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[練習作]ダンジョン物  作者: 夜霧 時矢
再誕~駆け出しの頃~
2/11

第一話 思い出す過去

会話が一切ない。

ただしこれはわざとである。

次回から会話が入る予定。

プロローグと分けたのはまともに生活しだしてからはまた別だと思ったから。

加筆修正済み 2011・11・4。

世界は優しくない。

世界は犠牲を望んでいる。

世界が、罪に塗れているが故に。

親の罪は子へ、世界の罪はその世界の生命へ引き継がれる。

故に争いは無くならない、不幸は消えず、それでも運命(それ)にあらがう者たちがいる。

その名は冒険者。

自らを犠牲に、世界を導く者たちである。

だがその冒険者すら罪に塗れている。

だが、それでも人々は諦めず前を見つめ歩んで行く。


……というのが冒険者の前提らしい。


 つまり「憧れろ、しかし信用するな」という事らしい。

 冒険者は良いやつもいれば悪いやつもいる、ただし基本的に荒くれが多いという事だ。

 元々食うに困って冒険者になる人は結構いるらしい。

 そのほとんどは死ぬが、今の俺みたいにそれを乗り越えたやつらはそこそこいいところまで行くそうだ。

 そして、今更知った事だがこの世界にはダンジョンと呼ばれる地下迷宮があって、ゲームの如く色々なものが発掘できるらしい。

 そのせいで科学技術や魔法技術が発展しないみたいだが発掘できるものだけで生活していけるほど発掘品は便利だという事である。

 ますますゲームめいてきた。

 俺はゲームの世界に転生したのだろうか?

 しかし生前こんなゲームは見た事がない。

 システムも聞きかじったダンジョンがどう言うものかと言うのも生前好きだった不思議のダンジョン系(入るごとに構造が変わる迷宮)ではなかった。

 ただし、固定なわけでもないため実際にゲームで言う“再突入”とは時間軸的な流れにあたるもので、実際には知っているゲームの世界なのかもしれない。

 それにしては特殊な効果を持つアイテムや傷を治す薬の名前やら一切知っているものがないのが気になる。

 気になったわけで調べてみたが、分かった事はいくつかしかない。

 ネットワークはあるが、一部の王族とギルド系と呼ばれる組織の上級幹部が使う現代で言う電話とファックス、初期のHTML(ネットワーク上で見れる文書)のようなものだった。

 まあ、ここにきて世間知らずの箱入り娘ならぬ息子だったことがわかっただけで儲けものだろう。


 後、軽々しく名前を教えてはいけないそうだ。

 名前を聞いても嫌な顔をして教えてくれなかったのはそのためらしい。

 何やらこの世界、奴隷制度に近い物があるらしく名前を生まれた場所と内容が事実である罪状があれば奴隷モドキとして一定期間こき使えるらしい。

 無論警察組織のようなものがあり厄介ごとを起こすやからを王族や貴族、平民に至るまで分け隔てなく神の名の下に取り締まるらしい。

 親切に一から十まで教えてもらったがやはりと言ったらいいか、一部自身の持つ常識と照らし合わせて納得できない事柄もあった。

 本来、名前を明かすのは結婚相手や家族や上位者(家臣から見た王族等)であり、名前を聞くという事はそういう事だったらしい。

 さらに、ステータスを明かすのも厳禁で、無論聞くのはとんでもないマナー違反だ。

 追加で言えば、仕事名と職業名をギルドに登録してないと身分証明を求められた時に厄介な事になるらしい。

 通常は親が生まれた時にするらしいのだが、あんな辺境じゃ絶対してないなと自身の証明書(ギルドカード)を発行してもらった。

 なお二回目からは有料で、一回目は国が出してくれるらしい。

 このカードがあると公共施設が利用できるようになり、何処何処の誰々というものもギルドカードを提示できればギルド側に問い合わせる事が出来、当事者同士で本名がばれる事がなくなる。

 また各国の国境を超える際、非常に面倒な手続きをしなくても提示すれば犯罪歴を参照後に通してもらえるという便利アイテムらしい。

 ただし、特定の月に現在在籍している国に対し税金を払いこまなければいけなくなる。

 商人ギルドなんかもギルドカードを提示できれば特にチェックもなく買い物ができるとか。

 つまり、身分証明書兼首輪なわけである。

 親切丁寧にこんな田舎者の子供モドキに教えてくれる自称神官のお姉さんは、仕事だからこんな親切にしてくれるわけではない。

 こんなに冒険者ギルドが親切なのかだがもちろん裏がある、という事である。

 冒険者ギルドは働いてほしいし問題を起こしてほしくない、つまり問題起こしたらぶっ殺して村八分にすんぞゴルァという事を周知徹底しているだけである。

 ちなみに神官は女性だけの専用職業であり、男性がなれるのは教主と呼ばれる渡り歩く魔法医者である。

 薬ではなく魔法を使って治療するから魔法医者である。

 まあそんなわけで、ダンジョンとギルドのある町での生活が始まったわけだ。




~町での生活、始まりは浮浪者~

 良く考えたら住むところがない、金もない、食べ物もなければ着る服しかない。

 ないない尽くしである。

 このままでは浮浪者一直線で、とりあえず宿と仕事の確保が最優先だが……、すでに一週間ほど就職活動をしているが見つからない。

 寝る場所は町の外で野宿である。

 川があるので毎日洗っているが、それでもどうにもならないのはこの見た目だ。

 もう十歳ぐらいの子供に見えるわけである。

 そりゃだれも雇ってくれないわな。

 そして初めて野宿のために町を出た時はモンスター侵入を防ぐための門に阻まれて門番さんに説明するのにかなり時間を取られたっけ。

 あー、正気を疑ってたよな子供が野宿のために町を出るとか、親はどうしたとかさんざん聞かれたし。

 とりあえず町の外に家でも作るべく、日々就職活動と物資の調達に明け暮れている。


 現在、最低限の生活費は襲いくるモンスターをぶっ殺して素材を売ってどうにかしているが、本当に最低限で食糧とかは自力調達である。

 ん? お金をどこに使ってるんだって? 無論大工道具と釘とか家(ほったて小屋とも言う)を作るのに必要な物資の調達である。

 変わった事と言えばこの町に来てから一日一回かならずダンジョンに潜っている事ぐらいだろう。

 ダンジョンではモンスターの死体が消えるため食料の確保はできないが、素材を自分で加工する手間がかからないため最低限のお金を確保するためである。

 ちなみにそのお金は買った大工道具やら物資をためておくための倉庫を借りる代金に消えている。

 外に置いておくと誰でも使っていいという扱いで法律で罰則もないため持ってかれて売られてしまうのだ。

 嗚呼無情とは誰の言葉だったか、まあどうでもいい。

 日曜大工で最低限の工作技術を上げつつ一年ほど必死にがんばっていたら、さすがにあわれに思ったのか神官のお姉さんから冒険者ギルドとして使っている建物である、通称神殿と呼ばれる場所の一角を建設場所として提供された。

 無論それからはそこを寝床として使っている。

 獣の皮で作った寝袋モドキ、意外とあったかいです。

 雨の日が辛いが。

 それからはわき目を振らず小屋を作っては取り壊す日々だ。

 なかなか納得できる建物はできない。

 必要な空間は寝る場所と最低限の物置なのでそれほど大きくないのが救いと言えば救いだ。


 さて、そんなこんなでさらに二年が過ぎた。

 だんだん望んだ家ができてきたのが嬉しくて、ついついほかの事まで頑張ってしまった。

 まず作ったのは井戸だった。

 もうね、面倒なんだもん、川までお風呂入りに行くの。

 ただ、なめていたと言わざる負えない。

 レベルアップで元の世界で考えたら人外な力と体力をもってしても一年かかった。

 まあその一年は壁用の煉瓦作ったり煉瓦作ったり煉瓦作ったりした時間で半分を占めるのだが。

 ここまでで町についてから四年が経過した。

 ただ、井戸はギルド関係者に感謝された。

 普通は井戸なんて掘らず近くの川に水汲みに行くらしい。

 水汲みが下っ端の仕事でもあったので、下っ端の皆様方には本当に感謝された。

 まあそれでも井戸から水を引き上げるのは辛いが川までを往復するよりは楽なんだろう。

 変人と見られながらも快適な生活のため頑張った、、超頑張った。

 ものができるまで周りからはひたすら地面を掘る可哀そうな子ども扱いだったが。


 次に手を出したのは鍛冶だ。

 ダンジョンで出る鉄鉱石をため込み必死に頼み込んで鍛冶屋に疑似弟子入り(目的のものが完成するまでと言う期限付きで)した。

 どうしても欲しい物があったのだ。

 お金もないので必死に自分で材料を集め施設を貸してもらえるよう交渉したわけで、何かを教えてもらう約束をしたわけではない。

 まず鉄鉱石からまともな鉄を生成するのに一年かかった。

 下働きモドキをして技術を盗むのに一年かかったとも言うが。

 鉄鉱石から鋳型に流し込み失敗せずにできるようになるまでさらに一年かかった。

 以外と気泡が入ったりして不思議なほど脆くなるため難しかったのはいい思い出である。

 鍛冶屋のお爺さんが途中から孫のように可愛がられていたが、鍛冶に甘えは許さんとこれでいいかなと思っても厳しく指導してきた。

 完成したのはレール付きの窓である。

 ガラスの方は白っぽい半透明ながら結構簡単にできた。

 集める材料がわかっていたからだろう。

 後なぜか鏡もできた。

 必死に目の細かい砥石で磨いて鏡状にした鉄板をガラスコーティングで錆びないようにしたものだが。

 こっちは必死に透明な英石やらなんやら探して限りなく透明なやつで作ったので鏡としてちゃんと機能している。

 まあガラス流し込む時に少し色が変わってしまったがそこらへんは許容範囲だろう、綺麗だし。

 正直男の俺は鏡なんて使わないが。

 なぜ作った(んだろう)

 おっと元の世界の方言が出た。

 後々の事だが、なぜか神官のお姉さんが使いに来るのである一室に設置しておいた。

 ちなみにかなり馬鹿でかい全身用の鏡である。

 ちなみにヒビ入れたやつはぶっ殺すことしているが、幸い入れるやつはいないようだ。

 なぜ作ったかは激しく疑問だが気にしたら負けな気がする。

 ちなみに後でわかった話だが、ガラスはすごい高級品でこんなほったて小屋に使うようなものではないらしい。

 普通の窓は開ける時は開けっ放し、閉める時は板をはめるんだとか。

 でも冬寒いじゃん、明かりどうすんのよ? と本気で思うがそのせいで凍死者が出てるとか本末転倒だと思うんだが。

 え? 技術の一般公開? お爺ちゃんがやってくれるそうです。

 そして本命、中の量が見える覗き窓付きタンクに水道管、井戸用の手漕ぎポンプである。

 そう、水道だ。

 シャワーを再現するのはしんどかった。

 金属板に穴をあけるのがあんなにしんどいとは知らなかった。

 無論暖める機構なんてないので水しか出ないがこっちの世界では画期的発明である、一般には理解されなかったが。

 冬は水道管の中が凍るだろうかそこらへんはしかたないと諦める。

 井戸の底が地下なので凍らないが、手漕ぎポンプ内の水が構造上どうしても凍る。

 冬はポンプあるのに手動でくみ上げとか無様をさらす事になりそうなのでどうにかしたいと思う。

 まあ水道管は無駄に太くしてポンプは一々水抜けばいいんだろうけど。

 ここまででさらに一年がった。




 俺がこの町に来てから気づけば七年がたっていた。

 そして、小屋もとい自宅が完成した。

 さすがに自宅を建てるのは気が引けたので十にも及ぶ仮眠室、シャワー室、簡易倉庫を作り俺が使う一室を除いて公共施設とした。

 ちなみにシャワー室の窓は覗かれないように不透明の光を通す程度にしてありかつ高い位置に設置してあるので覗きはできないのだ。

 ふん下っ端教主ども、涙を流しても事実は変わらんからな? 割ったり穴開けたりしたら死なない程度にぶっ殺す。

 まあ基本的に使用するのは神官さんたちとギルド関係者の一部だが、使用料金がほんの少しだが自分に入るのはうれしかった。

 まあ、一番再現が難しかったゴム部分は最弱モンスターことゼリーが出す柔らかくしたスーパーボールのようなプニョ玉を加工して作った。

 そして水道を設置した、試運転が終わると神官さんたちがすっ飛んできてなんで井戸をふさぐのかと言ってきた時は正直マジでビビりました。

 もうすごい剣幕だった。

 まあ結果だけ言えば、ポンプと水道が便利だという事で神殿側で使う分を作らされたが……。

 まあそのおかげでタンクに水を補充するのは下っ端さんたちがしてくれるらしい。

 ちなみに貯め水は衛生的に危険なので、毎日使い切り翌朝補充しなければならない。

 そして気づけば簡易倉庫は尋問室に化けていた。

 まあ、自分が使っている倉庫は町で借りているものなので特に問題なかったが、掃除用具が置いてある尋問室がシュールすぎるのに笑った。

 ちなみに尋問室に選ばれた理由はこの小屋がかなり頑丈でかつ手ごろな大きさで、この簡易倉庫に窓がないためらしい。

 ちなみにベッドはスプリングが作れなかったので、プニョ玉で簡易ウォーターベッドになっている。

 プニョ玉を細かく砕くのに物凄い苦労したなぁ。

 布はいいのがなかったので馬鹿でかい兎っぽいやつの毛皮で代用している。

 あの兎も人に()れるなら可愛いから大人気だろうに、なぜ自分の容姿を利用しないのかね?

 ちなみに代用品だが、ウサギっぽいやつの毛皮を正四角形に切り出し縫い合わせた贅沢な一品で、そこいらに売り出せば王族が買っていくだろうとの評価を貰った。

 ただ材料が全てモンスター産のため非常に値段が高く、一般の商人や大工ではまず作れないと言われた時は泣いたが。

 そもそも冒険者でこんな生産スキル高いの俺くらいじゃなかろうか?

 でも木枠にプニョ玉詰めて兎の皮を縫い合わせてできた布を張り付けただけなのになぁ……。

 ちょっと獣臭いが半年もすると俺の体臭の方が染みついたのか、それもなくなった。

 まあ結構洗ってるせいもあると思うが。

 無論毛布とかもないので兎の皮で作った着ぐるみモドキの寝間着で寝る。

 毛布はやはり兎の皮で作った毛布だ。

 夏は暑いので使わないだろうが冬は快適だ。

 そして俺が待ち望んだ快適な生活が訪れたのだった。

 なお、羊皮紙が主流みたいだったので和紙の作り方を教えたら研究が始まったっぽい。

 大事になったのは決して俺のせいじゃないと信じたい。

 ただ、突飛な事をしても冒険者ならおおむね受け入れられるという事を実感した。

 ちなみにだが、ベッドが設置されているのは自分の部屋だけである。

 気がつけばこの町に来てから八年がたっていた。

 気がつけば木の小屋から煉瓦の小屋にレベルアップしていたが気にしてはいけない。

 中はちゃんと内装やってるので相変わらず木製だ。

 時間が過ぎるの早いなぁ。




~神殿のマスコットモドキになってからの話~

 それからはダンジョンに潜る日々である。

 まあ毎日潜っていたが。

 一時期狂ったようにゼリーとホーンラビットを殺して回っている子供が噂になったが気にしないったら気にしない。

 そのせいで元の服が赤黒くなり使えなくなったのは悲しかったが、もはやあんなボロイ服を着る意味もなかったので捨てた。

 とりあえず今は最下層である五十層を目指して頑張っている。

 ちなみに、なぜか神官服モドキを着させられているため普通の服はもってない。

 そんなお金はないのである。

 全て貯蓄している。

 そして転機は訪れた。

 この町に自称勇者を名乗る(ある意味)猛者が現れたのだ。

 自分と同じ転生者か? と思ったが、何やら称号に勇者というのがあって、それがあると特別な運命に巻き込まれるらしい。

 ふと気になって確認してみると自分の称号が変わっていた。

 まず[家出人]から[神殿の隠れマスコット]に、[光化学狂信者]から[未来科学狂信者]に。

 後[技術屋]ってのがついた。

 技術にパクリってルビ振られているような気がした。

 確認のためもう一度ステータスを呼び出したら消えていた。

 気にしたら負けだ。

 確かに自分で考えたわけじゃないけど、自分で考えたって明言した事ないぞ、そこんとこどうなんってんだシステム。

 それに今更だが、家出人はわかるとして光化学狂信者は意味が分からなかったが、もしかしたら生前レーザー兵器に浪漫を感じていたからか?

 もしかして世界基準でそんなものへの理解と興味からそうなったんだろうか?

 正直どう考えてもオーバーテクノロジーだし、知っているのは自分ぐらいだろうからもはや狂信と言うべきレベルで存在を確信してたせいだな、たぶん。


 まあそんな事はどうでもいい。


 問題なのは基本勇者は固有(ユニーク)モンスターに遭遇しやすくお人よしである。

 つまり、協力して倒せば固有(ユニーク)アイテムを貰えるかもしれない、たとえそれが初心者用の上位武器だったとしても。

 ちなみに上位武器ってのは神様とやらに祝福された自己修復機能付きの丈夫な武器の事である。

 それに対して下位武器というのは人間が作る武器の事で、良品は中位武器と呼ばれたりするが正式には下位武器の分類となる、らしい。

 結論から言えば、勇者様強すという何とも言えない結果になった。

 正直こっそりついていくだけで初めて五十層突破したわけだ。

 ダンジョンを突破すると宝箱の部屋に転送されていた。

 転移魔法はあるので驚かなかったが、ダンジョン攻略そのものに特典があるのは知らなかった。

 たぶん教えるまでもなくみんな知っている事なのだろう。

 そして勇者と(はぐ)れた。

 後々知った事だがパーティー登録をしていないと別々の部屋に転送されるらしい。

 登録をしていると一緒の部屋に転送され、人数分宝箱があるんだとか。

 中身は紫色をしたホーンラビットの角だった。

 ホーンラビットの角は腐るほどもってるよ、正直いらねーとその時思った自分を後々になって殴ってやりたくなったのはまた別の話である。

 確認が終わると自動的に外へ転送されたのでとりあえず帰る事にした。

 外は暗くなっていたので月明かりでのシャワーもそこそこに寝ようとしたら猫の人、通称猫神官の人が乱入し俺はなぜか抱き枕になった。

 眠かったし、体ができてないせいか性衝動もないのでそのまま眠ったが、やっぱ女の人って柔らかいねというのが感想である。

 ちなみにこの猫の人、すごく気まぐれで本当に猫っぽいのだ。

 しかも元の世界にはいなかった半獣(ワイルドハーフ)というか猫耳娘(キャット・ウーマン)というか、そういう見た目の人だ。

 ダンジョンに潜り始めた最初の頃何度も死にかけたが、地上で血だらけな自分を見つけてもほぼ無視だし「助けてほしいなー」といっても「そう」の一言で終わらせた猛者である。


 せめて医者を呼んでほしい。


 かと思えば気が向いた時だけからかわれるというか遊ばれるというか、玩具扱いされるので正直ちょっと困っている。

 このごろはさすが猫の人と納得する事にしているので気にしていなかったが、もしかして発情期?

 いや、そんなそぶりも行動もなかったし違うか。

 まあそんなこんなで驚く事はそれぐらいだった。

 のち分かった事だが、手に入れた角はこのダンジョンの一番上位なレアアイテムで、勇者様のものを横取りしてしまったらしい。

 さすがに謝りに行ったのだが、まあランダムなので気にするなと言われた。

 正直こういうのは勇者に流れるような物でしょ?

 そこんところどうなんだろ、もしかして自分もなんか厄介ごとに巻き込まれる運命だか何だかなのだろうか。

 まあそんな事はなってから対処するから問題ない。

 勇者なんてのがいるんだ、丸々投げてしまえばいい。

 それより重要だったのは、手に入れた角である。

 名称を精霊獣の角といい、上位ダンジョンに行くとそこそこ手に入るアイテムらしい。

 軽く恐ろしく丈夫なのでショートソードにしてもらってから二年間今の今まで使い続けているメイン装備だ。

 まあショートソードとは言っても、俺の体が小さいため比率のせいでロングソードに見えるんだけどね。

 そういえば今年でダンジョンに潜り始めて十年目に入るわけか。

 そういえば一部素材の安定供給とかやってたら[ダンジョンの主]とか[エターナルの人]とかよくわからない称号がついていた。

 まあ確かにダンジョン内で人助けとか結構したけどもダンジョンの主って俺はこのダンジョンのボス扱いか!?

 まあ神殿で確認したら民間称号だったのでダンジョンに潜る有名な子供として知れ渡ったせいだろうとの事。

 後潜っているダンジョン名がいつの間にか初心者ダンジョンになっていた。

 あれか、色々な人に教えたりこっそり助けたりして生還率上がったせいか?

 上級者ロールプレイして初心者育てたせいか?

 まあいいや、関係ない関係ない、気にしたら負けである。

 話を戻すが、称号には二種類あり、一般からの認識と呼び名でつくのが民間称号、神様とやらが付けてくれるのが特級称号というらしい。

 ちなみに称号で特典がつくわけではないが、ものによっては一般社会で自慢できたり就職が有利になったりするらしい。

 まあそんなこんなで今に至るわけだ。




 後余談だが、今回会った勇者様俗に言う不幸系で周囲の人間に幸運をばら撒いてしまう人だったらしい。

 通りで一人きりだったわけだ。

一話終了時点での主人公ステータス。

スキルでない自力での物作りは生産スキルには含まれません。

なお、祝福は無条件に詳細閲覧可能。


名称:フィフィル・ファウ・フォリア 職名:フィー

職業:初心者

転職可能職業:職業訓練生

称号一覧

[転生者]特級称号:システム権限により詳細閲覧不可

[神殿の隠れマスコット]民間称号:冒険者ギルド関係者からの称号

[技術屋]民間称号:一般民家からの称号

[ダンジョンの主]民間称号:冒険者からの称号

[エターナルの人]民間称号:冒険者からの称号

>>特殊技能一覧

>魔法:ステータス閲覧

・Lv.1 名前、職業、称号、本スキル詳細と技能一覧を閲覧可能

・Lv.2 状態、称号元、技能詳細、転職可能職業を閲覧可能

・Next-count 243

>魔法:生命力回復補助

・Lv13 活力を回復可能、ただしカロリーを大幅に消費する。

 効果一、一定時間生命力の上昇により傷の治りが早くなる。

 効果二、一定時間気力などで動けなくなっても動けるようになる。

>魔法:肉体活性化

・Lv30 新陳代謝を向上させるがカロリーを大幅に消費する。

 効果一、身体能力の上昇、傷を治す速度の上昇。

 効果二、免疫力向上にともなう解毒速度の上昇。

>>祝福一覧

>長命種の宿命

・成長速度干渉[低下補正]

・特殊技能干渉[成功率低下補正]

・生産スキル干渉[成功率低下補正]

・レベルアップ速度干渉[低下補正]

・レベルアップ時ステータス追加上昇

・転職制限[基本職の転職不可]

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