ヒトトセ
ゆらゆら、ゆらゆら
水底で何かが揺れる
ソレは眠りに就いていた何か
目覚めの時は、近い
ひらひら、はらはらと
色とりどりの蝶が舞う
青空に舞う桜と共に
優しき出会いと寂しい別れを告げる
ソレが水面から辺りを窺う
辺りに漂うは新たなる生の気配
喜び溢れるその陽気な温かさに
胸を高鳴らせ世界へと歩き出す
さんさんと、ぎらぎらと
太陽の光が照り付けられる
青き空に浮かぶ白き入道雲を従えて
様々なことに挑戦する者達を見守る
ソレが初夏の風に乗りながら辺りを見回す
辺りには活気づく命の気配
夜空に浮かぶ星星と大輪の花を見上げ
各地にある祭りにその身を滑り込ませる
さわさわ、ざわざわ
ススキが音楽を奏でる
黄金色の夕暮れの空の下で
どこか懐かしい風景を思い出す
木枯らしと共にソレは歩く
辺りは一面の紅葉
楓とイチョウの踊りを楽しみながら
ゆっくりと景色を楽しむ
しんしんと無の音
空からおちてゆく白い雪
凍えるような外の様子に目もくれず
人々は暖かな場所で大切なものと過ごす
ソレは凍りつき始めた水面の元に立つ
辺りは静寂を思わす色が支配する
ふ、と見上げた遥か彼方の景色
笑みを浮かべ水の中へと帰ってゆく
ゆらゆら、ゆらゆら
水底で何かが揺れる
ソレは眠りに就いた何か
今一度眠りについた
春夏秋冬と一年はヒトトセと読むそうです
...日本語って面白いですね~
感想お待ちしております!(ペコリ)