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天使の人助け

作者: TOMMY

今からずっと昔のこと。

とある村では謎の殺戮と破壊によってとても貧しい暮らしをしていました。


そこに突然、不敵な笑みを浮かべた天使がやってきました。

その天使は人々の願いを叶えてくれました。


ある日、この村をもっと住みやすくしてほしいとお願いすると、天使は村中の川の上に橋を架け、道路を整備してくれました。


ある所では、食料が少ないから助けてほしいとお願いすると、想像を絶するほどの食料が届けられ人々のお腹を満たしてくれました。


そして次々に願いを叶え、天使は人々の住みやすいように村を変えてくれました。


天使は言いました。

「これでもう私は必要ありませんね。」


そう言い残すと天使はどこかへ飛び去って行きました。


人々は天使への感謝と共にもっと村が住みやすくなるように努力し、村はどんどん繁栄しました


天使が去ってから数年がたったある日、村人は次第にある異変に気づきました。


それは天使に橋を作ってもらうために村中の木々を使ってしまったため二酸化炭素が増え、気温が上昇してしまったのです。


村中が暑くてしかたなく、少しの息苦しさを感じ始めました。


さらに食料を一気に捕ってしまった為に動物のほとんどが絶滅寸前になってしまいました。


残りの動物たちは少ししかいません。


人々はまた天使に願いを叶えてもらうために天に祈りを捧げました。

「木々を増やしてください。動物を増やしてください。」と。


数か月間祈り続けていると、どこからか静かな光と共に天使は現れこう言いました。


「私は神ではありません。何かを作り出すことは出来ないのです。出来ることはあなた方を手伝うことだけなのです。何かを生み出すことは出来ません。」


そこである村人は言いました。

「じゃあ木々を増やすことを動物を保護することを手伝ってください。」


「それなら手伝うことが出来ますね。さぁ頑張りましょう。」


しかし人々の中で協力する人はなぜかあまりいませんでした。


人々はみな、その瞬間にメリットが無いことは誰かがやるだろうと思い、見た目ではまだ多いうちは大丈夫と思ってしまったのです。


本当は心のどこかでやらなければならないと思いながらも…


「はぁ。

人間がやる気になるのは、いつになるのかなぁ・・・」

そう思いながら天使は途方に暮れてしまいました。




その時、空が突然曇りはじめ雷とともに禍々しい角を生やしコウモリのような翼を羽ばたかせ、刺々しい尻尾を持った悪魔が暗雲からやってきました。


「木々を増やしてくれだって!?その願い叶えてやるぞ。」


そう言うと悪魔は物凄い勢いで飛び立ち、どこからか木々を運びこみ山に緑を取り戻してくれました。


さらに悪魔は言いました。

「動物を増やして欲しいって?違うだろ!

お前等の食糧が欲しいんだろ!?」


人々は疑問に思いながらもその通りだと悪魔に言いました。


すると悪魔はまた、

「その願い叶えてやるぞ!」

とさらに物凄い勢いで飛び立ちました。


しばらくすると悪魔は戻ってきました。

「よし、これだけあればいいだろう。」


悪魔は大量の食料を人々の前に突き出しました。


びっくりした人々は口を揃えて言いました。

「こんなに食料を集めて動物は絶滅しないのですか?」と。


悪魔は平然と呆れ顔で言いました。

「手は打ってきた。大丈夫だ・・・」


そう言い残すと悪魔は、がっかりしながら暗雲の中に去っていきました。

『こいつらもきっとダメだ!』

そう思いながら。


それを見ていた天使は不敵な笑みを浮かべながら悪魔が飛んできた方向へ飛び立ちました・・・


人々は悪魔を崇め、村には平和な暮らしが戻りました。


しかし人々は思いました。一体悪魔はどこから山に緑を取り戻し、これほどの食料を調達したのかと。


しかし人々はそんな答えを考えることをすぐにやめるのでした。

今や神にも等しく崇める悪魔の行いなど現実に思いませんでした。



しかしその悪魔が行った真相とは、山に緑を取り戻す為に地球の裏側の村の橋や家を取り壊し、それを使い山に緑を取り戻したのでした。


さらに大量の食料は、地球の裏側の人々から奪ってきたものでした。そしてその地球の裏側の人々が動物をこれ以上食べないように、その人々の大半を殺戮してきたのです!


悪魔は知っていました。何かを生み出し、万物を創造できる人類こそが今の地球の神なのだと。


しかし人類は地球とは全く共存しておらず、地球環境を破壊するばかり。

このままでは地球が破滅すると感じ人類を気付かせ共存の道標を作ろうとしたのです。


しかし心の中では、いっそすべてを無にしてやり直し、次の神に期待するかを決めかねていました。


そんなことも知らずに人々はいつも通りの日々を暮らしました。


そしてまた地球の裏側に住むほんの少しの人々は住みづらく食料もなく困り果てていました。


そこに人間を守護することが使命の天使がどこからともなく現れてこう言いました。

「お手伝いしましょうか!?」

天使は不敵な笑みを浮かべながらまた人々に歩み寄るのでした・・・


ーおわりー

なんとなく悪魔が天使に見える気がする…

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