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こっそり準備&勝手に温泉

次の日、俺たちはファリアには内緒で村に戻り俺の家に家具を並べていった。


手伝いとしてバードも一緒に来ている。


木枠だけだったベッドに冷やかされながらマットレスを置く。


続けて寝室の隅に俺が寝る用のソファを置くと「ルトのへたれ」とバカにされた。


食器棚などある材料で作れる物は既に揃っているので、俺の家で揃える必要があるのはベッドとカーテンくらいだ。


他の家もそんなものなのであっという間に置き終わったが、カーテンの有無は大きい。

あると一気に人が住んでいる部屋っぽくなる。


「なかなか良い場所だね、ルト君」


俺の家の自慢のスポットである2階のウッドデッキで外を眺めながらバードが言った。


「いいだろ」


俺は素直に自慢する。


「いいんじゃない?見てたら僕も家が欲しくなった。ちゃんとお金を払うから建ててもいいかな?」


「いや、親友から金なんて…」


「親友だからこそ惜しまず払いたいのさ。僕は王都で仕事をしてるから、管理費も込みで金貨1枚。嫌なことがあったら投げ返せば契約は無効だ」


さすが人気建築士、俺の貯金の倍額をポンとよこしやがった。


「ところで魔剣殿、ここには温泉は出るかい?」


今日は俺の背中にある魔剣に親友が聞く。


「40度ちょっとの炭酸泉が出る」


「ワンダフル。家風呂にしてもいいけど温泉施設を作ってもいいなー…ってゆーか作ってよ」


「俺はここをのどかな酪農系箱庭にしたいんだが…」


「温泉街!温泉街!僕の家だけに温泉引いたら絶対後でカナリアが怒るし皆が入れるの作っておくれよ」


結局、水車小屋も建てるからどこかいい感じの立地に温泉を作る事と、それとは別にバードの別荘(温泉付き)を作る事に決まった。


「炭酸泉がでるなら、ただの炭酸水を湧かすことも出来たりする?」


「場所に寄るが出る。ちょうどワシの祠の建設予定地に元々あった岩からSランクの力で掘れば錬成可能じゃ」


「わーい」


なんか俺だけのロマンの箱庭がすごい勢いで侵食されている気がするけど、専門家のアイデアはスゴい。


あっという間に岩の間からチョロチョロ水が涌き出るように改造してしまった。


さっそく飲んでみたら弱炭酸のプチプチしたほんのり冷たい美味しい水だった。


「美味しい。欲をいえばキンキンに冷えた強炭酸の水が好きだけど、なんか体に優しい感じがしてこれはこれで癒される」


「木がもう少し育てば地形効果で健康にもいい水質になるぞい。金属を劣化させる成分も入ってない」


「フフフ、この土地は思った通り色んなポテンシャルを秘めていそうだね」


親友が目の奥を怪しく光らせている。

今後も色々乗せられそうな気がする。


「さて、僕の家はミューゼル嬢の家の近くにしようかな」


続けて既に俺の工房の建設予定地があったので反対側の土地を杖でさくっと四角く囲う。

魔剣に温泉が出ることを確認すると、そのまま魔方陣を描くと手を叩いた。


それだけで雑草が抜け、資材としての枯れ草が積み上がっている。


「戦地だとスピード勝負だからね」


俺も手伝って石を持ってくるとあっという間に地下室付きの小さな家を建ててしまった。

カナリアがやるよりかなり早い。


「実は建築魔法師範をこないだ取得したんだ」


ドアは暫定でさっきの枯れ草から編み上げて吊るしてある。

ここまで来るとチート級だ。


バードの別荘は1階に温泉が出る風呂とミニキッチン付きの部屋、地下にトイレと寝室があるだけの小さな家だった。

本当にただの隠れ家って感じである。


中の家具はまだ椅子だけだが、枯れ草で揺れる籠型の不思議な椅子が編んであった。


「それから、世界座標も新しいのを作っておいた方がいいよ」


そう言うと公園の辺りにプライベートモードで新規の座標を設定する。

これは許可した人間だけ転移出来る座標である。


「それじゃっ次に来るときまでに温泉の場所をきめておいてね」


それだけ言うとバードは転移していってしまった。

せわしないやつだ。


個人的に炭酸は微炭酸が好きなのですが最近売ってない。

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