ポヤポヤ日誌
日誌【 journal 】
るいちゃんが、机の上で書き綴る。
書き終わると笑顔で手渡す。
男は、受け取り、了解の笑みを浮かべた。
そのメモには、こう書かれていた。
『 るいちゃん。
HOLiC × HOLiC の副メイド長
2019.11.1 から
2018. 7.28 初出勤
1999年11月4日生まれ さそり座うさぎ年
好きな食べ物は、
ハンバーグ、オムライス、チーズ
ぶり大根
メイドになった理由は、
かわいい服を着てみたかったから
つまるところ魔法少女になって
世界中のおいしいものを食べる。
角ハイボールが、好き。
↑(ノンアルコール)(ジュース)』
ポヤポヤ日誌【その1】
運命の再会!
2019年9月5日。
メイドのるいちゃんが、ビルの前に立っていた。
数メートル先から、目と目が、合った。
手には、お屋敷の広告物を持っている。
近づくと、広告物を、可愛いく差し出す。
その広告物を、受け取る。
そうすると、話しかけてくれる。
「アニソンカラオケメイドカフェどうですか?」
首をかしげながら反応を見る黒髪美少女。
同じように首をかしげながら応える。
「カラオケ歌わない」
「カフェで、お茶していきませんか?」
「お茶?」
「ここに、ご帰宅されたことってありますか?」
「ここは、まだない」
「ですか、で、あれ?
どこかでお会いしましたっけ?」
「………をたろ、アニメイト近くで」
「ヲタロで、前に会ったかた!」
「るいちゃん!」
「まさおさま!」
「お久しぶりです、来てくれたんですか?」
「たまたま偶然、通りがかって」
「ありがとうございます」
どうぞこちらへ、というジェスチャー。
それに、案内される形で、ビル奥に進む。
目の前に、長い階段。
るいちゃんのお給仕するお屋敷は、三階。
二階の踊り場を過ぎ、そのまま真っ直ぐ上る。
三階まで、十五階段と十五階段で、三十階段。
お屋敷の扉に、るいちゃんが、手をかける。
出会ったのは、偶然かもしれない。
階段を上りきったのは、意思によるもの。
お互いの選択により決定した出来事。
物事には、原因が、あり、結果が、ある。
その結果が、原因となり、未来が、決まる。
そして、運命の扉は、開かれた。
ポヤポヤ日誌【その2】に続く