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  作者: 口羽龍
第5章 一緒に
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11

 そして、保志と明日香の結婚式が行われた。結婚式には、2人の親族はもちろん、会社の仲間もやって来た。望もやって来た。もう東京には行かないと言っていたが、栄作もやって来た。というのは、結婚式で作りたての讃岐うどんをふるまうからだ。今日は臨時休業になった。今日の結婚式のためだ。


「それでは、新郎新婦の入場です!」


 保志と明日香が入場してきた。保志は美しいスーツを着ていて、明日香は白くて美しいウェディングドレスを着ている。望はその姿に見とれていた。自分もああいう風に結婚式を挙げる日が来るんだろうか? 自分にはどんな女と結婚するんだろうか? その日は近いんだろうか?


「おめでとう、木村くん!」

「おめでとう、保志!」

「素敵だぞ、明日香!」


 様々な声が飛び交っている。その声を聞いて、2人はとても幸せそうだ。栄作は幸せそうに見ている。親族ではないのに、どうしてこんなに感動しているんだろうか? ただ、自分と関わりがあるからだろう。


 保志の父が壇上に上がり、スピーチを始めた。


「今日は集まってください、ありがとうございます。うちの子はとても思いやりのある子で、とても優しいです。きっといい母になりますので、よろしくお願いします」


 それを聞いていて、望は何かを考えている。俊介はその様子が気になった。何を考えているんだろうか?


「どうしたの?」

「嬉しいんだよ。俊作に続いて、明日香も結婚で」


 望はうらやましいと思っていた。俊作に続き、明日香も結婚だ。自分はいつになるんだろうか? 全くわからないな。そして、どんな嫁を迎えるんだろうか? その日は近いんだろうか? まだまだ先なんだろうか?


「そう。本当に嬉しいよね」

「うん」


 安奈は思った。望はどんな人と結婚するんだろうか? その日は近いんだろうか? そして、明日香はどんな子供を設けるんだろうか? 最初の子供は、男だろうか、それとも女だろうか? 可愛いんだろうか?


「どんな孫が生まれるのか、楽しみだね」

「ああ」


 望はじっと考えている。俊作や明日香がうらやましい。自分に結婚相手は出来るんだろうか? 高校時代、栄作の子供ではない事からフラれてしまった。それが原因で、自分は本当に結婚できるんだろうかと不安に思っている。


「どうしたの?」

「幸せそうだなと思って」


 俊介にはその気持ちがわかった。以前、失恋した事を知っている。あの時はつらかっただろうな。でも、今度はうまくいくと思っているさ。希望を捨てない事だな。


「そっか」

「いつか、望にもいい人が現れるといいな」


 俊介は願っていた。必ず望にも、いい人が現れる。そして、結婚出来るさ。その時を待とうじゃないか。


「本当にできるのかなと思って」


 突然、俊介は望の肩を叩いた。どうしたんだろうか?


「大丈夫だよ」

「高校時代、フラれたんだけどな」


 望は下を向いた。やはり、高校時代の失恋が尾を引いているようだ。


「大丈夫だよ。だって、望って、うどん作るのがうまいから。まるで大将のようじゃないか。店の後継ぎ候補じゃないか」


 でも、望はうどん作りが得意だ。望のうどんを食べたら、みんな惚れるだろう。みんな好きになるだろう。そして、恋人ができて、結婚に至れるだろうな。


「そうよ。あなたのうどんを食べたら、絶対にみんな惚れると思うよ」

「本当かな?」


 望は疑わしく思った。本当に自分のうどんを食べたら、彼女ができるんだろうか? それ以前に、栄作の子供ではない事をつかれるだろうけど。


「本当だって」


 ふと、俊介は思った。明日香はこれから、どんな人生を歩んでいくんだろうか? きっと、幸せな家庭を築いていくんだろうな。わからないけれど、これからの明日香の人生にエールを送ろう。


「明日香、これからどんな人生を送っていくのかな?」

「わからないけれど、いい人生を送ってほしいね」


 安奈は思った。また香川県に戻ってきてほしいな。帰ってきたら、またおいしいうどんをふるまうから。


「たまには香川に戻ってきてほしいね」

「大将がおいしいうどんを作って待ってるぞ」

「そうだね」


 俊介もそう思っていた。香川県には、おいしいうどんがある。だからまた帰って来いよ。栄作も、望も待っているぞ。


 安奈は明日香のウェディングドレスにほれぼれしていた。本当に美しいな。


「きれいな花嫁姿だね」

「うん」


 安奈は思った。望はどんな人と結婚するんだろうか? 美人だったらいいな。そして何より、望の事がわかる子がいいな。


「望はどんなお嫁さんと結婚するんだろうね」

「楽しみかい?」

「うん」


 俊介も楽しみにしているような表情だ。それを見て、望は思った。絶対にいいお嫁さんを見つけてやる。そして、結婚に至るんだ。天国にいる本当の両親も見ているだろうから、絶対に結婚して、天国の両親に孫を見せてやるんだ。


「その日が来るのを期待しよう」

「ああ」


 望は思った。自分もいつか、結婚するんだ。栄作のためにも、そして、天国の両親のためにも。

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