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三話


 「うっ…痛てて…ここ…どこだ?」


 (何もない空間で見つけた光に向かっていって確か…)


 最後に意識を失った俺は気づくと巨大な神殿の中にいた。イメージ的にはイギリスの教会が当てはまるだろう。


 ところどころ壁が崩れていて雑草が生い茂っている。どうやら俺は空中の穴から落ちてきたらしい。穴は既に消えて無くなってしまったが精神が壊れる前に出られたのだ。ここがどこかはわからないが、これほど色が見えることが嬉しい事は人生でもう二度とないだろう。


 この教会はどうやら人型の神を祀っているわけではないらしく、教会の最奥にあった礼拝堂と思われる場所の奥に巨大だな獣の像があったのだ。例えるならキマイラというのが合うだろう、日本ではみたこともない生物がついているが神というよりか魔物と言われた方がしっくりとくる。


 周辺を探索してみるとどうやらこの崩れた教会は今は使われておらず人の気配も全くない草の生え方からしてもう二百年以上は使われていないのではないだろうか。


 教会の中には個室もあり個室の中や側廊には白骨化した死体が転がっていた。争った形跡はなく皆一人で死んでいった様だ。


 教会の周りは森に覆われている様で、崩れた壁を登って少し上から見てみたが、目印になりそうな建物なんかは見つけることが出来なかった。


 唯一の発見は教会の裏手の方向の先に川の様なものが見えたことだろう。どの時代でも人は川の近くに町を使った。もしここが異世界だとするのなら尚更水源は大事な場所のはずだろう。


 とりあえず行く先は決定した。無闇に動くべきではないかもしれない森には野生動物がいるかもしれないが、だとしてもここでずっと待っていても誰かが助けに来てくれる可能性は極めて低いだろう。


 教会の周りには果物がなっている木があるのでそれを食べて教会に居座ることも考えたが、壊れた教会では誰も祈りに来る事はないだろう。


 今になって気づいたが自分は生まれたままの姿をしていたようだ。教会の部屋の中にいた白骨死体から服を借りるとしよう。かなりボロボロだが着ないよりマシだろう。


 着心地はまあ良いとは言えないレベルだった。


 森に出るとしばらくは体感二時間ほどずっと同じ景色が続いた。裸足なこともあり足の裏がボロボロになり途中休憩しようかとも思ったが、夜になれば森はさらに危険になってしまうこともあり先を急いだ。


 道中は動物の気配はなく獣の足跡なんかや鳴き声虫すら飛んでいなかった。流石におかしいと思ったが何か起こっていたとしても今の自分にできる事は川に向かうことしかないと割り切り歩き続けた。


 川着く頃には五時間ほど経った気がしていた。喉も乾き切っていて水の危険性も考えずに喉の渇きが癒えるまで飲み続けた。


 もちろん自然の川の水煮沸せずに飲めばもちろんお腹を壊すのだった。


 




 

 

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