第三話 イベント発生
とりあえず投げる。
いつになく早く次話が完成した。
文章評価 5+3 平均4 結論:普通
ストーリー評価 5+4 平均5 結論:まだまし
評価が嬉しいが、正直感想が欲しい。
朝が来た、きっと今日もいい日になるだろう。
適当だけどね?
まあ今まで兎の耳で運を上げてたところに兎の尻尾が加わって単純計算二倍運が良くなってるはずだからいい日になってくれないと困る。
まあまだ魔具化していないので尻尾の方は効果ないんだけどね。
一日あるものに付け込んで初めて幸運補正付きアクセサリになるのさ!
さて、話は変わるが前々から予定していた事だが今日は一日鍛冶を行う。
何を作るかって?
やっと必要量がそろったのだ。
そう、浴槽を作るだけの材料がなぁ!
元日本人としては風呂は必須である!
誰が何と言おうと絶対である!
神が否定しても俺が否定させない!
ちなみにもう浴槽用の鋳型は作ってある。
形の関係上引き抜けないので使い捨てだが使うのも俺ぐらいなので問題ない。
材料が揃うまでは必死にデザインと利便性を高める研究をしてやっとこの日が訪れたのだ。
それに、何よりもステンレスの材料がそろったのだ!
さすがに量までは覚えていないが大体一割とかそこらへんは勘でどうにかなるだろう強度なんてあんまり関係ない。
なによりも普通の浴槽と違って馬鹿みたいに厚いしな!
一度形にすると再加工が恐ろしく難しいが、鋳型なら何の問題もないんだぜ!
材料は銅! そしてそれなりの量を用意したクロム、ニッケル。
クロムとニッケルは両方で三割前後程度だったはずだ。
そして、世間一般からすればそれら二つは利用法がよくわからない屑金属として扱われるので買い取り出しても集まらないし本当に苦労したよ! マジで!
そういや配合の分配はクロムが少ない方だっけか?
まあ純粋な物質ばかりだし適当でもある程度あってれば問題ないだろうな。
いやぁ祝福された鉱物って純粋な鉱物が得られるから楽でいいわぁ。
とりあえずクロム一割のニッケル二割ぐらいでいいか、どうせ過熱部分以外は分厚くなるんだし問題ないはずだ。
なぜか生前の記憶が無駄に鮮明で助かった。
正直生前の記憶なんて時間と共に忘れるかと思ったのだが、生前思い出せなかったようなことまで思い出せるのだ。
現在生きてきた記憶よりも生前の記憶の方が鮮明なのはやはりファンタジーと割り切るしかない。
考えるだけ無駄である。
とりあえず溶かし終えしっかり混ぜ合わせたわけだがとにかく暑い。
水飲みながらやってるが死ぬほど暑い。
魔力圧の鍋で溶かすとは言え、正直俺の五倍以上でかい鍋でお立ち台に乗って専用の棒でかき回して料理するようなものである。
無論、一番暑いのは鍋から溶けた金属を出し鋳型に流し込む、金属が空気に触れ熱が逃げるその時である。
まあお爺ちゃんが無言で手伝ってくれるので一人でやるよりははるかに楽だ。
そして鋳型に必要量を流し込み、上から浴槽の内側の空間になる部分の鋳型? を押し付ける。
まあ両方とも軽石みたいなやつを削り出して作るんだけどね、馬鹿でかいその石を探すのには苦労しました。
無論両側に長い持ち手がついており直接触れるような事は無いし、一度下ろしてしまえば中に仕込んだ鉄の自重で安定してくれる。
一番思ったのはこの世界の物作りって便利でぬるいなという事である。
全てが全てではないが元の世界に比べて鍋で金属溶かすとかありえない事やるし魔法があるので昔ながらのやり方でも温度管理とか楽だし。
いや、無論風魔法で炭の温度調節ができるというだけで温度管理そのものは職人の技よ?
そんなこんなで浴槽〔仮〕が出来上がりました。
後は鋳型の部分を削りだしユー字型の過熱用水道管を取り付ける上下の穴と排水用の穴をあけ、事前に作っておいたステンレスの水道管を取り付けるだけである。
無論内側と外側の鋳型となっていた石を削り落とした後、荒を砥石で削らなければ使い物にならないがそこらへんは一ヶ月もかければ問題なくできるだろう。
むしろ商店のおっちゃんに手伝ってもらえば三日でできる気がする。
こういう新しいもの好きだし喜んで手伝ってくれるだろう。
まあその場合は比較的手に入るアルミと何かの合金で作るだろうが俺には関係ない事だ。
もうかるのはお爺ちゃんなので何の問題もない。
え? 転職はどうしたのかって?
そんなものより風呂である。
はい脳内会議煩い黙れ、メイン人格の強権をもってして意見は全却下である。
とりあえず頑張ってくれたお爺ちゃんには一番風呂を譲ってあげようと思う。
まあ俺だけが使うわけじゃないのでかなりデカく作っているので三人ぐらいは余裕で入れると思うけどね。
ああ、事前に洗面器は作っておいたのさ!
ふははは、そこらへん抜かりはないのさ!
ああ、もちろんバスタオルと体洗うためのタオルの材質は別物ですよ。
ヘチマっぽい植物は探したんだが見つからなかった。
どうやらウリっぽい植物はあるもののあの見事な繊維が残るものは無いようなのである。
しかたないので体洗う方は目の粗い安いほうを用意しバスタオルは目の細かい柔らかい物を用意した。
なお、洗濯は無料で使わせる予定の神官さんたちに押し付ける予定である。
石鹸にシャンプー、リンスは存在する。
ただし、例の如くドロップ品なので無駄に高い貴族たちが使うものだけどな!!
まあ話によるととある神官さんが冒険者の一人に貢がれたらしいので分けてもらったが、頼めば結構分けてもらえそうである。
え? 俺は持ってないのかって?
別のダンジョンの特産らしくて今住んでいる地域のダンジョンじゃ出土しません、なぜか。
このダンジョンは食材系が特産らしい、まあいいんだけどね。
とりあえず必死こいて丸太とテコの原理で運んでいるのだがこれがまたキツイ。
商店までもっていくとミノのおやっさんが目を輝かせて出てきた。
後ろでミノなお嫁さんが呆れてますが病気なので諦めて下さい。
まあ戻ってきたら家族風呂作るだろうからそれで許してやってつかさい。
「あれか、これがお前さんの言ってた風呂か。それで俺は何をすればいいんだ?」
「無論荒削りで形を整えて俺が砥石で整える」
「とりあえず石で作るとは思わなかったな」
「いや石じゃないから。まあ削ってればわかるよ」
「こんなデカけりゃ俺でも入れるんじゃないか?」
「まあね。出来上がったら皆でまずはいるさ」
「お前さん、そのためだけにデカくしたのか? デカくするのは大変だろうに」
「さすがに使うのは俺だけじゃないし何より俺だっていつまでも小さいわけじゃないからね、とりあえず削ろう」
まあそんなわけで中のステンレスを削り出したわけだがおやっさんはビビっていた。
鋳型が使い捨てなのにビビっていたのか鋳型そのものに驚いたのかは知らないがかなり驚いていた。
普通風呂を金属で作るやつらはいないだろうからそれにビビったんだろうな。
まあそんなこんなで金属部分の取り出しに成功しここからは手動ドリルっぽい何かで必死に穴をあける作業だ。
ちなみに穴をあけるための魔具であるためステンレスなんて馬鹿硬いものでも穴をあけられる優れものだ。
魔法マンセーと叫びたい。
まあ効率はそれほどよくなく、どちらかと言えば使用者の力に依存する部分が大きい道具である。
おやっさんは文字通り化け物レベルの力があるのでそこまでかからないようだが細かい作業が苦手だ。
結論だけ言うと自分は排水用の小さい穴を必死になって開け終わる頃には真夜中で、おやっさんの担当のユー字管をぶっ刺すデカい上下の穴は普通に開け終わっていた。
ただし、大きい方の穴は予定していたよりも少し大きく穴が開いていた、結局つなぐためのコネクタを作る羽目になったが問題ない。
細かい隙間?
まあいつもの如くプニョ玉とかして埋めましたよ。
それから内側の研磨に三日かかったがまあいい方だろう。
搬入は一度シャワー室の壁を壊す事になったが何の問題もない。
その時の詳細はまあ後々という事で。
そして外側は木の枠で覆い内側はスノコのような板を底にあたるように固定する。
火傷が心配なのでお湯になって水が循環する穴のあたりには保護用に木枠を取り付けあまり近づけないようにし火傷防止のためにお湯をかき混ぜるためのオールモドキも置いておくようにした。
オールモドキをへんな木剣と馬鹿にされたのはいい思い出である。
馬鹿にしたやつらは絶対風呂を使わせてやらん。
なお、排水口をふさぐ栓は例の如くプニョ玉加工品である。
プニョ玉万能説が浮上しているが無視である。
さて、設置である。
だがその前に、今更だが俺の住処を紹介しよう。
まず自身の部屋は物置も兼ねているため九畳ほどのスペースをとっているが、半分以上は薬剤庫、残りのうちさらに半分は疑似ウォーターベッドである。
他の仮眠室は一部屋が四畳半ほどのスペースを持っている。
自身の部屋も含め計九つの仮眠部屋がありその隣が倉庫兼用具庫兼尋問室で、最後が排水の関係から後回しになった九畳ほどのシャワー室だ。
見た目は横長の長屋風である。
各仮眠部屋には四畳半ごとに一辺が三十センチほどの大きさの天窓二つと同様の大きさの二枚一組の窓があり、簡易ではあるが窓に鍵のようなものもついている。
天窓は明かりを取り込むための窓なので開かない。
なお、倉庫に窓はいらないという独断と偏見により窓はついていない。
ちなみに前作った鏡は最後のシャワー室に設置してある。
無論の事風呂は最後のシャワー室に設置する予定だ。
壁に馬鹿でかい穴をあけた時は神官の皆に白い眼で見られた。
別にこんな馬鹿でかい覗き穴を作ろうなんて馬鹿な事するわけないだろう!(※混乱気味です)
まだ二次性徴前で興味よりも恥ずかしさの方が強いんだぞゴルァリア充ぶっ殺す!
というかこんな馬鹿でかいと中に入っていても丸見えだって、そんなのにはいる人いるわけないだろう!
さて、閑話休題はおいとこう。
ユー字型の配管部分を外に突き出す形で壁を修復し突き出した部分に耐火煉瓦で、建物と間をあけて大きめの竈を作る。
ここで重要なのはユー字になる部分がちょうど過熱部分になる事である。
後、触ると危険なので基本的に管の部分は周りに耐火煉瓦を積んで触れないようにしておく。
さあショータイム!
え? ショータイムは違うって?
こまけえことはいいんだよ!
まず、事前に伸ばしていた水道から多量の水をなみなみと家族風呂?に注ぎます。
まああのタンクの中身じゃ全然足りないので必死に手漕ぎポンプをこぐわけですが誰も手伝ってくれません。
まあまた可哀そうな子供扱いなのですね、わかります。
そして次に先ほど作った竈に火を起こす。
後は浴槽にお湯をかき回しに戻りながら火を絶やさなければいいだけなのでお爺ちゃんとおやっさんを呼んでもらう事にした。
ちなみに石鹸は敵ドロップのため高級品なので、そのうち実験して民間で作れるようにしよう。
確か油系を鹸化させる事で石鹸ができるんだったか?
まあとにかく今は風呂である。
三人で体を洗ってから入ったわけだが。
「いやぁ、労働後の風呂は最高だね。俺毎日入るわ」
「こりゃあ生き返るな。俺ん所でも作ろう」
「確かに気持ちいいわい。ただわしはもう少し熱い方が好みだな」
一番風呂こそ至高、それは風呂好きにとって名言である。
誰が言ったかまでは知らないが。
自分は背が足りないので専用の椅子を持ち込んでいる。
後、さすがにミノさんはデカいだけあって胸までお湯が届かないが、自分のところで作る時は肩までつかれるものを作るだろう。
まあ後々の観察した結果から言うとミノさんは風呂場を一から作ったため三か月もかかったが、ミノタウロスみたいなデカい方々でも入れるようないい風呂ができていた。
長時間温めるためにむこうは炭を使っていたが、自分は長風呂はあんまり入らないので薪で問題ない。
水が漏れなければ鋳型に使う石でも問題なくできるだろうと言ったらお爺ちゃんも作るって言ってた。
まあユー字型の部分は火にかける関係上金属がいいと言ったら俺が試作で作って放置してあるものを使うと言っていた。
いやぁ、一個大きく作りすぎたんだよね、ステンレスだから再加工も無駄に難しいし。
まあ重要なのは水が漏れない事と過熱部分とお湯をかき回す事だからね。
後、加熱中にかぶせておく蓋、これが温める時に重要である。
「いつもの事ながらお前さん突拍子もない物を作るな。まあ便利だからいいが」
「まあいつも事じゃて。わしの所に来た時はいきなり土下座から始まったぞい?」
「それは言わない約束でというやつだよ。でも風呂はやっぱいいなぁ、入るまでがメンドクサイけど」
まあ誰が誰の台詞かは想像するまでもないと思うので明記しない。
口調が独特だしね?
ああそうそう、お爺さんはドワーフみたいな種族で体が無駄に丈夫で器用なため鍛冶とか力のいる職人系が良く出る種族らしい。
そんなこんなで男性陣には好評な風呂だが、女性陣には美容効果があるとわかってからは順番待ちが並ぶほどになった。
まあ準備する関係上一番風呂は自分だが。
温めなおすなら燃料費が自費である事を除けば利用料金も安いと思う。
後お湯を使うようになった関係上、屋根の上に通気口を付けたのだが覗きに来て屋根から落ちる男が続出するとは思わなかった。
無論除き対策で屋根にはよく滑る油をぬっといたからなんだがそこらへんは裏話である。
そもそもあの通気口は中を覗けるようにできていないんだが、覗きに行ったやつらは他のやつに教えてやらないんだろうか。
せいぜい中の会話が聞こえる程度だし、屋根に上ればさすがに足音でバレルので屋根に上る馬鹿は結構すぐいなくなった。
男性陣の一部は落ちる馬鹿をニヤニヤしながら見ていたが女性陣にボッコボコにされてからは退散して影も見えなくなった。
まあいつの時代も女性は強いものだと思う。
ああそうそう、排水用の溝を除けば四畳半の大きさの風呂はちょっとデカく作りすぎたかもしれないと思わないでもない。
まあ多人数で使う以上作り始める時はこれぐらいが妥当だと思ったのだ、入ってみるその時まで。
え? 更衣室? そんなもんはない。
基本馬鹿でかいバスタオルで体を覆って隣の尋問室で着替えているらしい。
その際尋問室に下着を盗みに入ろうものなら順番待ちの神官さんたちからそのまま尋問フルコースである。
たまに替えの服を忘れて手術着を借りに来るうっかりさんもいるがまた別の話である。
ただその手術着、少し透けるんだよなぁ……。
自分は男だし自室が近いので特に気にしないがやはり女性は見られたくないのだろう、当たり前だが。
ちなみに浴槽の基礎部分を金属で作ったのは可能な限り全体の温度を均一にするためである。
まあそこそこの効果しかないんだが大きくなると端っこがいくらか冷たくなったりするし、そこは効果が認められてもいい部分だと思う。
正直現代のように燃料をバカスカ使える時代ではないので女性陣は燃料費を皆で出し合って入っているらしい。
まあ購入元は俺だが。
男性陣はお金を持っているやつらが入りに来る。
娼婦と一緒に入った馬鹿がいて神殿関係者に蹴り出されてた事もあったな、公共施設なので自重して下さいという話である。
まあ色々な人が入りに来るわけで一団体ごとにお湯が入れ替えられ掃除されていたためいつでもピッカピカなのには笑った。
なんか自分が磨いた後よりピッカピカなのには少し引いたが。
まあ公共施設としてこの四倍の広さを持つ風呂屋ができてからは利用客が神殿関係者で落ち着いたが。
公共施設の方か加熱に魔法使いを雇っているらしい。
基本的に魔法使いは研究職であり金欠なので結構な働き手がいるそうだ。
まあ男性側には男性、女性側には女性の魔法使いが個別に雇われるのには笑った。
正直透視魔法なんて音波探査を脳内で映像化するようなもので酷くボヤけた白黒映像しか見えないだろうにと思う。
いつの時代でも覗きは浪漫なのだろうか? すくなくとも幼児化した今の俺にはわからん。
さらに笑ったのはお湯が汚れるので事前に体を洗ってこいという規則には本当に笑った。
風呂って体洗う施設だろうに、大爆笑である。
理由を話したら皆苦笑いしていたのは記憶に新しい。
どうにでもなーれって唱えて放置した自分は悪くないと思う。
まあそんなこんなでまたひと段落した。
この世界に来てからかなりの年月が経っている。
気がつけば童の帝的意味で魔法使いになっていた。
まあ未だに子供作れる体になってないだけだがな。
そもそも生前合わせればとっくの昔にって話だがまあ体が変われば年月はリセットでいいだろう。
まあそれはそれでいいと思う。
正直今考えると二次成長期来なくていいよと思う。
もったいないじゃん? そういう事にかける時間とか処理する労力とか謎の疲労感とか。
後あの白いのって無駄に栄養価高いらしく相手がいないと栄養捨ててるようなものだし。
まあそんな話はどうでもいいだろう。
問題なのは今更だが転職である。
闘技場でちょこっとモンスターぶっ殺してくればいいかなと思ったが、いきなり行っても迷惑だろうとやはりダンジョンにする事にした。
後に分かった事だが、いつのまにかブラックリストにのっていて闘技場は一度も行かぬまま出入り禁止を食らってしまっていた。
やるせない話である。
さて、ダンジョンについたわけだが、とりあえずもうゼリーでは経験値が入らない。
今更な話だが、どうやらレベルに応じてもらえる経験値が引かれていくらしい。
とりあえず採取だけは忘れないのがフィフィルクオリティである。
何せ鉱石系はいくらあっても足りないのである。
まあ採取以外はせず敵も倒さず走り抜けボス部屋へ到着したわけだが、何の冗談か子龍がいた。
あえて言おう、龍とは非常に強く凶暴で会話ができても話が通じず基本気に入らなければ相手をぶっ殺す生き物である。
たとえ子龍であろうとだ。
あれ、これつんだ? ゲームオーバーですか? いやいやこんな所に子龍とはいえ龍がいるわけがない。
という事で頭にある核を破壊するべく瞬足で接近し角剣を突き出した。
そこからは記憶があやふやだが、古龍に見えていたものが崩れて黒い影のようなものになったのをうっすら覚えている。
「最悪だ」
目が覚めて一言目がそれであった。
今回の敵は通称シャドーといい別名ドッペルゲンガーだ。
一時期乱獲騒ぎがあったが遭遇そのものが難しく、何よりもうわさが眉唾物だ。
本人に合った神具級のアイテムをドロップするらしい、という噂。
そして、本人の姿を真似て変身すると思考までコピーする。
つまりあそこには本当に今の今まで子龍がいたのであってその強さになったドッペルゲンガーに突っ込んだらしい。
相手が油断していたのかは知らないが一発で核になる部分を破壊できたのは最高と言える幸運だった。
正直別の生き物の形をまねて変身するゼリーの亜種、物真似師かと思ってたので命拾いしたと言わざる負えない。
ただ、ドッペルゲンガーの最大にして最高の、有名になるべくしてなった特徴が存在する。
それは姿を真似る事でも強さが上下する事でもない、ダメージの反射だ。
大抵の上級者になればなるほどこれで死ぬといわれるほど厄介な能力である。
ここがボス部屋だったから良い物の通常のマップだったらと思うと震えが止まらない、確実に死んでいただろう。
しかも、倒すと何らかの呪いを受けると言われている。
幸いにして俺は最弱を誇る最下位職初心者であるため死ななかった。
頭を一突きだったがダメージは昏倒するレベルだったらしい。
もうウサ耳とウサ尻尾サマサマである。
まあそれら二つがもたらすのは幸運であって悪運ではないがこの際どうでもいい。
そしてここは……、神殿?
しかしなぜ誰もいないんだ?
それにまるで、世界に誰もいないかのように恐ろしく静かで風の音すら聞こえない。
一体何があった?
とりあえず……、現状の確認か?
「こ、コールステータス」
自分の胸に手を当て魔法を唱える。
ちなみにターゲットの指定は昔から手のひらを向けるか指を向けるか杖を向けるかであるらしい。
伝統なのでみんなそうするが、実際に集中力が増す効果があるため実用にかなっている。
ただ、特にそんなことしなくても問題ない場合もある。
このコール系魔法もその一つではあるが、混乱している自分はついくせでやってしまったのだろう。
そして頭の中に告げられる特殊魔法の成否判定。
――[成功]――
表示されるのは現在ステータスだ。
名称:フィフィル・ファウ・フォリア 職名:フィー
職業:職業訓練生
転職可能職業:商人[15]、調合師[15]、鍛冶師[15]、術式使い[99]
Lv. 1/99 EXP.0% NEXT:50
称号一覧
[@*者]$級#’:システム権限により詳細閲覧不可
[限界突破体現者]特級称号:システム権限により詳細閲覧不可
[先を歩む者]特級称号:システム権限により詳細閲覧不可
>>特殊技能一覧
>魔法:ステータス閲覧
・Lv.1 名前、職業、称号、本スキル詳細と技能一覧を閲覧可能
・Lv.2 状態、称号元、技能詳細、転職可能職業を閲覧可能
・Lv.3 レベル、現在経験値量、必要経験値量を閲覧可能
・Next-count 42354
>魔法:生命力回復補助
・Lv18 活力を回復可能、ただしカロリーを大幅に消費する。
効果一、一定時間生命力の上昇により傷の治りが早くなる。
効果二、一定時間気力などで動けなくなっても動けるようになる。
>魔法:肉体活性化
・Lv37 新陳代謝を向上させるがカロリーを大幅に消費する。
効果一、身体能力の上昇、傷を治す速度の上昇。
効果二、免疫力向上にともなう解毒速度の上昇。
>魔法:終わりの裁き
・Lv1 =身及び|手の罪・重+によってダメ_ジが変わる対’魔法。
効果一、自身より相手の罪が重ければ二倍のダメージを与える。
効果二、自身が相手の罪より重ければ自身もダメージを受ける。
効果三、自身と相手の罪の重さが同じであれば三倍のダメージを与える。
>>祝福一覧
>長命種の宿命
>第一次限界突破者
>自分殺しの宿命
>呪い:シャドウハンド
・レベルアップ時ステータス追加上昇
・転職制限[基本職の転職不可]
・転職干渉[特殊職業解放]
・特殊干渉[レアドロップ率上昇]
・特殊干渉[固有モンスター遭遇率上昇]
・特殊干渉[固有スキル獲得]
・特殊干渉[肉体成長停止:十年]
・特殊干渉[再度ドッペルゲンガーを殺した時反射ダメージ二倍または二分の一]
・特殊干渉[次の転職までステータスの大部分を見れなくなる]
……ステータスが一部文字化けしている。
たぶんこれがドッペルゲンガーの呪いとやらなのだろう。
確かシャドウハンドと言ったか、ステータスの大部分を隠すものらしい。
それにしては少ししか文字化けしていないが、なぜだ?
まあ現状に問題ないならこの表示でも問題ないだろう。
文字化け部分もどうにか読み取れるし読み取られちゃまずいところがちょうど文字化けしたのは幸いだった。
せめて変更ログみたいなものがあればいろいろ状況がわかるのだがそんな便利なものはこの世界に存在しない。
それに、普通は一生を通して不変と言われる祝福がなぜか増えている。
しかも固有スキル? いや平穏に暮らしたいのでいりません。
正直ドッペルゲンガーなんて会おうと思って会える相手じゃないんですが。
それに増えた一つを除き尽くマイナス補正消えてないか? 転職制限残ってるけど。
まあ体が成長しないのはいい、今までだってそこまで変わらんかったし正直成長期に入ったには入ったがやはりゆっくりとしか成長しないし。
十年と言えば純種の人類換算で一年前後の時間に相当する。
無論大体純種換算で二十歳ぐらいまででそこからは百年で一年換算ぐらいになるらしい。
なので正直何の問題もない。
今得るべき情報はこれぐらいだろうか?
民間称号が全部消えてしまったのは気になるが確かめようがない。
にしても終わりの裁きっていかにも聖書に出てきたりしそうな名前だな。
中二病臭くて嫌なんですが。
まあ仕方ない、使わなければいいのだ。
ステータスを話すなんて結婚して下さいと告白するようなものらしいし問題ないだろう。
とりあえずまずは人を探すべきか。
確か神殿内では唯一人が一切いなくなることのない祭壇を目指す。
ちなみに祭壇とは名ばかりで一番広い部屋の中央に机のようなものが置いてあり太陽と光を模した十字架のようなオブジェが飾られている場所だ。
基本的に教主や神官が祈りをささげる場所で、常に管理官として最低一人、最大で十人にも及ぶ人間が常時待機している。
元々は転職するための儀式場である地下への階段を隠しているのがこのテーブルで、転職を希望する物はここから地下へ降りるらしい……。
なのだが、開かなかった。
本当にどうなってるんだ。
最低でも五人で動かすものだからか? まあ人がいないので一人で動かすしかないのだが、レベルから言えば一人で動かせる程度の補正は受けてるはずなんだよな。
それがピクリとも動かない。
そもそも人がいないのもおかしい。
ここは常時人がいなければならないと神殿側とギルド側が定めているのに、なのに誰もいない。
「主よ、ここは一体どこなのですか?」
ここでこれを言うのはお約束というやつである。
元の世界で言う「ここは誰? 私はどこ?」というやつである。
とりあえずやることやったし各部屋を回るが誰もいない。
しかもユラユラと湯気を立てる飲み物が放置してあったり食べかけの食事が放置してあったりまるで人が消えてしまったかのような風景が広がっている。
どこかの幽霊船で同じような話を聞いた覚えがあるが、あれの落ちはなんだったか、そして誰もいなくなるだっけか?
正直怖い。
本当に何が起こっているのだろうか?
こういう不思議な現象の対処は勇者の仕事だろ? サボらず解決しに来て下さい本当に。
三話終了時点での主人公ステータス。
スキルでない自力での物作りは生産スキルには含まれません。
なお、祝福は無条件に詳細閲覧可能。
名称:フィフィル・ファウ・フォリア 職名:フィー
職業:職業訓練生
転職可能職業:商人[15]、調合師[15]、鍛冶師[15]、術式使い[99]
Lv. 1/99 EXP.0% NEXT:50
称号一覧
[@*者]$級#’:システム権限により詳細閲覧不可
[限界突破体現者]特級称号:システム権限により詳細閲覧不可
[先を歩む者]特級称号:システム権限により詳細閲覧不可
>>特殊技能一覧
>魔法:ステータス閲覧
・Lv.1 名前、職業、称号、本スキル詳細と技能一覧を閲覧可能
・Lv.2 状態、称号元、技能詳細、転職可能職業を閲覧可能
・Lv.3 レベル、現在経験値量、必要経験値量を閲覧可能
・Next-count 42354
>魔法:生命力回復補助
・Lv18 活力を回復可能、ただしカロリーを大幅に消費する。
効果一、一定時間生命力の上昇により傷の治りが早くなる。
効果二、一定時間気力などで動けなくなっても動けるようになる。
>魔法:肉体活性化
・Lv37 新陳代謝を向上させるがカロリーを大幅に消費する。
効果一、身体能力の上昇、傷を治す速度の上昇。
効果二、免疫力向上にともなう解毒速度の上昇。
>魔法:終わりの裁き
・Lv1 =身及び|手の罪・重+によってダメ_ジが変わる対’魔法。
効果一、自身より相手の罪が重ければ二倍のダメージを与える。
効果二、自身が相手の罪より重ければ自身もダメージを受ける。
効果三、自身と相手の罪の重さが同じであれば三倍のダメージを与える。
>>祝福一覧
>長命種の宿命
>第一次限界突破者
>自分殺しの宿命
>呪い:シャドウハンド
・レベルアップ時ステータス追加上昇
・転職制限[基本職の転職不可]
・転職干渉[特殊職業解放]
・特殊干渉[レアドロップ率上昇]
・特殊干渉[固有モンスター遭遇率上昇]
・特殊干渉[固有スキル獲得]
・特殊干渉[肉体成長停止:十年]
・特殊干渉[再度ドッペルゲンガーを殺した時反射ダメージ二倍または二分の一]
・特殊干渉[次の転職までステータスの大部分を見れなくなる]