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魔法界  作者: 山本の森
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力の格差

「お前ら、3週間ぐらい俺帰ってこないから、こいつに面倒見てもらえ」

朝起きて唐突にライトスは、ラスク達にそう告げた


「じゃ」

そう言って背中を向け右手を上げてそそくさと、基地を後にした


「面倒見てもらえって、誰ですか?」

ラスクは見知らぬ男に問いかける


「ギネア、お前らに稽古つけろって言われた…」

前髪が目元まであり、猫背で暗い表情を浮かべるその男は、リュウでも少しおっかなく感じる程であった


「……あいつ絶対やばいやつだって……」

リュウとラスクは小声で話し合う


「……逃げよう…」

そう言って双方首を傾げた


「ギネアさん、虫!虫!」

ラスクは男の後ろを指差す

男が後ろを振り向いた

瞬間ラスクとリュウは、走り出した

ラスクとリュウは、扉付近まで近づく


「クソガキがっ…」ヒュッ

グサッ


「え?」

開きかけていた扉が突然閉まった

ラスクは手元に目を移す、手元の横には短刀が突き刺さっている

リュウとラスクは恐る恐る振り返る


「虫を殺す道具を買いに行こうと思って…」

リュウは、苦し紛れの嘘をついた


「あ、そうだったのね」

少し暗くなっていた表情が晴れた


(キモッ、今の信じるとかあり得んのかよ)

ラスクはそう思った


(キモッ、こいつなんでも信じんじゃねぇの?)

リュウはそう思った


「じゃぁ、稽古する前に、一回、実力を測るね」

そう言って男はラスク達を基地から離れた、平原に連れて行った


「どっちからでもいいよ、両方来てもいいけど」

その言葉にラスクはイラついた


「俺からいく」

ラスクが男の前に立った


「女一人か…随分舐められたもんだ…」

この言葉にもラスクはイラついた


「星光…」

ラスクは右手を空に向けて左手を男に向けた


「見たことない、魔法…」

男はラスクを不思議そうに見つめている


「ボケっとしてんじゃねぇよ」

ラスクはそう言い、男の足元に人差し指と中指を向ける

「昇閃光」

男の足元が隆起し始めた


「ホッ」

男は素早い動きでラスクの魔法を避けた


「光の柱?」


「考えてる余裕なんてねぇぞ」

ラスクは昇閃光を立て続けに撃つ


「空を見てみたらどうだ?」

ラスクは舐めた口調で男に問いかける


「!!」

男は驚いている


「避けてみろよ」

ラスクはそう言った、だが、男は空から落ちてくる光の玉を避けた


「危なかっ!」ドゴォォン

男は攻撃をくらった


「その光屈折するんだよね」

スカした笑みをラスクは浮かべた


「惜しかったな」

ラスクの耳元でそう言った


「な、なんで!」

ラスクの首には短刀が向けられていた


「敵に背中を向けてはいけない」


「確かに当たったはずなのに、、、」

ラスクは自分自身に失望した


「俺が敵取ってやるから見とけ」

膝をついたラスクの横をリュウは、通過し後ろに下がった男を睨んだ


「お前のトリックわかっちゃったもんね」

そう言ってリュウは、男の方へ走り出した


「咆哮」

リュウは、走りながら男に右手をかざした

青い波動が手から放たれた


「何もわかってないじゃないか」

男はそう言って攻撃をくらった

波動を受けたことにより煙が生じた

少し時間が経過し煙がはれていく


「い、いない」

男は驚いた


「龍拳術、拳技、龍星拳!」

男は、振り向いた瞬間頬を殴られた

数十メートル飛んだ男はびくともしない


「お前すげぇな」

ラスクは言った


「簡単な仕掛けだよ、あいつの能力は魔法剣術だ」

リュウは、自信満々に言う


「魔法剣術って剣に魔法を纏わせて技を強化する能力だろ?」


「それともう一つ、設置魔法がある」

ラスクは首をかしげる


「設置魔法?」


「そう、せっちまほ!」

突然地面に紫色の紋様ができた


「やぺっ」

ラスクとリュウは、逃げようとするが身動きが取れないようだ


「そう、これが設置魔法シャギナ、短刀が最低3つでできる、相手を方位する形に短刀を地面に刺して、後は魔力をこめるだけ…」

倒れていたはずの男が、首の骨を鳴らしながら歩いてくる


「一度引っかかると最後、レベルに格差がない限り抜け出すことは不可能」

さっきまでカタコトだったはずの男の口調が何故か流暢になっている


「お前らまだまだだな、まぁ俺も油断したところはあったが…」

リュウとラスクは力の格差に屈服した


「お前らのレベルはだいたいわかった、明日から稽古するから、しっかりついてこいよ」

男はなぜだか猫背も治り、心なしか声も変わっているような気がする

リュウとラスクは不思議そうに男を見ている

これから厳しい修行が始まる…


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