番外編キャシーちゃん勇者に惚れる1
前回投稿直後に改定してます。教会が完成するところまで読んでいない人は前話もチェック。
名も知らぬ冒険者に恋をしたのは魔王が倒される少し前のコト。
大陸は長年に渡り魔王軍に占拠され、魔族は魔物を従え人々を襲い、金品を奪い、人々を捕らえては奴隷としていた。
しかしある時、人類側に天才軍師が現れると形成が逆転する。
彼は冒険者を上手く利用することで魔王に対抗した。
ギルド主催の討伐イベントでまとまった数の冒険者を一斉に魔族の拠点に送り込むようになったのだ。
小さな拠点から根気よく潰していく作戦は功をなし、いつしか人類側の優勢が揺るぎ無いものになった。
その頃にはモンスター討伐イベントは生死をかけた争いというよりは祭りのようになっていた。
討伐イベントはメインとなるパーティにボスの討伐を依頼し、ザコはその他参加者で叩き潰すスタイルが一般的である。
レアアイテムをそのままギルドが買取り全参加者から抽選でプレゼントするなど、下級の挑戦者にも低リスクでチャンスがあり、その日もとあるダンジョンで行われた討伐イベントにキャシーは参加していた。
役割は低層階の道作り。
番号札を貰い、屋台で買った焼き菓子を食べながら開会式を見物していた。
「本日のメインパーティは現在上位ランキング1位の…」
壇上で司会者がボスの討伐依頼を受けたパーティを紹介する。
「剣士ルトです。相棒は魔剣の…」
意思のある魔剣の登場に会場が沸いた。
しかしキャシーは魔剣に興味はわかなかった。
「かっこいい…」
壇上に登る剣士ルトは遠目から見ても手にしていた焼き菓子を落とすくらいインパクトがあった。
その場で売店のブロマイドを全種類買うくらいのファンになった。
ルトのパーティが参加するイベントを見つけては追いかけた。
魔王討伐後の祝賀会にも強引に潜り込み、パーティのメンバーの1人と連絡先も交換した。
そして魔王討伐後、最大のチャンスが訪れた。
なんと故郷の村でイベントクエストが開催されたのである。
村長の娘の地位を利用して全力で近づく。
そして私もパーティのメンバーにして貰うんだ!
いてもたってもいられなくなったキャシーはその時組んでいたパーティを解消し故郷に帰った。
故郷に戻ったキャシーはもうあの頃の非モテブスではなかった。
縁談は山のように溢れ、誰もが自分を讃える。
天狗になった状態て今や勇者となったルトに声をかけるが、ルトはキャシーの存在すら知らなかった。
「すまない。実はあまり目がよくなくてステージの先は良く見えないんだ」
キャシーの姿はかなり目立つ容貌なので、冒険者としてはそこそこなが通っていたし、モノクロで自己負担金もちょっとあったがブロマイドも作ってもらった事がある。
ルトのパーティーのメンバーであるクロムという弓使いとは後衛同士オフ会をした事もあるのに、ルトには全く届いていなかった。
「サイン、握手、写真なんでも応じますよ」
ルトはイベントのスポンサーの娘に対してごく普通に対応したが、それがキャシーには気に食わなかった。
特に村に戻ってからちやほやされている最中に義務でやっているだけですという雰囲気の塩対応である。
それでも、今はまだ彼は私の魅力に気づいてないだけと思いつつ握手をし、写真を撮り、サインを貰う。
写真の撮影後に食事に誘われる事もなく、次の日のクエストもあっさり終了した。
祝賀会で会えたらと思ったがルトの姿はそこになかった。
疲れているから欠席したとクロムから聞くと、そのまま彼はその日の武勇伝を聞かせてくれた。
違う、お前はいらない。
そう思いながらもキャシーは笑顔で応じるのだった。
次回からしばらく番外編かも?
ちなみにキャシーちゃんの足はそこまで短足では無いけど気にしすぎてベルトの位置がおかしいなど着こなしに難あり。
胸はBカップ。下半身デブは冒険者を続けることで多少改善済み。
客観的な評価としては化粧済みの顔は可愛いに分類される感じです。
所謂派手なギャル。