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FPSゲーマーの転生先なんて決まってる!~ストーリーモードなんて覚えてる訳ない~  作者: 栗飯


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122.改良



アルルさんの声がスピーカーから聞こえる。私の手元には自動防御装置(オートシールド)【ジュラ】試作四式がある。

金の台座に真珠のような白濁したミスリルが付いているものだ。

このジュラ試作四式へ魔力を入れるわけなんだが……

全然入っていかない。


「ふぐぐぐぐッ!!」

「ほらほらッ!魔力が無駄に漏れてるよ!ちゃんとズドンッて感じで突っ込んで!!」


アルルさんが簡単に言ってくるけど、これかなり大変なんだからな!なんか入口が狭いくせに中が広い感じ。しかも、中にある程度反発してくる何かがある。

結構な魔力を込めながらその細い入口に圧縮した魔力を入れるイメージ。

これがムズい。


「はぁ、はぁ……やっと入った」

「おっしゃ!!早速テストだ!ほら、リリーナ、かけてくれ!」


あの人、マジで実験しか興味ないじゃん。私の話聞かない。

私、この世界でもかなり魔力多いっぽいんだけど、それでこれって、大丈夫?破綻してないかな?

私はマネキンの首からジュラをネックレスのように下げ、実験室から出る。

「それでは、13回目の実証実験を開始する!」


アルルさんがボタンを押すとマネキンへ銃が発砲される。すると、オートでシールドが発動した。カンッと

先程の魔力で発動したシールドがマネキンへ着弾するはずの弾を弾く。

続いて、連射……2発目で大きくヒビが入り、3発目でマネキンに弾丸が到達した。


「ぬヴぅぅーーー!!!」

アルルさんが頭を抱えて倒れる。研究室に来て、5日。ずっとこのような実験をして、失敗している。【ギャップ】が使っていた物は母さんの設計らしい。


_________


テレーズが研究室へリリーナから受け取った【ジュラ】を提供した時のこと。


「これがリリーナが回収した物だ。マリー博士が最後に研究してた自動防御装置じゃないか?」

「ナニぃっ!?ほほぅ〜!?なるほど……マリーさんはこうしてたのか……」


「最後に聞いた話から、変化してるわ。きっと、マリーさんの最新設計ね。私達が試作してたものとここが違うわね!」


「ほうほう、ほうほう!この台座はルンドバードの細工か!?ほほう、これで増幅しているな。あー、でもほんの少しだけだぁ!シモーナ、早速取り掛かろう!」


「じゃ、じゃあ、よろしく頼むな」

熱中し始めた2人を置いて、テレーズは退散した。


_________


2人はこの前、渡したジュラを分解、自分達の研究成果と合わせ、改良しようとしていた。


母さんの設計でも発動されるが、シールドの耐久力はかなり低い。1発耐えられればいいような新兵レベルのシールド。実戦運用には心もとないだろう。


そもそも、母さんだって開発中だった物である。仕方がない。


そういえば、ルンドバードの【ギャップ】も不意打ち対策のような使い方だった。即、次の対応ができるようなネームド兵士だからこそなのだろうが……


それを、今、一般兵達が使えるレベルに改良している。目標は4発耐えること。

これがなかなか上手くいかない。


「シモーナぁあ!さっきのところ調整だ!」

「はーい!リリーちゃん、ちょっと待っててねー」


アルルさんとシモーナさんがまた改良に行く。私はそれが終わるまで暇になる。最初は2人の話を聞いていたけど、途中から難しい話になりすぎてやめた。


暇だけど……

現状、魔力を込める量もかなり必要だし、待ってる間は魔力系の訓練はやめておこう。

なんかそれが魔力訓練になるしね。

射撃場じゃないけど、この試験場は大丈夫みたいだし、エイム合わせでもしとくか。

あッ!スナイパーの練習でもするか。こんなゆっくり練習する時間なかったし。ちょうどいい機会かもね……


______________


そうこうしてるうちに調整を終え、2人が帰ってきた。


「うーん……リリーナ、とりあえずこれで試してみてぇ」

なんかアルルさんの歯切れが悪い気がするが、とりあえず言われたことをやる。


「……ん、ふんぐぐぐッ」

やっぱこれ魔力が入りにくいな。狭い入口に無理くり魔力を押し込めていく。

「ふんんんん、おらぁあ!…はぁはぁ…ふぅ、入りました」


そして、先程と同じように実験を行う。だが、結果は同じ。2発目で大きなヒビが入り、そのまま割れる。


「やっぱかぁー?」

「そうですね」


2人とも首を傾げている。既に何度も失敗してしまっている。実験に失敗は付き物だ。試行錯誤しながら改良している最中なのだから、それはいいんだけど、なんか納得いってない感じだ。

「どうかしたんです?」


「リリーちゃん。多分かなり調整は出来ていると思うの。後はマリーさんが最後に改良した部分。私達にも話してない、そこの部分に手をつけたいんだけど……」

「そ!でも、そこが難しい。……マリーさんやりおる」

「そうなのよ……」

「リリーナはなんか聞いてないかぁ?」


「あー、何も聞いてないですね。研究室で働いてるってことも知らなかったんで」


「室長、マリーさんが亡くなった時、リリーちゃん5歳くらいですよ?さすがに無理ですって」


あはは……言えない。単に気付いてなかったなんて……すみません。中身は普通の5歳じゃなかったんです。


「ぐぬぬ……リリーナの貸し出しは1ヶ月なのに……あの長官伸ばしてくんないかな」


そんな契約になってるんですね…私のことなのに、私知りませんでしたよー。


「そうですねぇ。ちょっとマリーさんの改良部分を更に確認ですね」

「魔力回路も弄る必要があるか……トランスの調整も…………」


こうして、私の実験の日々が過ぎていく。

少しでも面白いと思って頂けれれば、

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