寝不足
琴音は、ぐっすり眠っている。
だからオレは、琴音を起こさないように静かに勉強をしていた。
「んーっ…ふぁあ、よく寝たなぁー」
琴音は、オレのベッドで伸びをしていた。
…
「おー、起きたか?」
「あれ?来てたんだ?わたしの部屋に来るなんて珍しいね?」
…
まったく…琴音さんは、なにをおっしゃっているんでしょうかねー。
オレの目を無理矢理こじ開けて、オレを起こして自分が寝ちゃうってね…。
まったく…困ったさんですよ。
「ここ、オレの部屋ね」
「えっ⁉︎あ、あぁ…ねー」
あたりを見回して、察したようだ。
「琴音、あんまり無理しないほうがいいぞ?自己管理も大事だからな。」
「ふぁーい」
琴音は、寝ぼけながら返事をした。
琴音は、基本しっかりしているのだが…変にしっかりしすぎだったり、慌てるとテンパるクセがあるので、正直…心配でならない。
…
「ところであなた、具合が悪くなったのはいつからですか?」
⁉︎
いきなり琴音の問診が始まった。
「あー、琴音さんに無理矢理おめめをこじ開けられてからですかね…」
「なるほど。目が調子悪いと」
…
なんか色々スルーされているが…まぁいいだろう。
「それで、痛みや痒みなどの症状はありますか?」
「いえ、ありません」
「なし、と。どちらの目が症状が強いですか?」
「じゃあ、右で」
適当にこたえるも、スラスラとエアーメモをとる琴音。
「では、この後診察いたしますのでこちらでもうしばらくお待ちください」
「はい。」
寝起きの琴音は、本当の看護師さんみたいだった。
てか…ここは、眼科なん?
まぁ、臨機応変ってやつなんかな?知らんけど。
とりあえず琴音に合わせておとなしくしていればいいだろう。
しばらくすると、琴音から名前を呼ばれた。
「上城さーん、こちらへどうぞ。」
とうながされたので、そちらへ伺った。
で、琴音のそばに寄ると…
本日は人手不足なので、わたしがお医者さん役をかってでますと、サラリと言われた。
んなこと実際にはあるわけないんだけどね。
まぁ、そんなことあってはならない。
しかし‼︎これはおままごとだからなんでもアリなんですね。
「では、めをみさせていただきますね。まずは左から失礼致しますね。」
オレの目をそっと覗き込んでくる琴音。
「うん、大丈夫ですね。それでは、症状のある右は…」
オレの右のおめめちゃんをめっちゃみてくる琴音さん。
…
近い…。
めっちゃ近い琴音をオレは、めっちゃガン見したよね。
そして、わざと鼻息をふんふんしてやった。
「ちょっと…わざとやってない?」
「いえ、平常呼吸ですけど?」
…
ふんふんふんふん
「絶対わざとやってるじゃん」
「え?いいえ。てか、これって…もうさ、こんなに近くで見つめあってさ…うっかりキスしちゃうんじゃね?」
「しません。」
「しましょう」
「お断りします」
「それでもめげません」
「少し黙ってください。目は、大丈夫ですね。しかし、呼吸が荒いので帰りに呼吸器科寄って行ってください。忘れないで寄ってくださいね。」
…
呼吸器科を、帰りにスーパー寄ってきてみたいなノリで言ってくる琴音。
これって…今から呼吸器科シリーズ始まるんかな?
すってー、はいてーみたいな?
ま、付き合ってあげましょうかね。
ってことで、呼吸器科にまわされたオレ。
そして、眼科の先生から呼吸器科の先生になりきる琴音。
「上城さんですね。では、まず息をすってからはいてください」
「あ、はい」
「スゥーっ、ハァ〜♡」
「ちょっと‼︎キモいんですけど⁉︎」
「えっ?」
「えっ?じゃない‼︎誰がわたしの髪を吸えって言いました?やめてください」
…
怒られた。
「あ、すいません。つい…」
「つい…じゃありません‼︎」
「あ、はい…。でも、いい匂いでした。合格‼︎」
ペシっ
怒られました。
「もー、ちゃんとすってはいてください」
「はい。じゃあ、いきますよ‼︎ひっひっふー、ヒッヒッふー」
「もっといきんで‼︎じゃないからっ‼︎」
意外とのってくる琴音なのでありました。
続く。




