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ポンニチ怪談 95 サンジン政策

作者: 天城冴

度重なる失政のため壊滅的となったニホン国、起死回生の策として編み出されたのは

20XX年、様々な要因がかさなり壊滅的状態になったニホン国である政策が実施された。


「ひいい、ひ、ヒドイ。こ、こんな狭いところに」

“イイカラ入りなさい、サンジンども”

「こ、こんなコンテナみたいなところに私たちを閉じ込めるのか」

“決定ダ、ニホン国の決定ニハシタガウのであろう、サンジンども”

精巧なロボットたちに囲まれて初老の男性はたじたじとなった。

「わ、私たちをどうするのよおお」

と隣で泣きわめく中年女性にそばにいた若い男性も

「わーん、いくら独身だからといって、こ、この扱いは酷いじゃないか、ぼ、僕はまだ30代」

「私だって30代です。が、頑張れはもう何人か子供埋めるし」

と口々に抗議するが

“サンジンは撲滅、すでに議会で決定シテイル”

と無機質な声でサンジンたちをコンテナに追い込むロボットたち。。

「だ、だからサンジンってなんなんだ!」

「そうよそうよ!わ、私たちはフツウノニホンジンよ!」

「お、おまえはナニジンだ!」

“ヤハリまともに情報を得ていない。サンジンの特徴ニアテハマル”

“都合の良いインターネットや、SNSの情報にしか接セズ、国会いや現在は議会の中継をキチントミルコトモデキナイ”

“まともに反証できず、フツウノニホンジンとしかイエナイ”

“ワレワレにナニジンと問うのがいかに非論理的か理解デキナイ。サンジンの特徴”

と機械的な音声を発しながらロボットたちは巨大なコンテナにサンジンたちを押し込めていく。

「いやあ、な、なんでよおお!サンサン党を応援してればすべてうまくいくっていったじゃない!あのガミヤンとか言う党首!」

一人の女性が叫んだ。

“故ニ”

“お前タチハ”

“サンジンであるノダ”

「サンサン党を応援したから?せ、政党応援したからって罪にならないんでしょう?」

「せ、政策が間違ってるからって、こんな目にあるはずが」

「わ、我々の権利は、人権は!」

喚くサンジンたち

“それをすべて否定して破壊シタノガ、サンサン党だ”

“サンサン党のセイサクもどきのためにニホン国はマトモな人間が追いやられた「”

“人の権利、人権を自ら否定シタノニ、それも理解デキナイトハ”

“さすがに支離滅裂ナ憲法モドキ草案を鵜呑みにしただけある。思考力ガナイ”

全否定するロボットたち。

「ち、チクショウこのロボットめ」

「くそ、Ⅴ国製か!あ、あんな発展途上の出稼ぎにくるような国のロボット風情に俺たちニホンジンが」

不都合な真実を指摘されまくって頭に血が上ったのか、サンジンのオスたちの何体かがロボットを叩こうとしたが、

グシャ

一撃で頭をつぶされ、

ブーン

死体はコンテナの奥に放り込まれた!

「ギャアアアア!助けて!」

「な、なんでニンゲンを殺せるんだ!ロボットのなんとか則とかあっただろう!」

“サンジンはニンゲンではない、ホモ・サピエンスではない、ホモ属とは認メラレナイ”

“サンジンは人権を否定、国民の権利を失くす法案に賛成、権利放棄トミナサレル。自ら奴隷ニナル、ニンゲンではない”

“サンジンは論理矛盾する法案に同意シタ。論理的な思考ヲシナイ。自分の心身を危うくするのが理解デキナイ。生物トシモ致命的デアル”

“通常、選挙公約を日々変更スルコトナド,、アリエナイのに、それに気が付かずサンサン党首を支持。それまで選挙権をロクに行使せず、熟慮せずに投票シテキタ表れである”

“候補者が堂々と差別発言ヲシテイル、ソレモトメズに他国ほか貶めるようなコトヲシタ”

“オマエタチがサンサン党に力をつけさせたから、ニホン他に多大な被害アタエタ”

「だ、だけど、そんな!じ、ジコウ党のやつらだって、せいぜい強制労働なのに!」

「わ、私たちは長くやってるわけじゃないじゃない!なのになんで!」

“選挙行動をオコナッタのは短い、シカシ無知なままでいた挙句、最悪の結果を招イタ”

“さらに人権完全否定、放棄、他者の人権ヲウバイ、闇雲な政策で財政を壊滅サセ、結果農業、商業、あらゆる産業ハカイ”

“論理的思考放棄、場当たり政策を押し進メ、批判者をニホンジンでないと貶め、社会的に排除、とらえ拷問、人権無視。ソレヲ諫めず、あろうことか賛同、推進、扇動までシタ”

“故にサンサン党支持者、関係者は”

“ニンゲンではないサンジン、だからワレワレも”

“容赦はシナイ”

ロボットたちは容赦なくサンジンたちをコンテナに押し込める。

「ぎゃあ、逃げろおお」

とすきをついて逃げだす一体のオス、

たちまち首根っこをつかまれ

「ひゃあああ」

叫び声とともにコンテナの奥に放り込まれる。

あちこちでロボットとサンジンの押し合いが始まったが、ロボットの力にはかなわない、

あっという間にサンジンたちはいくつものコンテナに押し込められ

ゴオオオ

という音ともに扉が閉じられた。

“サンジンのコンテナの放棄場所は〇×火山”

“マグマ溜まりに投函、噴火を抑エルとともにサンジンをDNAレベルで破壊”

“サンジンを完全消滅”

“害悪完全駆除”

“サンジンが行ったやり方の模倣、自業自得”

いやあああ、やめてええ

コンテナから叫び声が微かに聞こえた。

かつてサンジンたちに害された人々の声と同様にその声は完全に無視されコンテナは次々に船に積まれていく。




考えるというのはどういうことか、これをやったらどうなるか、そういったことを放棄し、自らの生命にかかわる権利を手放すような存在は確かにホモ・サピエンスどころか生物とは言い難いかも知れないですねえ


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