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元勇者、開拓を始める

いきあたりばったりな展開ですみません

とりあえず青を領地カラーにして開拓することを決めたのでそれに沿った開拓プランを進めていく。


まずは夜になると危険な野性動物が入る可能性がある為、周辺の森の伐採許可を取り門を作った。


木工魔法師範の腕にかかれば地面に生えた木を魔法で歩かせて10本一気に運ぶなど朝飯前で、そのまま門になる木2本を両端に立たせると手を叩くだけでそれを門に変化させてしまった。


そこに俺が覚えたての金属錬成で予め買っていた鉄の塊から蝶番や取手周辺等の金属を錬成、門に加工し、建築魔法でファリアが門に固定する。


タイミングが大事な作業だが、俺たちは相性がいいらしく見事な門を作ることが出来た。


仕上げに俺がファリアを肩車して門の脇に領地カラーである青い布を飾る。


裏門はまだ扉が残っていたので魔法で補修をした。


まだ建物は無いが、これで箱庭内で夜を明かせるようになった。


「なんか門ができると家って感じになるねー」


「しかしここは魔王の城、かつてはたくさんの冒険者が屍となっているのですわ」


「それって幽霊がでないの?」


幽霊とか考えたことがなかった。

俺は魔剣にこの辺りに死体が残っていないか聞く。


「魔王の城の城で倒れた未回収の死体については魔王が討伐された際に城と一緒に亜空間の彼方だ」


「その言い方だと他に何かあるな?」


「城壁は魔王よりもっと古いこの土地の持ち主が作ったものだ。その時代の亡骸が地層の遥か下に眠っておる」


俺が倒した魔王との戦いは幾度もあり、何度も魔王は封印されてきた。

恐らく伝説にある最初の戦いで消えた街の遺跡が残っているのだろう。


「地鎮祭か慰霊祭は必要かな?」


カナリアが建築関係者っぽいことを確認する。


「魔王を倒した事が十分な弔いとなっておるから慰霊祭は不要じゃ今やったら却って霊を呼ぶ。必要になることがあればワシから知らせよう」


地鎮祭は気分の問題だからどっちでもいいと言われたが、教会に後で文句を言われると面倒なので草むしりがすんだ頃に来てもらえるようギルドから手配した。


***


「終わった…」


ミューゼルも草むしりの魔法は覚えていないとのことで、俺たちはその後3日かけて3軒分の家と祠1つ分の草をむしった。


ちょうど1週間経ったので宿の部屋は既に引き払い、今は荷物だけを預けている。


気候も良いので今夜はこの箱庭で野宿をする事にした。

宿でBBQセットを借りて肉や野菜を串に刺しては焼きまくる。


夜、野宿は俺だけのつもりだったが他のみんなも星を見ながら眠りたいとの事で全員で横に並んで眠った。


***


さて、地鎮祭である。

これが終われば魔法で本日中に家も家具も出来上がってしまう。


ドキドキするなー。


転移魔法は基本的に一度来た場所にしか行けないが、魔王城に来たことがある関係者がいたらしく、教会の神父は門の前まで転移魔法でやって来た。


俺は門を開けると神父とシスターを中に案内する。


「本当に魔王の城がなくなっているのですね」


シスターは回復係として以前魔王の城の城まで来たことがあるそうだ。

城が無くなっているのを見て驚いている。


「本当にまだ何も無いのですね。それではこちらで簡易祭壇を設置させて頂きます」


門から入ってすぐの場所に神父とシスターで手際よく簡易祭壇を組み立てる。


そして決まった手順で俺たちは神に祈りを捧げた。


無事に地鎮祭を終えるとまた手際よく簡易祭壇は片付けられた。


「ところでコバルト様、この町に協会は建てないのですか?」


「町というよりはただの家なので…一応魔剣の祠は建築予定です」


町であれば教会も必要だろうが、あくまで俺の家だ。

一般家庭なら神棚を置くか狭い家だとタペストリーを掛けるくらいで十分である。


俺たちは豪邸には住まないし、あまり信心深くなかったのでタペストリーを1軒分ずつ買った。


この国は多神教なので、職場用にはまた別の神を祀る。


敷地全体の守護神は魔剣ブレイカーが相当するので、町にあるような教会は特に必要ないのだ。


「それでは、私達はギルド自治区に滞在しておりますので、家が出来たらまた見せて下さい」


翻訳するとここに教会を建てさせろということになる。


「小さな家しかありませんがよろしいでしょうか」

訳:礼拝堂くらいなら検討します


「ここから村は遠いですからね」

訳:通うのしんどい。察しろ。


「北の壁に1人住めるかもしれません」

訳:外壁でよければ教会建ててもいいよ。


「神に捧げると良いでしょう」

訳:そこでいいから建築費用はお前持ちな


「ここは魔剣の加護に守られし家でありますがいかがいたしましょう」

訳:寄付は期待しないで下さい。あと個人の邸宅に下宿すると普通は家賃がかかります


「側に寄り添う事に価値がございます」

訳:家賃と寄付は相殺で良いから住ませろ


「長くよい関係を築きたいものですね」

訳:交渉成立や


「わかります」

訳:せやな


もうしばらく住民は増えないと思っていたのに…


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