試験
「よし、お前ら今日は試験をする」
ラスク達は男に稽古をつけてもらって2週間がたった
「試験って何するんですかギネアさん」
リュウは最初の頃とは随分と態度が変わっている
「戦場では、いつ、どこから敵が来るか分からない
奇襲が主な戦い方になったりする、今回は、両方ともこれを使え」
そう言って男はリュウとラスクに、短刀を五本ずつ持たせた
「これで俺とリュウが戦かうんですか?」
ラスクも態度が変わっている
「いや、相手は俺だ、戦場で単独行動は少ない、だからお前らは二人で俺を倒せば合格、もしくは罠に引っ掛けて行動不能にすれば合格だ」
「倒すって、殺すんですか?」
リュウが問いかける
「殺すだな」
男は即答する
「殺せるわけないじゃないですか!」
ラスクが声を荒げる
男は笑みを浮かべた
「いや、殺していいぞ」
そう言って、男は基地に戻った
リュウとラスクは顔を合わせてキョトンとしている
しばらくして男が戻ってきた
「これを使うから大丈夫だ」
男は一つの小さな人形をラスク達に見せた
「なんですかこれ?」
二人は声を合わせて問いかける
「これは、義理人形っつてな簡単に言えば分身みたいなもんだな、魔力を込めれば本人にそっくりな容姿になる、実際に俺が操作するから腕が落ちることはない、まぁ所詮人形だから脆いって事はあるけどな」
そう言って男は人形に魔力を込め始める
「すげぇギネアさんそっくりだ」
目の前には男が二人になっていた
「俺は基地に戻るから、後はその人形が説明する」
それからラスクたちはあたりに街も村もない、草原に立っていて周りは森で囲まれている場所まで連れてこられた
「制限時間は1週間、それまでに俺を殺さなきゃお前らの負けだ、負けたら、傭兵止まりだ…俺はこの森から先には出ることはないから、俺も殺す気でいくせいぜい殺されないようにな、まぁ殺されたらその程度だったってことで…じゃっ」
そう言って男は森の中に消えていった
ラスクたちは、この実戦を乗り越えることができるのか、そしてこの2週間どんな修行をつんできたのか、リュウとラスクは余裕の表情を浮かべていた