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4焼きそば

「こんなところで、何してるんだい?」

老人は首をかしげる。

「おばあちゃん…また会えて、本当にうれしいよ」

「ああ、ああ、そうだね。で、何か用事でもあるのかい?」

「うん、そうなんだ」

「教えておくれや」

奈々は一度目を閉じ、笑顔で言い放った。

「焼きそばちょうだい!」

「…は?」

一同は動かなくなった。

「あ、間違えた。焼きそば作って、おばあちゃん!」

「一番間違えちゃダメなことを間違えたね!」

千広は呆れてため息をつき、老人の反応をうかがう。

老人は驚いた顔をしたが、静かに微笑んだ。

「…いいよ。奈々ちゃんが食べたいだけ、いくらでも作ってあげるよ」

「ありがとう!」

奈々と老人、ついでに千広は美音と別れ、老人の家へと向かった。

「さあ、早速作るよ」

老人は麺やらソースやらを用意して、早速フライパンの前に立った。

麺がフライパンの上でじわじわと温まっていく。

老人はいろいろなソースを入れて…

「うん?ちょっとソース、入れすぎじゃない?」

「おんや?奈々ちゃんはこれくらいが好きだったけどねえ」

「濃い味好きすぎでしょ!」

まあとにかく、無事に焼きそばはできたようだ。

おいしそうなにおいが部屋いっぱいに広がり、千広は微笑みを隠せない。

「お嬢ちゃんも食べるかい?」

「あ、はい。いただきます」

誘惑に負けた千広は、席について皿に盛られた焼きそばに箸をのばす。

「ん、うん?」

それはとてもおいしくて、最高の気分だ。しかし、

「しょっっっぱ!!」

「んー?そう?」

隣の奈々はばくばくと焼きそばをほおばっている。

「よ、よく食べられるね…おいしかったけど」

「あははー!」

こうして、幽霊のしょぼい未練は解決したのだった。

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