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(旧)拳勇者伝 ~『チート殺し』が築く道~  作者: バウム
第二章 教会と不良探偵
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第十六話 新しい始まり

今回で第二章終了です。

翌朝、そろそろ村を出るつもりだった拳太は朝早くから準備を済ませバニエットと共に宿屋を出た。


「ったく、ちょっと休むつもりが、とんでもねー目にあったぜ」


「でも、なんとかなってよかったですね!」


「もう二度とゴメンだけどな」


そんな他愛もない会話をしながら、村の入り口まで到着する


「……ここともお別れだなバニィ、いつかまたここに来ないか?」


「いいですね、やることが終わったらまた来てみたいです。」


見納めとばかりに二人は村の光景を忘れないようにと目に焼き付ける


「……行くか」


「……はい」


そしていよいよ村の外へ一歩踏み出そうとした時


「おーーーい!!」


聞き覚えのある声が彼らを呼ぶ、そこには二つの人影があった。


「農夫のおじさんに……アニエス!?」


「な、なんでここに?」


拳太達の前で息を切らしている二人は、かつて拳太がこの村で最初に会った人間、そして拳太が昨夜戦った神父の付き添いシスターだった。


「なんでって……君はこの村と牧師さん達を救ってくれた英雄だろう? 見送るのは当然さ!」


「いや、英雄って……そうか、結局言ったんだな?」


英雄という言葉に面食らった拳太だったがそれがどういう意味を持つのか理解した彼はアニエスに静かに聞いた。


「はい、この村の人達は皆いい人なのです。ナーリン様を笑って許してくれたのですよ」


「そうか……やっぱり、いい場所だな、ここは」


改めてこの村の懐の深さを感じた拳太は、静かに笑みを浮かべる、それは好戦的な笑みではなく、バニエットと話している時のような安らいだ笑顔だった。そこでふと、拳太は気になっていた事を訪ねる


「ところでアニエス、お前そんな大荷物持ってどうしたんだ?」


「ああ、これですか? 勿論これから貴方の旅についていくからですよ!」


「……ちょっと待て、今なんつった?」


「だから、貴方の旅についていくからですよ!」


沈黙、完全なる沈黙、あの少々天然の入ったバニエットですら状況に理解が追い付かずポカーンとしている、そして――――――


「はああぁぁーー!?」


拳太の叫びで沈黙は破られた。


「どーいう事だよ、ちゃんと一から説明してくれ!」


「はい、今回の事でナーリン様は自分の未熟さを痛感したらしくってここでまた一からやり直すみたいなのです。私も私なりにできることをやろうとしたから貴方についていこうと思ったのです!」


「おい、肝心なとこが丸々すっぱ抜けてんぞ」


「あ、あとナーリン様から手紙を持ってきてるのです。」


「聞けよ……」


そう言いつつももらった手紙を確認する拳太、すると


『アニエスを頼んだ。君なら彼女を任せられる、どうか幸せにしてやって欲しい

ナーリン』


と書かれてあった。


「なんか最後の一文のせいでとんでもねー意味にしか見えねぇんだけど……」


「という訳で、これから宜しくお願いします!」


「良かったじゃないか! 両手に花だよ!」


「どっちもガキだろ……」


「でもアニエスちゃんの方はおっぱいおっきいよ?」


「テメー……それなら大丈夫なわけねぇだろ……」


ここ最近増えてきたようなため息を吐きながら拳太は諦めたかのように首を振る


「やれやれ……しょうがねーか……ホラ、行くぞ」


拳太はもう面倒そうに歩を進める


「むぅ……アニエスさん!」


「はい?」


「私は負けませんから!」


バニエットは威勢よく言い放って拳太についていく


「……私も負けません、こんな気持ち、生まれて初めてですから」


アニエスも静かに言い放つと二人の後をついていく


「いってらっしゃーい! また来てねー!」


農夫の声が三人へと響く


彼らの旅は、まだまだ続く……

次章予告


新しい仲間、アニエスさんを加えて私達の旅は続きます。

でも今度は死にかけの人を発見しちゃって、しかもその人はなんだかただの人間じゃなくって……!


うう……ケンタ様、助けて下さい……


次章、拳勇者伝!


『蝙蝠少女と魔族の試練』


皆さん、次章も見てて下さいね!

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