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FPSゲーマーの転生先なんて決まってる!  作者: 栗飯


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91.戦況確認

「あ、フリードさん、それについては先程、私が確認したので報告致します」

アランさんが引き継ぐ。師団長達がこの状態であったため、先程、私達で確認してきた部分だ。副官のトムさんだけでは後手に回る所だったため、アランさんが動いている。

あまり組織を超えてやるのは良くないとされている。しかし、こういった場合には特務機関に与えられている権威を使うべきで、そのために階級は高い。


状況は芳しくない、第3師団と第4師団の合計で8000人規模の軍のようだが、南部中央はギャップにより瓦解し、そこを起点に左右共に押し戻されたらしい。

軽傷者を除く死傷者は2000人弱に上り、今日だけでかなりの被害だ。膠着状況だった時は、日に数十人の負傷だったようなので、今日の戦闘が如何に荒れたかが分かる。

ギャップの逃亡と、ガーディアンの死亡により、かろうじてこちらの戦線は最終ラインで踏みとどまった状態である。


報告を聞き、トニーさんが話し始める。

「まずは師団長として戦線維持に増援感謝する。助かった。少々ギャップを侮っていたようだ。」

トニーさんが身体を動かそうとして、顔を顰める。


「すまないな、この状況の瞬間回復薬は使用許可が必要なんだ。今、申請しているから我慢してくれ…」

「分かっておる。そう簡単に使えないことくらいはな。これも戒めだ。それはそうと、フリードよ、お主に聞きたいことがある」


「……大体予想はつくが「失礼します!こちらに指揮官殿はおりますか!?」

突然、天幕の外から大きな声で呼び出しがかかる。トニー師団長が動けないので、副官のトムさんが天幕を出ていく。戦況に異変があったのかとみんな空気が引き締まる。するとすぐにトムさんが戻ってくる。後ろに立っているのは、…………知らない人だ。黒い軍服ということは、本部の参謀本部の人だ。とりあえず、周りに合わせておこうと思っていたら、その後ろから見覚えのある顔が出てくる。


「えッ、アッシュ?」

めっちゃ頭の良い同級生、アッシュである。

「ッ!リリーナ!!」

向こうもこちらに気付いて駆け寄ってくる。5年振りの再開で、テンションが上がり、ハグをする。

「アッシュ、背が伸びたね!」

「ふふっ、リリーナは変わってないね……」

「んだとぉ!?」

とりあえず、アッシュの背中を強めにバシバシ叩く。いやー、やっぱりみんなに会えると嬉しい。軍学校で何年も一緒に過ごしていたからか、帰ってきたと実感が湧く。

アレ?アッシュも黒い軍服だな??

「痛い、痛い……と、とりあえず話をしてから、また話そう」

それはそうだ。とりあえず、アッシュは解放してあげる。

「生存も分からなかった5年振り再会なんだ、遠慮しなくていいのに……」

もう一人の黒軍服の人が優しく声を掛けてくれる。でも、みんなが注目しているようなので、もうちょっと恥ずかしいから大丈夫です。


「ハハッ。じゃあ先に話をしましょう。私達は参謀本部のスティーブン・ウルフ、こっちの彼はアッシュ・エドワーズ。ここへは皇帝陛下からのご指示で参りました。

皇帝陛下はノウレアの状況に喜ぶと同時に、ノードの奪還を最優先事項として掲げられました。そこで参謀本部、つまり我々の派遣と追加物資が供給されました。

この追加物資が、凄いんですよ。なんと瞬間回復薬が含まれています!」

「ッ!?」

「本当か!?」

「それはかなり大盤振る舞いですね」

みんな驚いている。流石、皇帝陛下からの指示だ。貴重な瞬間回復薬が支給されるなんて。ゲームの時はデスしたらリセットされるから、流れるように使ってたっけなぁ。この世界ただでさえ回復力が凄いけど欠損は流石に治らない。だからこその瞬間回復薬だ。


「えぇ、そして、参謀本部として提案です。今回持ってきている瞬間回復薬は7本あります。まず、ここにいる4名に瞬間回復薬を使用したい」

「賛成だ。師団長クラスの戦線復帰は大きい」

フリードさんが同意する。瞬間回復薬は欠損さえ治す。師団長クラスが復活するのであれば、戦力として大違いだ。それはもう使うべきだろう。ずっと寝かせていて、使わないのももったいない。エリクサー現象してる場合じゃないもんな。


「4名と仰いましたが、私も宜しいのですか?」

1番奥の若い兵士が訊ねる。年齢的にも階級はそれほど高くないのだろう。瞬間回復薬を使用して貰えるのは嬉しいが、私でいいのか?っていう葛藤が容易に想像できる。それもそうだ。ここは師団長達が運び込まれているから、特別なのであって、医療テントにはおそらく大勢がいる。もちろん、欠損している人や命が危ない兵士もいる。

その人達は希少だと頭では分かっても使って欲しいのが本音だ。

だからこそ、揉めない様に、その使用は指揮官や師団長達クラスの許可が必要であり、所持するのもそのクラスの人間だったはずだ。

ん?でも、彼女もここにいるのだからそれなりの階級なのか?


「あぁ、君もだよ」

「ローズの場合はギャップに対する情報収集戦闘の報酬とこれからの将来性への期待ということで、使ってくれないか?」

アッシュが付け加える。

「は、はいッ!ありがとうございます!」

むむッ!?アッシュがこの子、ローズを知っている。そして今のローズの顔!

ふっふっふ、私の恋愛センサーが言っていいる。ローズはアッシュに惚れたね。そして、アッシュも満更ではないだろう。

くくく、こりゃ見ものだね。

少しでも面白いと思って頂けれれば、

ブックマークやいいね評価等して頂けると、モチベーションも上がって非常に嬉しいです!

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