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いじめられたので辺境伯当主の後妻になります!~それってじゃれ合いではありませんよ、侯爵子息様~  作者: サエトミユウ


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第39話

 とうとう愚弟との会合の日となった。


「お待たせいたしました」

 帰れという意味もこめ、ガチで長時間待たせた。格下の意識があるなら、(私が奴に教えられた通り)先に来ていたはずなのでたっぷり2時間は待たされただろう。


 ちなみに本日のワタクシ、マーガレットとデイジーが気合いを入れてくれて、いかにも奥様、という雰囲気に着飾っております。

 旦那様も「見た目だけは貴婦人だな」とお墨付きをくれたし。


 愚弟は、明らかに不機嫌、私のまるで心のこもってない「待たせたな」に激怒、私を怒鳴りつけようと見て仰天、と、表情をコロコロ変えた。

 隣にいるのは……ウゲ、やはりついてきたのかクソ侯爵子息。……さすがと言おうか、顔色一つ変えず優雅に微笑んでいらっしゃる。

 ――と思ったらサッと立ち上がり、私に近寄ってきた。


 私の手をつかもうとしてきたとき、旦那様が割り込んだ。

「おとなしく座ってろ」

 旦那様〜!

 さすがだわ、頼れる!


 ……とはいえ、任せっぱなしもなんなので、マーガレットに習った「不愉快だわー」を表す、扇を広げて口元を覆い、顔を軽く背ける、をやってみた。


「…………。再会を喜ばしく思うあまり、急いてしまいました。ご無礼をお許しください」

 と、旦那様に謝ったようだ。

 ……そのまま、なぜか動かない。

「許してくれないのかな? ロゼ」

 と、今まで聞いたことのないような声で促してきた!

 キモッ!

 私は無言。

「許せねぇ、とさ。とっとと座れ。じゃなきゃここから出てけ」

 旦那様が代わりに言ってくれた。


 ——まだ着席してない状態でコレですわ。先が思いやられるわ〜。


 マーガレットはすました顔をしているが、私のメッキ貴婦人にご満悦なのがわかる。

 ここのところ、おさらいも兼ねてマーガレットに上位貴族のマナーを徹底的にしごいてもらったのよ。

 メッキとはいえ昔取った杵柄、マーガレットはニッコリと笑顔で言ってくれた。

「奥様は、やれば出来る方なのを再確認いたしました」

 イェーイ!


 旦那様が鷹揚、と言った感じでエスコートしてくれてソファに座った。

 完璧なマナーではないのだけど、旦那様がやるとすごく型にはまっていてカッコいい。

 旦那様を見たら目が合ったので、ニコッと笑いかけたら、旦那様も笑ってくれた。

 とたんに、咳払い。

 クソ侯爵子息がこっちをいつもの顔で睨みつけていた。


 あァん?

 インネンつけてみろボコボコにするぞ、旦那様がね!


 ……とか内心考えつつ、隣に座る弟を見る。

 コッチはわかりやすく呆けているが、私と目が合った途端、ハッとした感じで睨みつけた。


 ――さて。どう考えても友好的じゃないこの二人、どんなやらかしをしてくれるのかな。

 旦那様は、連中がやらかしたとたんにひっ捕まえて関門の外に叩き出し、二度と入れない、って言ってたけど!


 若干ワクテカしつつもツーンとした貴婦人さを出して、連中を見下した。

「それで、どのようなご用件なのかしら? 私、辺境伯夫人となりましたので、学生の方とは流れる時間が異なりますの。この辺境伯領に学ぶためにここに来たのでしたら、まず学生である前にこの国の貴族である、ということを理解し、わきまえていただかないと……。これ以上、保護者の方やこの国を支えている方々の手を煩わせることのないよう、お願いいたしますわ」


 長々と、マーガレットと考え出したセリフを述べた。

 そして、目を伏せ扇を広げる。

『やれやれ、困った子たちだこと』のしぐさです!


 クリープは、呆気にとられている模様。

 ……自分でも思ったけど、この仕草この雰囲気、ママンにソックリなのよね。親子なんだなぁと思いました!

 クリープもママンを思い出したらしく、目を伏せてソワソワしている。

 姉の変貌に驚いて、失礼なことをしようと思わなくなったみたいだ。しまったな。


 一方、クソ侯爵子息はビキ、と音が聞こえそうなくらいに青筋を立てている。

 よしよし、本命はムカついてそう。

 もう少し煽ってやれ。


「それに……。あまりよくない噂を聞きましたわ。なんでも、『私と親しい者』などと、真っ赤な嘘をつきながら先触れなしで旦那様の不在時に押し入ろうとし、城下町でも暴れ回っているとか……。私を『出来損ない』などと揶揄していた方々の所業とは考えられませんわね。あらあら、鞭を使ったマナー教育が必要なのはいったいどちらなのかしら……?」


 思いっきり上から意見をしてやりましたよ!

 ねぇ? と、旦那様に同意を求めるように見たら、めっちゃ笑いをこらえてるんですけど!


 笑わないでよ!

 私の努力を無にする気!?

 思わずむくれそうになるが、なんとかこらえた。


 旦那様は咳払いしてごまかしてます。

「……ンンッ。だそうだ、クソガキども。お前ら、ロゼに構ってほしくてからかっていたんだろうが、ロゼはそういう男は好みじゃないそうだ。とっとと諦めて別の女を探せよ。あとな、もう少し大人になれ。好きな女に意地悪するとか、一桁の年齢で卒業しろよ」

 と、旦那様が痛烈な説教をかまして追撃してくれた。


 お待たせいたしましたー!!!!

 ロゼの逆襲回です!

 続きます!

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― 新着の感想 ―
ロゼの上流階級奥様風味(笑) いいんじゃないですか〜w 旦那様のお言葉にも同意! まったく、お子ちゃま達の相手は大変ですな
お祭りの始まりですわ〜
( 」゜Д゜)」ロゼちゃん最高! (2度読みました 笑)
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