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FPSゲーマーの転生先なんて決まってる!~ストーリーモードなんて覚えてる訳ない~  作者: 栗飯


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121.ネームドの認識



リリーナとアリスは帝都一大きいというショッピングモールに向かっていた。


「すみません。銀行まで付き合って貰って。アリスさん今日お休みなのに……」

「いいの!リリーナさんは帝都は初めてですからね」


しかし、リリーナは気になることがあった。


「あの……、アリスさん、口調、もっと崩して貰っても大丈夫ですよ?」

「……い、いやぁ、最初こそ年下として接したんだけど……ネームドなんだよなぁって思って。ははッ」


秘書官として働いてはいるが、アリスも軍属である。階級は絶対だ。年下だろうと上官には敬語を使う。


だが、ネームドは特別だ。全兵士が一目置いているその存在は、アルステリア帝国軍の中でも特殊な命令系統となっている。

ネームドは独立行動権を有しており、ネームドへの命令権は皇帝と極わずかな大将でなければ命令することができない。


極端な話、中将以下の命令は無視しても問題ない。強者のみがなれるネームドはそれだけ国の重要な戦力なのである。

尚、ネームド自身の階級は、あくまでもそのネームドがその他の兵士達へ命令する場合の指標となる。


リリーナの存在はアリスから見たら、年下で階級は同じ。しかし、ネームドになった。その事実が非常に大きいのだ。初対面こそ気軽に接したが、そんな存在となったリリーナにそのままでいいのか図りかねていた。


「ネームドなんて、大した事ないですよ?階級は同じ中佐なんですから、気軽に来てくださいよ!しかも今日はオフですよ!寂しいじゃないですか!」


当の本人はネームドに特別感を全く感じていない。少し強いから選ばれている、ただのプレイヤブルキャラ程度の認識なのだ。


「大した事ない訳ないんだけど………寂しい?」

「そうです!」

「そ、それじゃ。気軽にしま、するよ」

「なんだかぎこちないですねー。

ところで、次は何処に?」

「あ、えっと。まずリリーナちゃんの服とか買いにいきます!」

「おぉ!服ですか!?」

「そう!リリーナちゃん、ずっと軍服でしょ!?5年間ほとんどそうだったって聞いたよ!」


今日のリリーナは先日渡された、()()()()()軍服である。


「あはは。服は最低限で見てましたね」


リリーナはあまり服にこだわりが無い。でも流石にネームド服はないと考えて軍服の方を着ている。それしかないとも言えるが。そんなリリーナが気にしているはずもなく、アリスも初めての経験で見誤っていた。


演説した昨日の今日で、眼帯をした軍服の少女が街を歩けばどうなるか……

軍施設周辺はあまり目立たないが、ショッピングモールで軍服は浮く。意識していた訳じゃなくても見てしまう。注目を集める。そして、気付くんだ。昨日の少女ではないかと。


「あぁ!!アインリーパーだ!」

子供が大きな声を上げたことで、それは更に爆発的に広がる。

「えッ?ウソッ!?本物??」

「えー、可愛いー!!」

「凄い!ちっちゃい!!」

「眼帯カッケぇぇー!」


ネームドは兵士だけでなく、国民にも憧憬の的。いや、兵士よりも距離が遠い分、英雄視が強いかも知れない。

即、囲まれてしまう。

「リリーナちゃん!一緒に写真撮って!」

「あ、いいですよ?」

「アインリーパーさん、握手して下さい!」

「はい、どうも」

「マジで眼帯なんですね。サイン下さい!」

「サインかー。じゃコレで!」

「うぉお!よっしゃ!」


「リリーナちゃん?」

ショッピングモールの近くに人集りが出来、遠くからでも目立ってしまうようになる。つまり、どんどん人が集まり減らないのだ。


「さ、流石に多いですね……」

「そ、そうだね。リリーナちゃんの人気を舐めてたよ(リリーナちゃんの対応がなんか慣れすぎて怖いんだけど)」

「一旦、退避しましょう」

「う、うん!」


2人は特務機関支部へ戻る。結局、この日は軍施設近くで食べ物をテイクアウトし、2人で話をするだけで終わる。服は後日アリスが買ってくれることに。今日の成果は、2人が仲良くなったことと、軍服でショッピングモールなど目立ってしょうがないことを学んだのだった。


_______________


「き!み!が!!マリーさんの娘だねぇ!?」


私は今、何やらキャラの濃い人に絡まれている。ボサボサの赤髪を、雑に1つに纏めており、化粧っ気はないが素材は美人だろう。白衣は油だろうか。至る所に汚れがあるタイプの研究者。


「そ、そうです。リリーナ・ランドルフです。一応、ネームド隻眼の死神(アインリーパー)です」

「ほうほう、ほうほうほうほう、ほほう…顔のパーツはマリーさん似やなぁ」

「はいはい、アルル、観察するのは自己紹介してからにしろ」

私の顔を両手で鷲掴みしてグリグリ回しながら、確認し始めた研究者をテレーズ長官が引き剥がしてくれる。


「私、アルルですぅ」

「……」

……え?終わり??


「すまんな。一応はこいつが研究室の室長だ。研究者としては優秀なんだが、見ての通り、あんまり常識がなくてな。ちゃんとしてる奴が……えっと、シモーナぁ!!」


研究室は思ったよりも人数がいない。アルルさんを含めて10人もいない。そんな中、奥の方から出てきたのは長めの髪を肩下で綺麗に纏めている女性。

髪色は違うけど、母さんと同じ髪型だ……


「あら!?あらあらあら!?あなたがリリーちゃんね。私はここの副室長のシモーナよ。ふふふ、私達マリーさんの部下として一緒に働いてたの」


このシモーナさんはさっきの人よりもちゃんとしているが、ふふふと笑いながら私を抱きしめて撫でてくる。なんだこの、溢れ出る母性は!?包み込まれて逃げられないッ!?

「それじゃ、あとはシモーナに聞いてくれ」

「あ、ちょっと、長官!ちょーかーん!!」


こうして私は研究室の手伝いをすることになる。

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― 新着の感想 ―
楽しく読ませてもらってます。 ところで、ふと気になったのですが、カンナは今どこで何をしてるんですか? クウィントンで別れた後の行方ってなんか言われてましたっけ? ちゃんと読んでないだけだったらすみませ…
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