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FPSゲーマーの転生先なんて決まってる!  作者: 栗飯


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72.ショットガン【クリスタ】

「敵指揮系統は乱れた。いいか!?負傷した場合は後退だ。生存最優先で動け!死ぬことは許さん。では、各隊、観測班からの指示に従い進め!」

「「「了解」」」


この世界、1発、2発撃たれるだけなら死なない。ザックさんみたいに胴体でも何十発も撃たれれば別だけど、ゲームだった頃のように、頭部など急所さえ外れていれば、回復するほど生命力は強い。

見えないけど、きっとHPゲージ的なやつを削られなければ回復できるんだろう。だからこそ、死傷者はすぐに離脱だ。復活出来ないんだから。


クレアさんやショーンさん、ドロシーさん、キースさん、そしてワイリーを分隊長に5名の分隊を編成した。フリードさんとシアによる観測の元、塹壕戦の始まりだ。向こうはこれまでの経験からこちらが城壁の中に籠っていると考えている。しかも、塹壕を今も味方が維持していると微塵も疑っていない動きをしている。

昨夜の内に塹壕内の敵は倒しているのにも関わらずだ。まだ指揮系統が不安定なのだろう。


ここで全部叩く。


「向こうから行く」

私の分隊は私に加えて先生だけ。

私の装備はショットガン【クリスタ】。フルオート式で大容量のドラム式マガジンにより25発の連射が可能。その代わり射程が短いのが欠点である。しかし、この塹壕戦ならショットガンだろう。


走りながら、敵の位置と味方を確認。油断している敵を潰す。この次の塹壕に敵がきた。

敵の隊列の切れ目を目掛け、私は一気に駆け上がって敵の頭上から、連射する。


ドンッドンッ!ドンッドンッ!

と指切りで連射量を調整しながら、隣の塹壕に入り込む。塹壕の上にいるといい的になってしまうからね。


「な!?敵だ!!」

「ふハハッ!」

1本道の敵を倒しながら間に入り込んだ私は、こちらが進行方向だった敵を先に撃つ。

数人倒したら、慌てて振り向いた残りの敵だ。倒した敵を背に、戻って来る敵を処理する。

敵は味方に当たるから思うように撃てず、私は敵を盾に連射して進む。

すぐにこの集団は倒し切った。


「クリア」


さっきの人数相手ならリロードする必要がなかった。ちょうど撃ちきったドラムマガジンをリロードする。先生もこちらの塹壕に乗り越えてきて、ドラムマガジンを渡してくれる。先生がいる限り、私に弾切れは存在しないのだ。

先生の装備はサブマシンガン【パキケファウス】。私の届かない敵にも援護が可能なように、先生にはショットガンじゃないものにしてもらっている。この塹壕周辺は私の得意な距離感を押し付ける。

ゲームでも大事な要素だ。イレギュラーにも対応できる。バランスの取れたいい形だろう。


「よし、次!」



___________



俺をリーダーに、ショーン分隊として塹壕を進む。ちょうど、T字になっている曲がり角、俺の正面は左右に別れていた。足を止め、左右を索敵。左の通路にいた敵兵を撃つ。


「前方左に敵!登ってくるやつを警戒しろ!!」

俺の指示で後ろの兵は塹壕を登ってくる敵を撃ち、こちらに入らせない。入られると対処が難しくなる。塹壕上を登ろうとする奴は逃がさないようにする。


ダダダダ!!


くそ、敵はパニックになっているようだが、敵の弾幕が激しく、この角から出ることが出来ない。()()足止めを食らった。


「フリード!敵の状況は!?どっち目指せばいい?」

「1分程そこでまて」


城壁上から確認しているフリードからの通信だ。ここで抑えてろってことか?まぁ、そんな短時間、別にいいけど、ちゃんと見えてるんだろうな!?


「うグッ!?」「どうした!?」「逃げr」


通路の奥から、すぐ側からドンッと発砲音が聞こえる。何が起きてる。すぐに先程の音は消え。鎮まり返った。遠くの発砲音しか聞こえない。


ザザッという足音が聞こえた瞬間に目の前になにかが出てくる。俺は咄嗟に銃を構えた。

そのなにか、出てきたのはリリーナだった。ご丁寧に俺の銃口は手で掴まれ、万が一発砲していても頭上に飛んでいくようにしてある。


「この通路はクリア。ショーン分隊は右の通路を進んで、30m先の角を右に曲がると次の敵がいるので、引き付けを!」

「ッ!?了解!」


矢継ぎ早に指示を聞かされる。リリーナはそれを言うと通路左をシンディと共に凄い速さで駆けていった。レッドアイを使うリリーナが言ってるんだ、敵は見えてるのだろう。

……だが、その戦果がおかしいだろ!?

なんだよ!通路の左には10人以上の敵がいたはずだ!

この丁字路から見ても、全員殺されている。


「いや、どんだけ食い荒らすんだ!?」

「リーダーはいつもこうですよ?」

すぐ後ろにいるうちの分隊の副隊長が俺の感想に答えてくる。質問するつもりじゃなかったんだが、流石に言ってしまう。

あの顔は……


「あいつ心底楽しそうに笑ってたぞ!?」

「ですね。リーダーは戦闘時いつもあんな感じですよ」

「私達も行きましょう。リーダーの指示がありますからね」


こいつらにとってはいつも通りなのか?

今の……

昨日のリリーナと全然違ったぞ。

は??なんだよそれ?何度も戦場を経験している俺が恐怖を感じた。本能的なものか、なんなのか分からないが、末恐ろしい奴だ。

シルヴァンさん、ザックさん、貴方達なんて娘を育てたんですか……

ショットガン【クリスタ】≒AA-12

サブマシンガン【パキケファウス】≒クリスベクター


見た目などはこちらのイメージで。但し、あくまでも性能はゲーム〖Hero of War 虹色の戦争〗を元となっており、実銃とは必ずしも同じではありません。


少しでも面白いと思って頂けれれば、

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