part2 ???
今回は誰か分からないようにしています。
まぁここまで読んでいただいた読者の皆さまならばお分かりでしょうが……
それでも感想欄等でのネタバレを控えていただきたいと思います。
――あ……悪魔……!
来る、あの赤い化け物が、あの風の化け物が
――頭悪ぃな、テメー
世界を滅ぼしかねない程の私の渾身の一撃も、一瞬の内に何もかも散らされてしまった。
いや、あの時の事を思い出すと『喰割れた』と言った方が正しいだろうか
――う、ああぁぁぁぁアアアアアッ!!
――ク、クカ、クカカカカ!
そして悪魔は私の体を千切り、砕き、破壊していく
私は迫り来る死に確かに恐怖した。
だがそれ以上の感情が私を突き動かしていた。
「認めない……こんなの絶対に認めないッ!!」
それは怒りだ。好きに翻弄する、悪魔と、それになすがままの自分に対して
「私は……私は、最強なのよ! あんな少し珍しいだけのゴミ屑なんて、言葉一つで何万回だってブチ殺せんだよォオオオ!!」
この景色がただの夢だと理解しつつも私はその悪魔を殺そうと手を伸ばす。
私の指先が悪魔に触れた途端、悪魔は断末魔を上げて消滅した。
「そうだ……これが私だ、これが最強だッ!」
虚無なものだと知りつつも、私はその結果に満足して口元を歪めた。
「……ああ」
現実に目覚めて、私は笑みを溢した。
故郷のベッドに比べて馬車の寝床は最悪だったが、それ以上に心が高揚している
何故ならもうすぐ、私の悲願が達成されるから
「それにしても、こんなに何かに夢中になったのって何時ぶりかしらねぇ」
皮肉げに溢して、私は新しい武器を動かす、私の意思に反応してガラス細工、もしくは水晶の様にやや水色に透明で美しいそれは、軋むような音を残しながらも滑らかに形を変えた。
「本当、これで殺すのが楽しみだわぁ……ねぇ? ケェーンゥゥタァちゃーん?」
そこらに転がっていたゴミの塊を握り砕いて、私は高らかに笑った。




