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FPSゲーマーの転生先なんて決まってる!  作者: 栗飯


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19/99

18.初演習

再び目を開けるとポッドの中からフィールドに移動している。


私は直ぐに壁際に移動し、視界の開けた方に銃を構える。

遠くで音が聞こえる。笑い声も....リリちゃんだろう。

けど、近くには人はいない感じかな?


ここは中央の大きい廃墟みたい。外を見る限り3階くらいかな?


リリちゃんにガッカリされたままは嫌だ。


バン!バン!


上の階から発砲音が聞こえた。私は足音をなるべく抑えながら、素早く移動する。

階段近くにくると、足音が聞こえた。


……どっちだ?上か下か分からない。

通路の壁際に移動し、しゃがんで銃を構える。


少し待つと下の階からジュスト君が上がってきた。

今度はしっかりと狙ってトリガーを引く。


ダダダダダダ!


ジュスト君がこちらに気付いた時には既に遅かった。私の撃った弾丸は比較的近距離なのもあって、狙い違わずヒットする。


ふ、ふぅー

最初よりはマシにできた。だけど、直ぐに上の階から人が来るはずだ。油断しちゃダメだ。

リリちゃんに言われたことを忠実に...


少し耳を澄ましても、音は聞こえない。

上の階で待たれている?


どうしよう.....


えっと、このまま進んでもやられちゃうよね?

あ、リリちゃんに持ってけって渡されたこれを使えば...


ゆっくり階段下まで移動する。


音は聞こえない。


ゆっくりとピンを引き抜き、上の階の踊り場に投げ込む。


カンカン、コロコロコロと上階の物に当たった音がする。


「うわぁあ!」


階段を一気に下ってくる人影が現れる。

ロブ君だ。


私は降りてきた無防備なロブ君目掛けて発砲する。

ダダダ、ドーン!!ダダダダ!


発砲とフラググレネードの爆破か重なり凄い音が響いた。


カチ、カチ。

残弾を打ち切った私のレックスが微かな音を上げている。

やっぱり焦ってしまった。まだうまく出来ない。


ロブ君は私に撃たれ、10秒程で消えていった。

り、リロードを行わなきゃ。



な、なんとかできたかな.......



イーノスは倒したいな。

なんかリリちゃんに色目使っている気がする。成敗しなきゃ!


_______________

side:カンナ・クサナギ


ドーン!ダダダダ!

フィールド内の至る所で発砲音が聞こえる。距離はありそうだ。


ハッハッハッ


.....笑い声も。

こっちは思い当たるのが1人しかいないが。



ん、私の近くでも発砲音がした。

そちらの方向に駆け出す。今なら漁夫の利になりやすいはずだ。

足の速さには自信がある。

私の武器はサブマシンガン【パキケファウス】にした。機動力を活かすにはサブマシンガンがいいって、お母さんが言ってたからだ。


姿勢を低くしたまま塹壕の間を通り抜けると、少し広い空間にでる。この空間の中央にはバスのような装甲車両が止まっていた。

その車両の手前には、ついさっき敵を倒したであろう、クラスメイトのジュストが立っていた。


こちら気付いて慌てて構えようとしているが、もう遅い。


ダダダダダダダダ!


私の最初から狙いをつけていた私の方が早い。結構、ジュストは引き金を引くことなく倒れる。


ここに留まるとさっきのジュストと同じことになるので、今来た塹壕通路に戻る。


落ち着いたタイミングでリロードしておく。まだ命中率には自信が無い。


きちんとマガジンはフル弾倉にしておきたかった。



ちょうど変え終えると足音が聞こえる。


ここの通路は少しカーブしていて、見えなくなっている。私の存在は私の正面にこないと見えない場所だ。そっと、パキケファウスを構える。

こっちきたら正面での撃ち合いになる。私が既に構えて待っている分、有利なはず。


足音が近くなり、

たったったったっと過ぎていく。


こちらの塹壕通路には入らず、右の方に通りすぎたようだ...

チャンスだ。今なら後ろを取れる!

私の足なら直ぐに後ろを取れるだろう。


塹壕通路を進むと直ぐに先程の装甲車両が見える。足音が聞こえる距離だ、距離は離れていない。


そのまま通路から飛び出し、右に走っているであろう敵に向かって武器を構える。


アレ?いない??


「残念、こっちでした」

どこからか声がする。


ドンッ!!




気が付くと、私の視界はポッドの中に戻っていた。


一瞬だけ見えたリリーは、通路から出てすぐ右に伏せていた。

嵌められた…


「ヤバッ.....」

思わず笑ってしまう。

リリーが強いのは分かっていたつもりだった。


私と同じ血統スキル持ちで、親がネームド。

共通点が多く、親近感が湧いていた。私達のクラスは女子4人だけだし、一緒に過ごすのも多く、すぐに仲良くなった。

リリーのことは大体分かるようになっているつもりだったけど、銃を持った彼女は凄まじい。


完全に手玉に取られた...


友達として、同じ境遇として、私だって一矢報いてやりたい。

リリーから1本くらい取ってやる。


私は気合いを入れ直して、リスポーンする。





______________

side:ミシェル・クウィントン



ど、どうしよう…

私、運動の成績はあんまり良くない。訓練にはなんとかついていっている状態だ。

今までも、リリーちゃんやシアちゃん、カンナちゃんが色々教えてくれるからなんとかやってきていた。

それなのに皆が敵だなんて……


心音がバクバクしている。



たくさん銃声が聞こえる。私はスタート位置からほとんど動けずに何度もデスしていた。


とっても痛かった。

でもリリーちゃんにやられた時は痛みを感じる事もなかった。即死過ぎて何も感じる間もなかったんだろう。

大体、1回は気が付いたらポッドの中にいて、いつ死んだのかさえ分からなかった。


それ以外はイーノス君と多分ロブ君にやられた。

イーノス君には中距離で何発も撃たれた。ロブ君の時は近くで何回も爆発した。

多分、ロブ君の血統スキルだろう。

何度も爆発に巻き込まれて、最後には足が吹き飛んだのが見えた...


私、もう無理………


リスポーンしないでいたら、レイン先生に怒られた。咄嗟にボタンを押したけど...

怖い。



近くで発砲音がした。

怖くてドラム缶と土嚢の間の隙間にうずくまる。


足がすくむ。

身体が硬直してしまう。

怖い...怖い...怖い...


ダダダダダダ!!

近くの銃声にガタガタと身体が震える……


痛いのは嫌だ...

元々私は孤児院出身だ。血統スキルが判明して、少しでも孤児院のために...お義母さんのためになればと思って、お金が掛からないし、将来たくさんお金が貰える軍学校を志望しただけだった。


こんなに恐ろしいものだなんて思っていなかった…


リリーちゃんはなんでこんなに怖いこと、楽しそうにやってるんだろう?



「怖いの?」

「っ!?」

急に声を掛けられて、振り向く。

そこには血濡れのリリーちゃんがその物騒な姿と裏腹に心配そうに私を見ていた。


サブマシンガン【パキケファウス】≒クリスベクター

見た目などはこちらのイメージで。但し、あくまでも性能はゲーム〖Hero of War 虹色の戦争〗を元となっており、実銃とは必ずしも同じではありません。


少しでも面白いと思って頂けれれば、

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