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黄金世界  作者: 藤田 寛
どちらかの正義
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閑話 戦争の敗者

 サンクオル王国による、ウルジス大陸を横切るテレ川の通行料値上げに端を発した隣国カナンディラとの小競り合いは、ついに戦争へと発展した。

 カナンディラ・サンクオル戦争と呼ばれるこの戦いは、わずか半年ほどで決着がついた。


 サンクオルの指導者たちは、カナンディラが名誉と誇りの国から、富の国へと移り変わっていたことに気づかなかった。

 カナンディラの商人たちは、交易の妨げとなるテレ川の通行料値上げに強く反発し、積極的に戦争を支援した。

 十分な報酬の約束にくわえ、潤沢な装備を支給され士気十分のカナンディラの兵士たちと、国への忠誠心のみで戦うサンクオルの兵士たちの戦いは、カナンディラの連戦連勝であったという。


 敗れたサンクオルでは、王族のものはみな処刑され、王制は崩壊。カナンディラ自治領となり、サンクオルの田舎貴族だったトマス・アズフォルが領主として指名される。

 しかしアズフォルは政治に全く関心がなく、そのほとんどを侍従らに任せ、当人は贅沢にふけっているとの噂だ。


 カナンディラとの条約により兵力の削減を余儀なくされたサンクオルでは、多くの兵士が仕事を失った。

 盗賊、山賊などに身を落とすものも後を絶たないという。また、それは困窮する農民たちも同じであった。


 さらに、戦争は亜人たちにも影響を与えた。

 サンクオルの兵力がカナンディラに向けられたことを好機とし、サンクオルに生息する亜人たちがその勢力範囲を広げたのである。

 スケアム族などはかなり人里に近いところにまで進出、頻繁に人と小競り合いを起こすようになり、盗賊などと共に農民たちを悩ませている。

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