表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/37

第31話 ゾンビメイカー

「…む」


「ん?どうかしたか?」


デーバにある執務室に座るゾンビメイカーにケントが尋ねた。


「…いや、青銅騎士団第一陣が消滅した」


「お?テングストーンに強いやつでもいたか?」


「いや、ゾンビの速度から考えて南蛮の森辺りだな」


ゾンビメイカーの言う南蛮の森とはテングストーンとデーバを結ぶ街道の南側に存在する巨大な森である。


ここは魔物の住みかとなっており人間至上主義の者達が蛮族の住む南の森と言うことで南蛮の森と呼ばれていた。


「あんなゴブリンと弱い魔物しか住んでいない森でか?」


ケントはあり得ないとばかりに大袈裟に肩をすくめて言う。


南蛮の森はそれほど強い魔物は生息していない。精々ゴブリンの上位種のハイランクゴブリンが二、三体いる程度だ。逸れもゾンビを全員倒せるほどの力はない。


「そんな南蛮の森に強いやつがいるわけがないだろう?」


「それもそうだが…。第一軍が倒せていない」


ゾンビメイカーはそういう風に言うとケントも確かにな、と頷いた。


第一軍を率いていたザンド・エル・カーレルドは生き残った青銅騎士団約1000名を連れて姿をくらましていた。


「青銅騎士団団長も第一軍以外の第二軍、第三軍、第四軍、の隊長は皆ゾンビに出来た」


まぁ、団長と第三軍の隊長はやられたがな、とゾンビメイカーは付け加えた。


青銅騎士団団長のルナルド・スピッド、第二軍隊長のカール・エムロイド、第三軍隊長のエルジア・リンスロット、第四軍隊長のミーナ・エムロイドはゾンビメイカーの手によってゾンビと化しており同じくゾンビとなった市民兵と青銅騎士団を率いさせている。


「後こちらに残っているのは市民兵と青銅騎士団合わせて3000とエムロイド兄妹だけか」


特にエルジア・リンスロットを失ったのが痛いとゾンビメイカーは思っていた。エルジアリンスロットにはとある秘密があり原作知識をもつ彼等はその秘密をうまく使えばダグザス王国を乗っとることも可能だと考えていた。しかしエルジア・リンスロットは既にいない。


「やはりエルジアを一所に向かわせたのは失敗であったか」


「だけどザンドの次に人気あるし仕方なかったんじゃない?」


ケントの言うとおりエルジアはかなりの人気を誇っていた。女性の身でありながら青銅騎士団の第三軍の隊長を務められる実力に何処か貴族を思わせるような振る舞い。口調は厳しいところがあるものの基本的に部下には優しかった。


本当であればザンドもゾンビ化させてルナルドと向かわせたかったがザンドは逃げたためにエルジアが変わりとなったのだ。


「…で、これからどうするの?」


「…今は下手に動かない方がいい。次のイベントまで時間がある。それまでは駒を密かに増やしていく」


「あいよ」


ゾンビメイカーの言った今後の方針を聞いてケントはうなずくのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ