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開発会議

当初はのんびり俺による俺だけの俺のための楽園を作る予定だった箱庭だが、蓋を開けてみれば全然俺だけの楽園ではなかった。


自分の家を建てて畑を作ってスローライフと思っていたが、温泉とかダンジョンとか完全に観光地にしろと天のお告げなんじゃないかとすら思えてきた。


もうどうすればいいかわからないのでバードも呼んでみんなの意見を聞いてみる。


結果、俺以外の全員が観光地としての開発に賛成しやがった。


農地はいっそ壁の外でも良いのではという意見すら出ている。

あとは家畜の飼育計画が上がった。

色々施設を建てればそこの働き手としてコボルトを使えるだろうという感じだ。


奴隷コボルトは人工魔物であるが故に外には出せない。

天寿を全うするまでこの箱庭でせめて楽しく生きてもらおうと思う。


形だけでも仕事があれば満足する生き物なので、家畜の世話や開店休業でも土産屋の店員でも仕事があれば納得してくれる。

労働力前提の人工生物なので報酬については概念そのものがない。


店が繁盛しているかとか、家畜の数が多いとか少ないも関係ない。許容量以上の仕事があればできない分は何もしないだので、その場合は奴隷コボルトの数自体を増やす仕組みだ。

逆に余ればその分は間引く。

ちなみに殺しても魔石に戻るだけで燃料か残っていれば再利用も出来る。

倫理的にどうかと思うが、その辺りは魔族のやることなので感覚が違うのだう。


「それじゃ、ダンジョンの入り口を整備して受付用の建物を建築、道を造っていい感じの場所に温泉旅館を建築。費用は全部ジョニーが持つので旅館の一室を貸切にして、売り上げの一部を支払いって事でいいな」


「OKだよーあとパパたちが近いうちに来るからね」


「じゃあスイートルームは3部屋作成か」


国王じゃねーかとはもうつっこまない。

素早くバードが図面を引いていく。


入り口近辺には商店街を建てて、こっちは形だけだが奴隷コボルトに店番をさせる事にする。


その他天文台の建築となんとかおれの希望が通って水路と水車小屋の建築が決まった。


「何もないところも見映えを良くするのにハリボテで何か建てていい?」


「まぁいいか」


「商会と契約して食べ物とか雑貨が入るようにしてもいいかい?」


「まぁ、信用できるところなら…」


この街は俺の箱庭なので最終的に決める権利はあるんだけど、ただ最後に許可するだけの人になってしまっている。


「おうちがいっぱいあるのにコボルトさんたちは地下に住むままなの?」


「穴を作って住む種族だから地下で問題がないけど、もう少しいい環境を今準備中だ」


数にして50匹ほどの奴隷コボルトたちをそのまま地上に住まわすのは抵抗がある。人より圧倒的に魔物が多いとかどうなの?と思うからだ。

幸い地下で暮らす種族なのでダンジョンの居住区を整備してついでに従業員用の出入り口をつける予定だ。


「カナリア、影おきを頼む」


影おきとは数時間で消えてなくなる仮の建物らしい。

とりあえず建てて全体のイメージをつかみそこから微調整をする。


移動や手直しも簡単にできるので実際に見ながら街を作れるのだ。

さらに魔法具があればそこから図面も残せる。

結構高級なものなので、よっぽど上位かいいパトロンがいる者しか持てないそうだが、バードはこの魔法具も持っていた。


「しょうがないけど兄貴と組むと雑用ばっかだよ」


カナリアも腕の良い術士だが兄のバードにはまだまだ比べ物にならない。

というか兄が規格外なのだ。


「さっき脚下したビアホールを建ててもいいからがんばれ」


「本当!?」


カナリアの目がキラリと光ると作業スピードが倍くらいになった。


こうやってみんなが好きな建物で街にするのも楽しいよなーと俺も心から思う。


「ふふふ、コボルトに最高の泡のビールの入れ方を仕込んでやる」


「カクテルも作らせましょうよ」


酒飲み女子2名が妄想を膨らませてどんどん盛り上がっていった。


「ねえ。お酒ってそんなに美味しいの?」


「嗜好品だから個人の趣味による」


ファリアにはあっち側に言ってほしくない。


「炭酸水も湧くんだし、ファリアも一緒に飲もう」


「本当に炭酸水しか飲ますなよ」


「ルトさんはかたいですねー」


影置きが終わりバードがあれこれチェックしているのを眺めながら関係ない話で盛り上がっていく。


「カナリア。チェックが終わったから建築に入るぞ」


「はーい」


チェックが終わってカナリアを呼ぶバードの声がちょっと怒っている感じだった。


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