カナブン
駅のホームで座っていると、カナブンがぶつかった
飛んでるカナブンが私の肩に止まったのだ、とっさに払う
どこに行ったかと見渡すと、カナブンは私の前にいた
死んでしまった?
殺してしまった?
その場にいられなくなって、離れる
虫は嫌いだけど、殺したいほど憎んでいるわけではない
見た目が嫌いだから、近くにいて欲しくないだけ
同じ世界に住んでいてもいいけど、関わりたくない
肩に止まっただけで、私は痛くも痒くもないから
払ってしまったことを反省してる
叩いてしまったかもしれない、痛かったかもしれない
干渉しないと言ったのに、私から関わりにいってしまったのかもしれない
いやいや、ぶつかったんだから
向こうが悪いよな
よくよく考えると気持ち悪いな
あんな奴が肩に止まってたなんて……
前にも虫が服についてたことあったなー、とか考えて、これはよくあることなのだろうか、私だけではないか、なんて思考に辿り着いて
ネットで検索してみる
『カナブン 肩にとまる』
スピリチュアルの世界ではカナブンは幸福の象徴だと知る
幸福の象徴が目の前に現れたのだ
しかも、ぶつかってきて
それは私に幸福が来るという解釈でいいのだろうか
いや待てよ、払っちゃったけど???
申し訳ない気持ちになって、誤りに戻ろうかと思ったけど、ちょうど待っていた電車が来て、心の中で謝るだけにした
さっきはごめんなさい。幸福欲しいです
スピリチュアルは信じてるわけじゃないけど、信じてる
それで救われるから、嫌な出来事がいい出来事になるから
読んでいただき、ありがとうございました!
こういう話、書くの楽しいって分かったので一日一つ投稿する予定です。よろしくお願いします。