二話
気づくと俺は真っ黒な何もない空間にいた。
自分の姿すら認識できない暗さ自分が存在しているのかすら怪しくなってくる。気付けば知らない空間にいる。 良くある異世界転生なのかと思ったが、それならばきっと神の様な存在が目の前に現れて暗闇で心配する俺に優しく説明をしてくれることだろう。
それに一緒に燃えていたクラスの人がいる様子もない、ここは一体どこなんだろうか。
しばらくそんなことを考えているとだんだん冷静になることができた。真っ黒な空間で人が冷静でいられるはずがないのに。
冷静になり思考が冷めたことでゆっくりと今の状況を考えることができた。
まず一つ目は今この空間にいるの転生を待たされている可能性、他の生徒を今転生させて順番待ち状態になっているのかもしれない。
二つ目はここが地獄で何もない空間で長い時間を過ごすという刑罰を与えられている可能性。これはそこまで良い生き方をしてなかった俺には妥当かもしれない。
三つ目は天国や地獄なんてのも存在せず転生すらなく死んだ魂は暗闇を彷徨うという可能性これが一番まずい。何もない空間で過ごし続ければいづれ意識は無くなってしまうだろう。
できれは一つ目であって欲しいがきっとそんな都合よくいく事はないだろう。唯一の救いは死ぬ時アッサリと逝けた事だろうか。もし意識があればしばらく燃える苦しみを味わっていただろうから。
ここに来てどれだけ経ったかはわからないがそろそろ精神が限界を迎えていた。
最初のうちは色んなことを考えたりして暇を潰そうとしていたが、だんだんと暗くて何もないこの空間に圧迫され続けていた。これはもう三つ目で確定なのだろう。
天国や地獄は存在せず彷徨い続けるそれが正解なのどろうか。神がもし存在するというのなら地獄でもいいからこの空間から放り出して欲しいところだ。
神が存在するというのならこんな空間はきっと存在し出さないだろうが。
くだらないことを考えていたがそろそろ限界だった。上下すら怪しく暗闇を見ていたら気が狂ってしまいそうだ。人間は十分暗闇にいれば発狂するらしい。逆に今の今まで狂っていなかったのを褒めて欲しいぐらいだ。
ついに意識を手放そうとした瞬間だった。
光が見えたのだ。
上下も左右すらわからない、それでも先に光が見えたのだ頭がおかしくなって幻覚でも見ているのかもしれない。それでもそれは十分に希望と言える物だった。
たとえ救いを求めて脳が作り出した幻覚だったしてもそこに向かうという確固たる意志を持って走った。
動くという感覚さえなくなりかけていたがその時はしっかりと自分は走っていると認識できたのだ。
そしてついに光に辿り着き精神的にも肉体的にも疲弊した俺は倒れる様に意識を失ったのだった。