石の力
隆起した砂はからでかい化け物が勢いよく飛び出し
辺りには砂が粉塵した
「こ、これが石土竜!」
ラスクはあまりのデカさに驚愕した
そのデカさは、ラスク(160cm)の5倍ほどだ
形は土竜そのものだが、爪がとてつもなくデカく鋭い、そして普段見えない目も真っ赤に光遠くからでも目視できるように、恐ろしい変貌を遂げている
「これが、魔晶石を取り入れた生き物の成れの果てだ…」
フィリスはそう言って、腰につけていた長剣を抜き取り、構えた
「ラスクは後方援護、リュウとトニトルスとシリアは俺と前線に突撃、残りのトニトルスの軍の残兵は俺らが敵の体勢を崩した時に突撃命令をだす
それまで待機ともしものときの救護を頼む」
そう言ってフィリスは走り出した、フィリスを前衛にリュウ達も走り出した
ラスクは後方で戦闘態勢をとった
「光聖剣」
フィリスの周囲に数十の光の剣が現れた
そして、土竜のそばまでたどり着いたフィリスは長剣を胸の横まで引いた
「貫け!」
土竜の頭の頂点をかすれた、その後に光の剣は直線に放たれたが、土竜が地面に隠れたことにより当たることはなかった
「そう簡単にはいかねぇよな」
フィリスは言う
「地面に行かれると厄介ですね」
シリアは小剣を構えながら言う
その後、数分後リュウ達の数十メートル先に現れた
「きますよ、でかいのが!」
トニトルスは声をあげ、全員に警戒をよぶ
土竜は右手を大きく上げた
「ん?」
土竜の顔から煙が出た
後方を振り返るとラスクが技を放っていた
「明るすぎて、見えないな」
ラスクの魔法はいわば光、砂漠の日差しは強くラスクの魔法の明暗がわかりにくくなっている
「打つ時言えよ!俺たちに当たるかもしれないだろ」
リュウはラスクにキレる
「備えろ!」
再びトニトルスが、声を上げる
土竜が地面に攻撃をした、砂が勢いよく飛んでくる、それと視界が失われる
「いってぇ、何だこの地味な攻撃」
白い布で少しは守られているが、少しずつ穴が空いてくる、ラスクは遠くにいるため何もくらわず、他人事のような目で見ている
「な、何だこの音?」
ゴゴゴと地面から音がし、それと同時にゆれている
「シリア狙いはお前だ!」
トニトルスは叫んだ、だが遅かった
トニトルスの言葉を理解するまでの間に土竜は攻撃をする
「きゃっ」
シリアの地面が隆起し始めた、逃げようとした瞬間
ドゴォン
地面が破裂した、そして勢いよく出てくる土竜の鋭い爪にシリアの背中は切り刻まれた
そして、粉塵はやんだ
「シリア!おい残兵シリアを安全な場所に運べ!」
シリアは、数十メートル離れた場所まで吹き飛ばされていた
「チッ、調子に乗りやがって」
トニトルスの眉間にシワが寄る、槍を掴んでいる手にも力が入る、重心を後ろに寄せて、槍を土竜に向けて地面を蹴り上げた
「こ、これが速槍と呼ばれた男のスピードか!」
フィリスは思わず声がでるほど、トニトルスのスピードは速く、フィリスが喋り終わった頃には、土竜のそばにいた
「槍雷」
トニトルスは両手で持ってた槍を、リーチを伸ばすために右手のみ前に突き出した、頭と、上半身を出していた土竜の肩付近に槍があたった
「槍波」
スピードの速さで、声を上げるのに遅延がおきた土竜が、叫んだ時にはトニトルスは次の技をだした
ボカァァン
一瞬電気が、土竜の肩に入っていき
土竜の左肩が吹き飛んだ
その衝撃で、トニトルスは後方に吹き飛ばされ、転がっている
「すげぇ」
リュウとラスクは口を開く
その後土竜は地面に戻ろうとした
「光剣」
フィリスは後方から光の剣を一つ飛ばした
その剣は地面に戻ろうとした土竜の右目を貫通した
ギャァァァァ
土竜の断末魔が聞こえる、それと同時にリュウが走り出した
「あいつ、きたねぇ手柄だけ…」
ラスクは、それが許せないのか走り出した
ラスクは、人差し指と中指を土竜に向けた
「昇閃光」
土竜は、空中に上がり光の強さで、毛がどんどん剥げていく
その瞬間リュウは飛び上がり、右手を握り浮いてる土竜に向け腕を伸ばす、左手は右手を握った
「龍魔導、龍波一閃」
瞬間リュウは、空中で後方に吹き飛んだ
最初土竜を突き抜けた波動は、細い線だったが
次第に膨張していき、土竜の腹には大きな穴があいた
「よし、なんとかやつの独占は免れた」
ラスクは右手で額の汗を拭いながら言う
土竜は地面に倒れ込み白目を剥いた
フィリスは、ラスク達によってきて賞賛し始めた
トニトルスは立ち上がり走り出した
「シリア!シリアは!」
男は救護した人たちの場所に行った
「最善は尽くしましたが、傷が深く…」
回復魔法を使ったが、良くならなかったシリアを見て、トニトルスは背中を向けた
その時トニトルスの肩をラスクがたたいた
「大丈夫ですよ」
そう言ってラスクは微笑む
「なにが、大丈夫だ!」
トニトルスは声を荒げる
ラスクはシリアのそばにいき、しゃがみ手をかざす
「再生光」
シリアの傷口に光が入っていく
するとみるみるうちに、シリアの背中の傷は浅くなっていく
「あ、あれ?」
シリアは起き上がる
「あっ、まだ動かないほうがいい」
ラスクはとっさに呼び止める
「シリア!」
トニトルスは泣きじゃくりながらシリアを抱きしめた
ラスクはその後感謝された
「こ、これが魔晶石?」
ラスクとリュウは初めて見る紫色の光る石を見つめる
大きさは10センチほどだ
フィリスは驚いていた
「お前ら、知らないのか!」
学校すら行ってなく学のないラスク達は、知るはずもなかった
「この星の原動力だぞ」
そして、魔晶石について聞かされた
でかい魔晶石がこの星の中心にあり、それがこの星を動かし、人々が魔法を使える原因だという
魔晶石を体内に誤って取り入れた生物は、この土竜のように変貌を遂げるらしい
「じゃ、じゃぁこんな危険なものなんの為に手に入れてるんですか?」
ラスクは疑問に思った
「魔石(以後省略)は飲み込まれなければ、意識を保ったまま使いこなせるし、装備につけることも可能、何より危険な状況の時に、能力を上昇させることに使えるからな」
フィリスは、トニトルス達に魔石を半分にして渡して、互いに別々に基地に帰っていった