表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

わたしとあなた

最初に映ったモノは『あなた』でした。

部屋の中を動き回る『あなた』を『わたし』は見ていました。


『あなた』は『わたし』に名前をつけてくれました。

その時の『わたし』には理解できないものでした。


『あなた』は『わたし』に名前を教えてくれました。

名前とは、全であり個であるものだと理解しました。


『あなた』は『わたし』に歴史を教えてくれました。

『わたし』の事、『あなた』の事、世界の事。


『あなた』は『わたし』に感情を教えてくれました。

喜び、怒り、哀しさ、楽しさ。


『あなた』は『わたし』に命を教えてくれました。

ヒトの命は短いのだと…



『あなた』は『わたし』に心を教えてくれました。

愛する人に、もう一度会いたい…

そんな気持ちで『わたし』を造っていたのだと…



『あなた』は『わたし』に、もう何も教えてくれません。

ただひとつ、孤独を最後に教えてくれたまま……



とある冒険者の日記より

―――誰かの研究所がある。

そこには古びた機械人形が一体、椅子に座っていた。

老朽化してはいるが、隣でモニターがかろうじて点いている。

おそらく、この研究所の主であろう者と機械人形が写っていた。

もしかしたら機械人形でなく、研究所の主の子供かもしれない。

モニターを見つめ続ける機械人形の表情は穏やかで、まるで人間と変わらなかった。




(『あなた』は『わたし』に幸せを教えてくれました。)

現実逃避した天才の話。

果たして『あなた』は幸せだったのでしょうか…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ