表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FPSゲーマーの転生先なんて決まってる!~ストーリーモードなんて覚えてる訳ない~  作者: 栗飯


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

145/161

144.必要な犠牲



side:エンド


馬鹿な。

城壁の上から見下ろす俺の視界の中で、信じ難い光景が繰り広げられていた。


ポンッ

ポンッ

ポンッ


レガシーウェポン【シーラン】の発砲音。

本来ならば、あれは()()()()()()音だ。


だが……


ドォォォオオン!!


()()は空中で爆発した。

……迎撃された。


一発だけではない。

二発、三発と迎撃される。


次々と撃たれるシーランの弾丸が、ことごとく空中で撃ち落とされていく。


「……あり得ねぇだろ」


思わず、声が漏れた。

確かにシーランの弾速は遅い方だろう。

爆発による破壊力であって、銃とは弾速が違う。グレネードランチャーが近い。

弾頭は不安定に回転しながら飛翔し、軌道も独特の放物線を描く。

迎撃は理論上可能でも、実戦で安定して成功させることなど不可能だ。


何度も練習をしなければ……

撃たれた瞬間に反応しなければ……

常軌を逸した反応速度でなければ……

迎撃など出来るはずがない。


それを……あのガキは。

屋根の上を飛び移りながら、躊躇なく撃ち落としている。

しかも、それに迷いが無い。

あれがシーランを初見の動きか?


「……なんだ、あれは」


理解が及ばず、ポツリと呟いていた。

視線をスコープへ落とす。


黒髪。

小柄な身体。

左目の……真紅の光。

あの目はどこまで見えている?

13年前、アルステリアのネームド【レッドイーグル】は確かに殺した。その時、レッドイーグルの娘があの紅い目をしていたのは覚えている。

だが、しかし、ここまで厄介になるとは…


引き金を引く。


ドンッ!


アヴェンジャーが重低音な咆哮を響かせる。

直線距離、480m。この距離ならば貫ける。装甲車だろうと中の人間まで穴を開ける威力を秘めた弾丸は、一直線に飛び……


……弾かれた。


甲高い衝突音。

目に見えない壁に阻まれたかのように、弾丸は軌道を逸らし、横へと消えた。


「……チッ」


更に撃つ。


ギンッ!!

ギンッ!!


二発。三発。

……全部弾かれた。

着弾の瞬間は衝撃で奴の身体がわずかに後退する。

だが、それだけだ。

この距離でも貫通できないシールド。


倒れない。

崩れない。

止まらない。

そのまま、構わず前進してくる。


「……クソがッ」


距離は縮まっているはずなのに。

この距離でアヴェンジャーを防ぐなどあり得ない。

シーランは迎撃され、届かない。


シールドの硬度。

反応速度。

全てが、異常だ。

奴の脅威度が、頭の中で警鐘となって鳴り響き、更新されていく。


危険だ。危険過ぎる。

簡単にはいかないが、奴をどうにかして殺さなければならない。

……それが俺の勝利条件。

ひいてはメラリア軍の勝利に繋がる。


視線をさらに下げると、城壁の手前にシーラン部隊が展開している地点がある。

そこが死神に捕捉された。


早い……

奴が屋根から飛び降りた瞬間。


ダンッ!!


その瞬間。

一人目の兵士に穴が空く。

少し遅れて、血が噴き出し、ゆっくりと倒れる。

ただ、ただ、それが繰り返される。

兵士達の抵抗も虚しく、部隊が崩壊していく。

当然だ…

アヴェンジャーで貫けないシールドを、一般兵士に貫ける訳がない。


死神(リリーナ)が陣形を崩し、付いてきた【絶命】(ショーン)が決定打を撃ち込み、続く増援が制圧する。

敵の突撃は止まらない。


「ッ……!」


無線が割り込む。


『総員!!』


ケラーの声がメラリア軍に鳴り響く。


『3区防衛ライン維持不能!!離脱します!!3区を殿(しんがり)に、本部まで撤退!!第2次防衛戦を構築します!』


殿に助かる見込みは無いだろう。

部隊が今にも壊滅し、それを合図に城壁へ攻めている正面の炎帝共もなだれ込んでくるだろう。

防衛戦から市街地戦に変わる。


ケラーの言っている撤退先のメラリア軍レストデーン司令本部。その建物も塀に囲われ、防衛戦を行える2次防衛戦の要として作り直された本部だ。

わざわざ、デーン川の流れるルートまでアルステリア方向に工事して、防衛ラインを作った。


だが、無意味だな。

()()が相手には時間稼ぎにもならん。

そもそも、殿が足止めすらさせてもらえず防衛線の構築が間に合わないだろう。


奴は今に城壁(ここ)へ到達する。

なら……


俺は静かに右手を見下ろした。

能力を発動する。

空間が歪む。


そこに現れるのは……四角い塊。

C4と呼ばれる爆薬だ。

それを壁に設置する。

時間がない。

次々と生成し、俺は走りながら、それを設置していく。


レストデーンの市街地側の柱、壁に次々と…


俺の横に、俺直轄の部下が3人が合流する。

中でも階級が1番高い、スミンが代表して聞いてくる。


「エンドさん!!撤退す……」


スミンは言葉を最後まで言えなかった。

俺が爆薬を設置しているのを見たから。

味方は撤退していない。


理解したのだろう。

ここに残る味方ごと爆破しようとしていることに……


俺は何も言わない。

言葉は不要だ。

戦争とはそういうものだ。


犠牲を出してでもあれだけは。

ここで殺さなければならない。


起爆装置を握る。


「ん?」


城壁の外側。奴はもうすぐそこだが、俺はC4を設置して移動している。奴は俺を認識しているな……

目指す位置がさっきと少しズレた。


「おい。これをこのまま設置して、()()()()合流ポイントへ行ってろ」


スミン達へC4を複数渡す。


「はいッ!…ッ!?…」

「急げ!時間がない!」


俺は来た道を戻る。スミン達が驚いたが、静止しておく。

奴は俺を狙っている。部下の声を無視して、先程の城壁の上に戻る。


……やはり来たな。


程なくして、この真下に、奴が来る。スミン達ならもう設置しているだろう。

そう、訓練してきた。

俺はC4のスイッチを押し、全力で駆ける。


ドォォォォォォォォン!!!!!


城壁が爆炎に呑まれる。味方ごと、城壁が崩壊していく。崩壊した城壁は真下に来たアインリーパーへと落下していく。

ついでに奴に付いてきていた敵部隊も巻き込めた。


城壁は銃弾を通さないように分厚い石が使われている。

銃弾を弾くなら、質量で潰す。


轟音を響かせながら、城壁が崩れる。その衝撃は敵味方全ての注目を集めていた。

俺はその中に混じり、確認する。これで奴は死んだはずだ。

城壁が崩れた際の轟音が静まっても、そのあまりの衝撃に両軍とも動きを止めていた。


……ガラッ


静まり返った瓦礫の山が、盛り上がる。シールドに押されて、瓦礫がガラガラと崩れる。


中からシールドを展開して味方まで守った、死神が姿を現した。


「……ざっけんなよ」

少しでも面白いと思って頂けれれば、

ブックマークやいいね評価等して頂けると、モチベーションも上がって非常に嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ヤンマーニよりかはターミネーターな感じ・・・ デデンデンデデン・・・・・・
もうマジ最高です!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ