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俺は、冒険がしたい 。  作者: ミルノ。
2/13

俺は、冒険がしたい 2

2話目読んで頂きありがとうございます。

引き続き楽しんでもらえると嬉しく思います。

源太から貰った汚ない鼻水袋の中から宝物が出て来た。

村から出て直ぐに俺の旅は、終わりを告げた。


宝物が見つかり直ぐに王都へ持って行くと、俺が犯人だと疑われかねない。

一度村に戻り、源太に事情を聞く事にした。

源太を探すがどこを探しても源太が見当たらない。


「まさか、俺に宝物を押し付けて逃げた訳じゃないだろうな?」


結局その日、源太が俺達の前に現れる事はなかった。


次の日の朝、何もなかったかの様に半笑いの源太が俺の家にいた。

俺は、驚いたが源太に宝物の事を問い詰める。


「あの宝物は、どうしたんだ。 お前が盗んだ犯人なのか!」

「おら、知らない。 何も知らないじょ。 犯人じゃないじょ。」


源太は、知らないの一点ばり、もはや話にならない。

埒外があかないから、それ以上追及するのを止めた。

追及を止めたら源太が何か言いたそうにしているのに気づいた。


「そう言えば、なぜ俺の家にいたんだ?」

「村のみんなが大変なんだじょ。」


慌てながら俺にそう伝えた源太は、俺をひっぱり村長の家に連れて行った。

村長は、苦しそうにしているが、家に入って来た俺達に気付き声をかけてくる。


「良く来てくれた。 今この村の中で大人は、みんなが病に侵されてしまっている。 元気なのは、なぜかお前達だけだ。 すまないが、山奥に生える薬草を手に入れて来てくれ。 この村を救ってくれ!」


昨日来た、騎士達の中に病にかかっていたやつがいて、知らず知らずの内に村にばらまいたのかも知れない。


しかし、なぜ子供である俺達には、感染しなかったのだろう。

考えても仕方ないから、ジュン、陽子、源太の三人で山奥に自生する薬草を急いで取りに行く事にした。


休憩を挟みながら七割進んだ頃、源太以外は、クタクタで足がおぼつかない状態だが、もう少しで到着すると気を抜いた瞬間に陽子が足を滑らせ崖から落ちた。

かなり高い場所から落ちたが、所々に生える木々に支えられ何とか切り傷と足の骨を折るだけで済んだ。


気をつけながら陽子の元へ降り、無事を確認する。

陽子の無事を確認するが、動ける状態にない。

ここまで来たのに、薬草どころではなくなった。

あたふたしている内に日が傾き、辺りは暗くなり始める。

このままでは、遭難してしまう危険がある。

山の天気は、変わりやすくさっきまで晴れていた空は、今では厚い雲に覆われている。 今にも雨が降りだしそうだ。


薬草を取って帰るだけだから、非常用の準備をして来なかった事を後悔する。

絶体絶命に陥ってしまった事に気付き鼻水を垂らしながら半笑いで泣き出す源太。

それに連れて痛みを我慢していた陽子も泣き出す。

しっかりしないとと気を張っていたが、急な不安が押し寄せ俺も泣いてしまった。


このままでは、三人共危ないし、何より村の人を助ける事が出来ない。

ここは、俺がしっかりしないとダメだ。

陽子は、足が折れてるから動けない。

源太は、笑ってるのか泣いてるのかわからない。


「今から俺が山を登って薬草を取って来る。 それまで、源太が陽子の側に居てやってくれ!」


辺りは、暗くなり不安しかないが、村の人、陽子、源太を助けるには、俺がやるしかない。


「これが俺の冒険の第一歩だ。」


自分を鼓舞し、下りてきた崖を登ろうとしたら、源太が駆け寄ってくる。


「ジュンは、何も持ってないだろうから、おらの飲み物持って行って良いじょ。」


源太が汚い鼻水袋を渡してきた。

緊急時なので、汚いから受け取らないなどと言えない。

有り難く受け取る事にした。


中身を見ると手の平サイズの瓶に入った水がたくさん入っていた。

丁度、喉が乾いていたので飲んでみると、不思議な事にさっきまで気力だけで動こうとしていた体がみるみる内に元気な状態に戻っていく。


「な、なんだこの水は! まさか!」


俺は、登ろうとしていた崖から離れ、横になって泣いてる陽子に近付く。


「陽子! この水を飲んでくれ!」

「どうしたのよ。 痛くてそれ所じゃないわよ。」

「一口で良いから頼む! 飲んでくれ。」

「もう、わかったわよ。」


差し出された水を渋々飲む陽子に異変が起こる。

さっきまで折れていた足が元に戻り、何もなかったかのように体力まで回復している。

瓶の隅の方に何か書いてある。


「パーフェクトポーション……?」


山を登ってる時、一人だけ回復薬を飲んでやがった。


「「源太ー!」」

もし、良かったらブックマーク、評価してもらえると嬉しく思います。


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