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FPSゲーマーの転生先なんて決まってる!~ストーリーモードなんて覚えてる訳ない~  作者: 栗飯


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99.私のやり方


「はぁはぁっ…うっ……はぁはぁ」

男は全力で走っていた。顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっている。軍において敵前逃亡は重罪となる。男は生活が困窮していたわけではない。給金が良いからと入隊した。自分が活躍し、英雄になることを夢見ていた。最初は順調だった。元々運動は得意で入隊後も同期の中では比較的早くに昇進し、今は分隊長を務めるまでになる。

たが、男の分隊は壊滅した。そればかりか同じ任務できた他の4分隊までも全滅した。全部で5分隊。そのうち生き残ったのはこの男だけ。次々に倒れる仲間に、聞こえる笑い声。

誰かが言った……隻眼の死神と。

男は迫り来る恐怖に、半ばパニックに陥っていた。


死にものぐるいで走った男は、先程指令を受け、出発していた司令部の目前まで戻ってきた。

司令部は学校の校舎として使われていた場所である。外周は元の背の低い塀に高さ3mはある壁が取り付けられている。ただの薄い鉄板だが、防壁としてではなく、内部の目隠しとして機能していた。


「はぁはぁ、助かっ…ガッ!?」

男は何が起きたのか理解できないまま倒れた。



「マリアさん上手いですね」

「ありがとうございます」

リリーナの賞賛に、マリアが綺麗な一礼をする。レッド部隊は作戦を変更。敵司令部の位置をわざと逃がした兵士を追うことで絞り込んだ。

「マリアはスナイパー選考なんだ」

「いいですねー。部隊に1人くらい欲しいですよね。スナイパー」

「リリーはだからシアちゃんをスナイパーに?」

クレアは繋がったとばかりに閃いた表情だ。


「シアの場合は適正がよかったから、薦めただけですよ。私だって無理には言いませんよ。ザックさんと話してスナイパーがいいんじゃないかってなったんですから」

「リリーナさんはあのザック中将ともお知り合いなんでしょうか?」

マリアの疑問は当然であった。リリーナはなんとも思っていないが、初代レッド部隊である父、シルヴァンとザック、フリード、クレアはアルステリア軍で知らぬものがいない程の部隊である。リリーナ視点だと、ゲーム本編の主人公部隊であるため、当然の帰結と言えばそうなのだが、英雄となっているのだ。


「あー、一応、ザックさんの養子って形になりますね。父と母は私が5歳で死んだんで、引き取ってもらった形です」

シルヴァン(レッドイーグル)の娘で、ザック中将の養子……」

「ちなみに、話に出てくるシアって子がザックさんの実の子ですよ。私は形式上養子ですが、ザックさんは親戚の叔父さん枠ですね」


「ザック中将が叔父さん……」

リリーナの雰囲気から本気で彼等に尊敬とかそんな感情がないことを感じ取り、真面目なマリアは衝撃を受けていた。


「敵司令部は分かったが、リリー隊長さんはどう攻める?」

ショーンは楽しそうに聞く。ショーンはその能力柄敵指揮官を標的にすることが多い。リリーナがどう攻めるつもりなのか気になっていた。

「んー、そうですねー。そんなに敵は多くないけど、1人1人の距離がありますからねー……」

リリーナは少し悩む素振りをすると、閃いたかのようにニヤリと笑う。

「分かりました。名付けて数を減らして司令部解体作戦です」

「……ネーミングセンスは置いておいて、何となくやることは分かった。それをどうやるかって話なんだが?」

「まぁまぁ、最初は私が危険を減らせるだけ減らしますから、少し移動しましょうか」


リリーナについて行くと、敵司令部を囲う目隠しフェンスから道路を挟んだ民家に入る。

「ここ?平屋だし、変わらず中は見えないな」

「それが大事なんですよ。ククッ、私はよーく見えますよ。マリアさん()()貸して貰えます?」

「はい、どうぞ」

「ありがとうございます。……モントニア、流石よく整備されている。良い銃ですね」

「あ、ありがとうございます」


スナイパーライフル【モントニア】。ボルトアクション方式の7.62mm弾のスナイパーライフルだ。マリアの銃は彼女が握りやすいようにグリップが変更されている以外は基本装備であるが、丁寧に整備されている。

「先生、まだまだ魔力はありますよね?」

「あぁ、大丈夫だぞ。弾丸だな?」

「FMJでお願いします」

「分かった」


シンディが両手を合わせ魔力を込める。すると光り輝いた後、テーブルの上には弾丸がマガジンに込められた形で生成された。

「いやー、やっぱ先生が1番最強ですね」

「大した能力ではないだろうに……」

この世界における弾丸生成能力はあまり評価されていない。だがリリーナはシンディの能力をかなり評価している。

リリーナのように後方部隊から逸脱した場所で戦闘するのに、弾丸の心配がないのはかなり大きいことだった。

「任せてください。先生のこと悪く言う奴は私が許しませんから」

「あ、いや、うん。ほどほどにな」

「……にッ」

リリーナはニコっと微笑む。

(絶対やり過ぎるな)

(絶対やり過ぎるわ)

(絶対やり過ぎるだろうなぁ)


みんなの内心なんてなんのその、リリーナはテーブルの上に棚から取ってきた本を置き、銃をセットする。自身はテーブルの上にうつ伏せになり、射撃体制を作った。


「じゃ、皆さんは少し待っててくださいね!敵をちょっと減らしますから」

スナイパーライフル【モントニア】≒L96A1

見た目などはこちらのイメージで。但し、あくまでも性能はゲーム〖Hero of War 虹色の戦争〗を元となっており、実銃とは必ずしも同じではありません。


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