登校
「お前ら、学校行くか?」
ライトスはそういった、なぜこうなったかと言うと、ラスク達が魔晶石の話をライトスにしたからで、あまりの学の無さを心配したためである
「学校ってガキの遊戯場だろ?」
ラスクは、まともに育ってきてないため、学校に行けてる子供を嫌っていた
「俺は行きたい」
リュウは興味を持っていた
「じゃぁ決まりだなラスクとリュウ、心配すんな学費とか道具は軍費で賄うから」
「お、俺もかよ、第一もし何かあったら出動できないじゃん」
ラスクは言う
「それは大丈夫だ、これを付けとけば…」
そう言ってライトスはポケットから、小さい道具を取り出した
「なんだこれ?」
「これを片耳に付けとけば、出動命令が来たら合図を送るから」
これは、魔法で合図を送り合える装置らしい
だが、付けてる側は送ることはできなく、送る方は特別な道具を必要とする
「じゃ来週からということで」
ラスクは嫌だったがやむなく、行くことになった
〜1週間後〜〜
「ラスクはどうする?」
ラスクは、男用か女用の制服かの選択を迫られていた
「男用に決まってんだろ!」
両手をはって体勢を前にしてキレ気味に言う
「いや、女用だろ」
リュウはふざける気無く答える
結局、軍内の人に推されて制服は決められた
「学校ってどこだっけ?」
ラスクはリュウに聞く
「基地から、20キロ離れた街トニトルスさん達がいる街らしいよ、普通はパスポートがいるらしいんだけど、ライトスさんが話を通してるから、光明軍の事を言えば通してくれるって」
リュウとラスクは、走り出した
1時間後ラスク達は、巨大な門の前にいた
門には二人の番人がいる
「パスポートを見せろ!」
「光明軍なんですけど…」
「確かに二人子供がくると聞いている、通そう」
門を簡単に通過できた
ラスクは何故かつまらなそうな顔をしていた
「学校ってケンカとかあんのかなぁ」
ラスクは変な期待をしている
「絶対相手にすんなよな」
リュウは念を押している
〜学校前〜〜
「でけぇなぁ」
ラスクは驚く、レンガでできたどデカい建物にラスクは興味をそそられる
リュウも楽しみそうにしている
「ここか、1年C組」
ラスク達は、15歳高校一年生だ
廊下にまで教室のざわめきが聞こえる
「入ってどうぞ」
担任の呼び声がかかり、リュウとラスクは教室に入った
長い黒髪をたなびかせながら、スカート姿の美少女と、少し白っぽい黒色の髪で短髪の高身長の少年が教室に姿を現した
「じゃぁ自己紹介をしてもらいましょう」
「リュウ・アルベルト、りゅうま、」
ライトスに出身地と種族を隠せと言われていた事をリュウは思い出す
「旧ギルシャナから来ました」
教室には同情の空気が流れる
「みんな仲良くしてくれると嬉しいです、よろしくお願いします」
しっかりと礼をする、最初は盗人をしていたとは思えないほどだ
「えーラスク・モア、がんばります」
何故か右手でガッツポーズをした後、頭を下げた
リュウは頭を抱えた
「か、かわいい」
教室の男子からは称賛の声が上がる
同じく女子からも、謎めいた性格から人気が出る
リュウはこの状況に引いている
「じゃぁ、二人はあの席でいいかな」
教室は長机が6個ほどおいてあり、ラスクたちは一番後ろの窓側の席になった
ラスクが一番端に座り、横にリュウが座った
リュウの横には女の子が座っていた
「これからよろしくね」
リュウは隣の子に目をやり頭を下げる
女の子は少し頰を赤らめてお辞儀を返す
「わ、わからないことがあ、あったら私に聞いてね」
女の子は緊張している
リュウは微笑んだ
「うぃ〜」
リュウは肩を殴られた
後ろをみると、ラスクが煽っている
リュウはラスクにも微笑んだ
その態度を見てラスクはもう一発肩を殴った
〜休み時間〜〜
「モアちゃん〜」
ラスクの周りには人だかりができていた、女子が多く男子は近寄れないほどみんな緊張していた
「モアちゃん髪長いね、結んであげようか?」
「モアちゃんなんの魔法使うの?」
「モアちゃん顔ちっちゃいね〜」
ラスクは死んだ目をしている
想定では、喧嘩に発展する展開を想像していたが、そうならなかったせいか、目が死んでいる
リュウの方には、ラスクに話しかけれない男子が集まってきている
「どうやったら喋れんの?」
「お前、モアちゃんのなんなの?」
「パンツの色なに?」
リュウは淡々と質問に答える
ラスクは、あの場から抜け出し教室をでた
そして走り出す
「いてっ」
ラスクは何かにぶつかった
目をやると、巨漢の男が立っていた
「お前、今ぶつかったよな」
ラスクは、胸ぐらを掴まれた
そしてなぜだが少し興奮している
「か、かわいいな俺の女になれよ」
側近の男たちも賛同して言う
「すまない、人外には興味なくてな」
確かに男の顔は整っているとは言えない
「なんだこの女、わからせてやるよ」
男は右手を上げ拳を握る
「やめたまえ」
コツコツと、廊下に足音が響く
「なんだ、生徒会長様じゃねぇか」
男は舐めた口調で言う
「か弱い女の子を殴るなんて、人間のすることじゃないですよ」
「なんだと、お前も俺を人外だと思ってるのか?」
男はラスクを押し、生徒会長に目を移す
生徒会長の眼力は鋭く、男は内心ビクついている
「チッ、お前のせいでしらけたわ」
そう言って男と、側近たちは帰っていった
「大丈夫?怪我はないかい?」
ラスクは頷いた
「僕の名前は、テルミック・ルアー君は?」
「ラスク・モア」
男の表情が一瞬暗くなった
「あぁゆう人たちもいるから気をつけてね」
そう言ってテルミックは去っていった、ラスクも教室に戻ることにした
その日は何事もなく終わった
ラスクがスカートを履かされた理由は、問題を起こしにくくするためでもあった
だが、これから先学校内でも、戦闘が起こることを二人は知る由もない