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みんなのお宅訪問

「完成確認。入ってよし」


一時間後。

魔剣ブレイカーが許可したので俺たちは家に入った。

まだ他の家は壁が完全に固まっていないので4人全員で最初に出来た俺の家を見学する。

2階は寝室だけで、後はベランダを広く取った。

雨でも洗濯物が干せる一部屋根付きの物干場と、予め用意していたウッドデッキが既にあるのでみんなで寝転んでここから空を眺める。


「これはヤバいねー」


「後でうちにもウッドデッキ作って貰っていい?」


「……」


「ファリア殿はもうおねむであるか」


「カナリア、素敵な家を建ててくれてありがとう」


俺は自力で木の掘っ立て小屋を建てる予定だったので立派な家が出来たことをカナリアに感謝した。


次にカナリアの家が出来たのでまた全員で見学する。


庭の部分にウッドデッキを増設し、勝手口に大きなガラス扉を錬成する。


因みにガラスは土から作れる。


ウッドデッキ側にも念のため鍵のかかる鉄格子を付けてカナリアの家が完成した。


固着前なので絶対に触れないが、ガラス扉はこの世界ではかなり珍しい。


「すごーい。かっこいー」


「こんな大きくて透明なガラスがつくれるとは…」


「試しちゃダメだけど強度も自信あるよ」


カナリアは自慢げに胸を反らせた。


正面玄関に戻り内部も見学する。

入り口から入ってすぐに事務所があり、隣にキッチン、バス、トイレと続く。

さらにその先がプライベート空間となる。


「一応兄貴が来た用の客間も作ったけど、ルトが泊まっても問題ないからね♪」


「その時は私も一緒だけどね!」


絶対に渡さないわよ的なオーラを出してファリアがカナリアを睨んだ。


続いてミューゼルの家は工房部分だけ天井が高く、馬車も入るガレージになっている。今は何も無いのでこの部分の解放感を全員で堪能する。


工房部分のみ部屋が八角形になっていて、屋根の一部が磨りガラスになっているので照明がなくても室内が明るい。

玄関にはステンドグラスが付いているなどかなり凝った作りで、俺の家より全体的に豪華だ。


流石に凝った細工部分は別料金を払ってくれたとカナリアから後できいた。


***


「うちが一番地味だよ」


家に戻ってからファリアが少し残念そうに呟いた。


「仕方ないだろ。俺たちは贅沢を知らない庶民なんだから」


どっちにしろ凝った造りにする金もないが、俺たちには家に関する知識が無さすぎた。

ファリアがキレて図書館まで連れていってくれなければ更に悲惨な事になっていたかもしれない。


しかし贅沢な部分は無いが、シンプルでもこの家も十分良い家だ。

玄関のエントランスを吹き抜けにして2階に窓を付け2階からでも来客が確認出来るとか、

階段を昇った所までは普通の廊下だが、そこから先は外廊下になっていて、外の道と同じ材質の煉瓦を敷くなど俺では到底思い付かないアイデアが詰まっている。


この後、家に必要な家具をミューゼルが造ってくれる予定だが俺は家具も細工の無いシンプルなものにするつもりだ。


「えーっ絶対みんなお城みたいな家具にするよ?」


「ファリアはお城みたいな家具でご飯を食べて美味しいか?」


「……あんまり美味しくないと思う」


慣れてしまえばお城みたいな家にも住めるかもしれないが、何より俺は普通が落ち着くのだ。


結局、家具でファリアが折れなかったワガママは寝室にWベッドを起きたいの一点だった。


ミューゼルには俺が寝れるサイズのソファも置くようにこっそり頼んだ。


家具を造るところで誰も布製品の錬成ができない事が判明し、俺たちはギルド自治区に戻った。


ファリアが錬成に興味を持ったが、布については基本的に錬成技術そのものが無い。


布張りのソファを魔法で作る場合、木の部分だけ先に作るか、先に大きなクッションを作りそれに合わせて錬成するかになるらしい。


「なんで布の錬成はないの?」


「糸も布も錬成するより自分で作った方が早いのですわ」


錬成は出来なくても布作り自体ににファリアが興味をもったので、糸紡ぎ機と機織り機の工房を作る事を約束して納得してもらう。


本人が無職を結構気にしていたので仕事が出来てよかったと思う。


因みに俺も無職だが今のところ気にしていない。

工房については定年後のお爺さんが趣味でやるみたいなもんで商売になんてならないのではって不安があるけど気にしないことにしている。


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