湯音野さん、ナースコール大丈夫ですよ。わたし、いますから」

「あー、そうですか。」

「それでは、先生にお薬処方していただくので待っていてください。何かあったらナースコールしてくださいね」

「はい、ピーピーピー」

 

 オレが琴音の部屋から出ようとすると、琴音はナースコールを鳴らした。

 

「どうされました?」

「もう…行ってしまうのかなって…」

「湯音野さんは、寂しいのかな?では、わたしがちょくちょくお顔拝見しますね。他の看護師にも伝えておきますね。一人で部屋にいるとつまらないですからね」

 

 オレはそういうと、にっこりして部屋を後にした。

 

 で、すぐさまお医者さん役として部屋をノックして入った。

 

「湯音野さん、お咳が止まらないようですね。少しお口の中見てみましょうね」

「あー、もう治りました。ピーピーピー」

 

 湯音野さんは、またナースコールを押した。

 

「今、先生いますからナースコールは、大丈夫ですよ」

「たしかに‼︎でもさ、こんな患者さんいたらどうする?」

「んー…、このボタンは、苦しいときとか、緊急の時に押そうね。って教えてあげて、気を別のことに向けさせてあげるのがベストかな。たとえば、幼い子なら絵本や塗り絵、お絵かきグッズ用意するとかね。で、慣れるまでは、ちょくちょく様子みにきてなるべく一人でも楽しく過ごせるように声かけして、次来るまでに塗り絵どこまでできるかな?とか、ね。ご老人にもいいかもしれないね。頭の体操として、折り紙とかね。」

「それいいね!」

「そうだね。部屋にいると暇だもんなー。上半身元気なら、ベッドでできる軽いストレッチとかいいかもしれないな。」

「あー、なるほどねー…コホコホコホコホ」

 

 

 急にお芝居に戻る琴音。

 

「では、お薬処方しておきますので一日二回お薬飲んで様子見ましょうね」

「はーい」

「では、またなにかありましたら、おっしゃってくださいね」

「え、もう行っちゃうんだ?」

「大丈夫ですよ。またきます。看護師にも声かけしてありますから」

「はーい」

 

 ドアをあけて出ていくふりをして…出るかと思わせといてオレはクルッと琴音の方を振り向いた。

 

「琴音が入院したら、オレ毎日会いに来てやるからな。」

「えっ…あー、うん。ありがとう」

「オレこの部屋に住みついてやろうか?そしたら、毎日一緒だし」

「それは…嬉しいけど…ほぼ同棲、もしくは座敷わらし…」

「たしかに」

 

 

 というわけで、相手目線も大事なんだと琴音に教えられた一日だった。

 

 

 続く。

 

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