プロローグ 転生
「…ここは?」
俺は目を冷まし目の前に広がる真っ白い空間を見る。 上を見ても仕手を見ても360°見渡しても真っ白い空間が広がっているだけだった。
「…いったいいつの間にここに来たのかな?」
「おお!ようやく目覚めたか!」
周辺を確認しているとどこからともなく老人の嗄れた声が聞こえてきた。そしていつの間にか目の前には仙人を思わせる格好をした老人がいた。
「中々起きないからどうしようか迷っておったんじゃぞ」
「…ここは何処ですか?」
「おお、すまんすまん。忘れておったわ」
忘れるなよ。
「儂は神様でここは儂が特別に作った空間じゃ」
「…神様ってことは俺は死んだんですか?」
「全く驚かんの。まぁいい、お主の質問に答えるならお主はまだ死んではおらぬ」
「…まだ、とは?」
「お主はトラックに引かれて今は植物状態になっておる」
「…確かにその状態はまだ死んでいませんね」
「そして本来なら植物状態になったものは肉体と魂が別れ、魂のみ輪廻転生するはずなのだがそれを止めて儂がここに連れてきたのじゃ」
「…いったいなんのためにですか?」
「実はの、最近他の神どもが輪廻転生する魂を止めて一定の世界に転生させておるのじゃ。簡単に言えば小説によくある転生じゃな」
「それを儂もやってみたくなっての調度輪廻転生しようとしていたお主を見付け転生させることにしたのじゃ」
「…そうですか」
「しかし、ただ転生させるのはつまらないので色々と特典を用意しておる。どうじゃ?やってみるか?」
「…こんな俺でいいのなら」
その答えを聞いた神様は満足したように頷いた。
「それじゃあ早速特典を決めてるのじゃ。あまりに極端なのは無理じゃがな」
「ならばモンスターを創造できる力が欲しいです。あとはなくて大丈夫です」
それを聞いて神様は驚いたような顔をした。
「本当によいのか?他の神の話ではもっとたくさん言うやつばかりらしいぞ?」
「他の人がどうだろうと知ったこっちゃありません。それだけあれば十分です」
「…お主がそういうのならそれだけにするが神様からのプレゼントとして沢山の魔力とファンタジーの世界への転生を約束しよう」
神様がそう言い終わると同時に俺は強い睡魔に襲われた。
「次に目覚めるときは転生先になっておる。ああ、それとお主は好きにしてよいぞ。人をたくさん殺そうが死んだあとは輪廻転生するだけじゃから気にせんでよいからな」
それが眠る前に聞いた神様の言葉である。