異世界に行った、そのあとで。
べラルド卿の提案を受け入れた私は王宮に戻ることはなかった。
婚約したとはいえ結婚してもいないのにべラルド家にいてもいいのかとは思ったけれど、どうやらトルス国の貴族は婚約後に相手の家へ入るのがわりと一般的らしい。
というのも、婚姻前に相手の家のことを知り、家族との相性も確かめた上で結婚した方がその後も上手くいくと考えられているからとか。
結婚前提の同棲みたいなものよね。
ただしその場合も条件があり、相手の家に本人以外の家族が住んでいることが前提だという。
貴族のご令嬢であれば結婚までは純潔でいることを求められるし、時には婚約が破棄になることもあるからだとか。
いずれにせよべラルド卿と私の婚約は早急に受理され、私はべラルド家で過ごすことになった。
もちろん今までと変わらず図書館での仕事は続けている。
毎日べラルド卿と一緒に出勤して帰りも一緒に帰るのだけど……。
……まるでラブラブな恋人同士みたいではないか……。
そう思ってしまうとどうにもこそばゆく身の置き所がなくなるので、そのことはあえて考えないようにしている。
そして気づけばいつの間にか図書館のあのスペースは私の相談室と化していて、いつも誰かしらが相談にやってくるようになった。
私はカウンセラーでも保健室の先生でもないんだけどなぁと、そう思いながらも嫌ではないのはたしかだ。
異世界に行ったそのあとで、私は私なりの居場所を見つけたと思う。
だからこれからもちゃんと地に足をつけて生きていきたい。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この85話をもって第一部完結となります。
ブックマーク、評価、リアクション、誤字報告と本当にありがとうございました!
ナツメとべラルドの関係はまだ始まったばかりで、この話本当に恋愛ジャンルでいいのか!?と思いながら書いていましたが、ここで一旦区切りをつけたいと思います。
そして今後の二人のことも第二部としてまた書けたら……と思っています。
新しい話も始めたいと思っていますが、書籍化の作業もあるので次の話までは少し間が開きそうです。
新しい連載を始める時には活動報告で報告しますので、よろしくお願いいたします。
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2025.7.22 追記。
新しい話を二作公開しました。
一作目のタイトルは『クズ男と別れたらハイスペックな後輩に溺愛されました。』です。
こちらは全11話の短編となっており、すでに完結しています。
二作目のタイトルは『あなたに捧げる愛はもうありません。』です。
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