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FPSゲーマーの転生先なんて決まってる!~ストーリーモードなんて覚えてる訳ない~  作者: 栗飯


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137.潜入



レストデーン内部に潜入した私達は早速敵兵を処理した。

橋の上に転がる敵兵を一瞥し、私は小さく息を吐いた。


「……予定通りですね」


「思ったより静かね。逆に不気味だけど」

オルガさんは姿を現しながら答える。その透明化能力を解いたのだろう。

オルガさんだけじゃないけど、やっぱりゲームだった時の回数制限など、現実世界ではあまり当てにならないようだ。

根本は同じだけど、ゲームバランスのために調整されていた。ってことだろう。

それでも透明化は魔力を使う。必要のないタイミングは解除するに越したことはない。


 


「近くに敵はいないですね。当分は見つからないかと思います」

橋の上の戦闘は、時間にすればかなり短い。

まだまだ他の敵は遠く、ここに来るのは時間がかかるだろう。


「…敵の位置が分かるって、こんなに頼もしいのね」


オルガさんが褒めてくれる。

「んふ、ありがとうございます!」

これは嬉しい。


「索敵は任せてください!」

近くはないが、赤いハイライトがたくさんいる。ここは敵地なので当たり前だけど、全て見逃さない。

オルガさんにもっと褒めてもらおう!


くっくっく。

前世の仲間達が見たらめちゃくちゃ悔しいだろう。オルガさんはそれ程までに人気キャラだ。

オルガさんのマウスパッドを使ってた人は多い。

人気を2分していた、私の最推しだった【ギャップ】は、ただの極悪ギャルになってしまった。

悲しい……

私はオタクに優しいギャルしか認めないぞ?


 


「まだ隠れ家まで距離があるけど、車使えそう?」

敵の乗ってきた車で、潜入部隊がいると思われる場所…隠れ家まで行きたいけど、見つかるのはNGだ。


確認する限り、近くはない。けど……

「まだ遠いですが、進行方向に複数いますね。安全を見た方が良いかと…」


「やっぱりそう?乗り捨てた車でヒントを残すのも尺だしね。じゃ、慎重に進みましょうか」

オルガさんもあまり期待していなかったようで、特に気にした様子もなく、進む。


私を先頭にオルガさんが着いてくる。

オルガさんに信頼されているような気がして、全力で周囲を見渡す。

敵は向こうの建物。

こっちを通れば見つからない……

今度は右……


順調に進む。


ん?

「下がって」

手でオルガさんを下げ、建物の影に入る。

それは他の敵判定と同じ。

赤くハイライトされた……


「……鳥」


「ん?鳥?」

オルガさんが首を捻る。

知らないのも無理ない。レッドアイを使用していて初めて疑問になるレベル。

繋がるかも分からないその2つは、私ならもう知っている。


「【ジ・オール】がいますね」


ネームド【ジ・オール】。

鳥を操って、敵の配置を確認することが出来るネームドキャラ。ゲームの仕様上、鳥を操作中は無防備になるが、どこかの木などに止めて置けば固定カメラのように使うことが出来る。

ゲーム内じゃ、鳥は見つけたらとりあえず撃てと言われるほどだった。

このため、鳥はカスタマイズのように種類が選べるのだが、見つけにくいカラスが選ばれた。

そういえば、ここの木に配置するとバレにくいとか、配置テクニックみたいな動画が伸びたなぁ。


 


私は今回のメインウェポン。アサルトライフル【カルカロス】を構える。今回は必要かなと思い、サプレッサーを付けている。

ACOGサイトと呼ばれるちょいとゴツめのサイトを覗き、赤くハイライトされているカラスを撃ち抜く。


バフッ


サプレッサーで消音された発砲音が鳴り響き、遅れてカラスが落下していく。

ごめんよ。

カラス君に恨みはないが、見られるとこっちが死んじゃうかもしれないのでね。


「OKです。行きましょう」


 


遠くから正面の戦闘音が聞こえる。

街中は静かで、戦争中じゃなければ活気があったのだろう街並みは、余計にどんよりした空気を感じる。


私達はそんな街を順調に進み、目的の偽装された民家が近くなってきた頃。


「……オルガさん。まずいですね。敵が目的の民家近くに集まってます」


私の左眼に、集結する敵兵が見える。索敵のため、散開していた動きから、明らかに集まって来ている。


「見つかったのかしら?」


 


更に近付いて目的地がより分かるようになる。

……一見すると、ただの民家。

壁は古く、屋根瓦も一部欠けている。

庭先には雑草、干からびた花壇。


メラリア軍はそんなどこにでもありそうな民家を取り囲んでいた。


「これは見つかってますね……

包囲されちゃってます」


ダダダダダッ!

静かだった住宅街に発砲音が鳴り響く。

戦闘が始まったようだ。


「急いで援護するよ」

「はいッ」

「私が背中を掴む。透明化するから、誘導お願い」


なるほど……

それなら私は手が空くし、透明化でバレにくい。オルガさんが私の背中、服を鷲掴みにしたことで、私は再び透明になった。


「では、行きますッ」

私は走り出す。

オルガさんは私にも見えないけど、背中に感触があるので問題ない。


民家を取り囲む敵兵の集団は既に100人くらいはいるかな?

今まさに到着した車両に10人くらい乗っている。まだ増援がこれから来るのだろう。

とりあえずフラグを投擲。


ドンッ!!という衝撃を伴う爆発と共に車両が爆発する。乗っていた敵と、その周囲にいた敵も巻き込んで大爆発を引き起こした。


突然の爆発に敵兵達が硬直する。

それを黙って見過ごす理由はないので、素早く撃ち抜く。


パパスッ!

パパスッ!


「なんだ!?」


パパパスッ!


「んヴァ!?」

「くそッ!?どこからッ!?」


パパスッ!

パパパスッ!


サプレッサーで抑えられた発砲音。

指切りにより、1人、1人と、デスするのに必要なだけの弾丸を確実に撃ち込んでいく。


オルガさんのハンドガンだろう。軽い音も聞こえる。

程なく、ここから撃てる奴は一通り倒す。


「……移動します」


オルガさんに一声かけて、再び場所を変える。


追い詰めたと思っていた敵兵は、包囲の外から新たな脅威に晒されていた。


メラリア共和国軍に新たなネームドが牙を向いたのだ。

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