【短編】固有スキル[憑依]? 屑スキルとバカにされたけど、これって使いようでは………ね♪
どうも、親戚のおっさんです(笑)
Uチューブの80~90年代のアニメを見ていて思い付いたので試験投稿しました♪
この手の転生物では[憑依]ってスキルがたまに出て人形を動かして戦ってるけど、弱点は動かしてる本人(本体?)を叩けば人形が止まるよね?
それなら人形(大型ロボット?)の中に乗せたら結構無敵ではないかと書いてみました(笑)
主人公は屑スキルと追い出されて地方の魔の森の麓の村に追い出されたけど、それまでの人脈や新たな仲間と共にただの潰れかけた村を城塞都市にしたばかりか、進行してきた王国連合軍を蹴散らせてしまう話かな?
マァ、試験投稿なので、連載版にするかは未定かな?
固有スキル[憑依]? 屑スキルとバカにされたけど、これって使いようでは………ね♪
教会神殿のとある場所、通称固有スキル判別の間にて………
王族、貴族、豪商等の所謂お金持ちしか行われない固有スキル判別の儀式にて私は固有スキルの判別を受けていたけど………?
「ウワァ、これは……… 」
「どうした? 何が出た? 」
「ア、ゴホン、失礼しました。固有スキルが判明しました。彼のスキルは………[憑依]ですね……… 」
「何だと、屑スキルの[憑依]だと! ………そうなのか……… 」
「アノォ~、[憑依]ってスキルはなんなんです? 」
「………………マァ良い。オイ、こいつに説明をしておけ。さっさと別室に連れていけ! 」
固有スキルが[憑依]と分かった瞬間から機嫌が悪くなるわが父ガイアス侯爵?
これから一体どうなるのだろう?
僕はガイアス侯爵の息子で3男でケイン、俗に言う所のオマケみたいな存在だった。
タダ、ちょっとした秘密持ちでもある。
その秘密とは、僕が前世の記憶持ちでその記憶が色々とヤバかった。
どうやら前世の僕は日本と言う国に有る某企業体の開発部門に技術者として勤めていて、そこではパワードスーツと言う鎧の開発をしていたらしい?
何故らしいかと言うと、開発していた物の関連情報は有るんだけど、その時の身の回りの生活の事とかの記憶がなかったんだよね?
まるでパワードスーツ関連の作り方や家電とか言う物の事は分かるけど、その他生活に必要な記憶が無いってどう思う?
マァその知識で色々とやってたら、神童とか言われる様になってしまったんだよね?
もっとも長男のキース兄さんには可愛がられていたけど、次男のクォート兄さんにはキツく当たられてたんだよね?
どうせ3男だから自由に生きようと思ってるのに、脳筋のクォート兄さんには理解できないんだよね(笑)
マァ、15歳になったら独立と言う名の冒険の旅に出ようと、色々と準備をしていた。
先ずは資金、これは前世の記憶から便利な家電系魔道具(生活に便利な物中心)を試作、商品化は侯爵家お抱えの商人経由で商業ギルドにて委託生産及び販売を任せていた。
僕自身はロイヤリティーとして販売価格の10%を利益として頂く契約をしたよ。
そして売上は、商業ギルドに有る僕の個人口座に入れてもらっていた。
因みに侯爵家にも利益として10%程を渡していたから父上からの文句は言われなかった。
それだけ売れたからね(笑)
さて、肝心のスキル[憑依]の件だが、聞けば聞くほど屑スキルって言われてる事が分かった!
何せ憑依できるのが無機物で、例えば鎧に憑依していれば結構無敵で、鎧自体に甚大な被害(壊れる)等しない限り動けるらしい?
問題は、動かしている時の本体である自分の体はまるで寝ている状態らしいけどね。
つまり、本体である僕を倒せば人形は止まるって事で?
しかも操作範囲もあって、基本見通せる範囲だけってどうなの?
見通せる範囲だと、相手にも見えてるって事だからね?
しかも1体しか動かせないってどう思う?
ホント、どうしようかと思ってたら父上が来て、そのまま馬車に放り込まれたよ?
アノ固有スキル判別の儀式から5年、ほんとどうなるかわからんよね?
まさかこの帝国が隣国のフラル王国を中心の王国連合軍に大敗するとはね?
あれだけ武勇に勇ましかった帝国軍が呆気なく負けるって誰が信じます?
判別の儀式の後、僕自信は辺境(今回の戦争が起きた東側ではなく、西側に有る魔の大森林を含む地域)に飛ばされて、そこに有った村の領主をやらされていた。
通っていた帝国立学園は後1年って所で退学させられた。
卒業までとは思ったけど、問答無用だったんだけどね。
そのまま実家の侯爵家領地(王都の西側)を素通りしての就任って酷くないか?
もっとも村と言えばまだましで、実際は魔の大森林の麓の今にも潰れる寸前の村だったけどね?
到着早々、魔物が襲ってきてたから討伐が大変だったよ!
最初の1年は兎に角、防御をしないとで村の防壁の強化と結界の構築で大変だったんだよ!
何せ魔の大森林からは魔物が出て来ては村を襲ってくるし!
マァ、色々と工夫して退治してたけどね♪
もっともそいつらを倒せばいろんな物資に代わるからねぇ(笑)
食料としての肉、素材としての皮や骨、魔石も取れるしね♪
他にも魔の大森林産の薬草や木材も売れるんだよね?
しかも魔の大森林産だからって、高値で買い取って貰えるからね。
そして徐々に噂を聞いたのか、冒険者や人が集まり今や魔の大森林前に築かれた城塞都市並に発展したよ♪
もっともこの事は父上も知らないし、知らせてない。
何せ、隣国のフラル王国との戦争中でそれ所ではなかったからね?
僕が飛ばされてから1年後、4年前から始まった隣国のフラル王国との戦争。
元々は国境の山に有るらしい鉱物資源を巡っての領土紛争だったんだけどね。
最初は一進一退してたけど、1年前に突然フラル王国の周辺国家が連合して攻めてきたんだよね。
どうやら鉱物資源の量が莫大に採掘できると分かったそうで、周辺諸国にも利益を分配するから兵を出せって集めたらしい?
商業ギルドからの情報だけどね♪
兵力差は王国単独なら帝国2:1王国だったので普通なら帝国側が勝つ話なのだが、今や連合軍(周辺諸国5か国)との兵力差が帝国1:4王国連合軍まで広がってるよ!
その為に父上直轄の帝国正規軍と連合帝国貴族軍の合同軍10万人で起死回生の攻撃に出たらしいけど、相手の連合20万人が立ちはだかって戦っていたが、上手に引き込まれて気が付いた時には30万人の連合軍に包囲されてた結果、全滅は免れたけど残った兵力がたった2万人しか残らなかったって、かなりまずいのでは?
ほんと、何をしたらこうも大敗するんだろうね?
マァ、この村(実質都市)には関係無いと思ってたけど………何で皇族(第1皇女様一行)が逃げて来るんだよ?
エ、中に入れろって言われてもなぁ?
城壁の上から見たら………エ、何で入るのカレン?
カレンとは通っていた帝立学園の同級生と言うか、ライバル視されてたんだよね、一方的に?
確か良いとこのお嬢様だったらしいって聞いてたけどね?
マァ、卒業して王女様の護衛騎士にはなれるだけの実力は有ったって事かな?
ン、コッチを見つけたかな?
「オイ、ケイン! 降りてきて勝負しろ! 」
「相変わらずの脳筋発言だな、カレン! 何故ここに来た? しかも皇女様連れてきて? 」
「ハァ、何言ってる? 私が第1皇女のカレローラだか? 」
「………………エ、何だって? 」
「だから、私が皇女カレローラだって言ってるだろ! 」
まさかの皇女様でしたってナンダソリャ~!
「………………何で皇女様が名前偽って学園に通ってたの? 」
「その話は後だ! 兎に角、中に入れろ! 」
仕方がないので中に入れる事に。
ただし、全員ではなく、カレン本人と数名を先に入れる事を了承させたよ!
何せ人数が女子供1200人と護衛が100人って多いんだよ!
受け入れ準備させろって!
受け入れ準備等は部下達に頼むことにして皇女様と会談かな?
領主館にて話し合う事になったけど………
恐い顔した騎士が見てる前で何してるの?
「(バシバシバシ!)久しいな、ケイン! 何で学園辞めてこんな所で何領主してるんだよ(笑) 」
「皇女様なら知ってるだろ? 僕が家から追い出された事位? それに痛いって! 」
「何を言ってる? 聞いた話と大部違うが? 寒村って聞いていたが、ここは何処の都市だよ! 一体どんな魔法を使ったんだ? 」
「どこまで調べて知ってるのかはさておき、大体僕が色々と作って売ってるのは知ってるだろ? そのロイアリティーがここの村の建設費用の原資だよ! もっとも最初だけだけどね♪ 」
その後の資金源は、魔の大森林産の魔物素材や森林素材の売り上げで何とかしたんだよなぁ~(笑)
ご用商人のライズさんは、僕がこの村に飛ばされた後にも僕との取引してくれたのには感謝だよね。
もっとも、最初は魔の大森林産の物が欲しかっただけかも知れないけどね。
その資金で色々と作って今の村になったんだよね♪
………色々と♪
「それで、君たちは逃げて来たって事で良いのかな? 」
「貴様、さっきから聞いていれば、不敬だろ! 」
「待て、騎士ダニエル! 我々は………オホン、私たちは帝都決戦で邪魔だとされた女子供を避難させに来たんだ! 」
「ヘェ~、流石皇帝陛下って所かな? 次いでにカレンも逃がしたって所かな? 」
「な、何故分かった! 」
「オイ、何の事だ、ダニエル? 私は聞いてないぞ! 」
「ソリャ聞かせないだろ? カレンが聞いてたら、ここまで来ないで帝都に残っただろう? 」
「ウ、それは……… 」
その時、受け入れ準備が終わったと領地軍の幹部から言われたのですぐに受け入れを始めてもらう。
「すまない、恩に着る! 」
「流石にあれ(女子供達)を見たらねぇ。暫くは「(バタン!) 大変です、ケイン様! 王国連合軍らしき軍勢が此方に向かってるとの連絡が……… 」エ、何だって! 」
「ナ、何故に、速すぎる! 」
「どうして此方に? 」
「………付けられましたか? 多分ですが、第1皇女様が此方に向かったと情報が漏れたんでしょうね? 仕方がない、領地軍は第1級警戒体制を! 」
「ハ、直ちに! 」
部屋から出ていく兵士を見送り………
「それで、本音はどうなんです? ダニエルさん? 」
「ウ、それは………姫様を亡命させてから後に奪還を……… 」
「はっきり言って、亡命させても無理でしょうね。マズ、何処に亡命させるの? まさか、魔の大森林の先の王国ですか? それこそ良いように使われますよ? 」
「私は聞いてないわよ! 絶対に亡命なんかしないんだから! 」
「ですが、このまま帝国に残っても……… 」
「ハァ~、何してるの? そう言えば、何で我が父上は負けたんです? 息子である僕が聞くのも変な話ですけどね? 」
「それは、お前の兄が裏切ったんだ! 」
「止しなさい、ダニエル! ケインは関係無いでしょ! 」
「………クォート兄さんですね? それとキース兄さんはどうしました? 」
「………現在、侯爵領都にて連合軍を押し止めてはいますが………いつまで持つか? 帝都はガイアス侯爵が防衛してますが……… 」
「此方に連合軍が来てるなら、包囲されてるって所かな? 仕方ないか、助けに行くかな? 」
「オイ、こんな辺境の村にどんな戦力が有ると言うんだ! それに貴様は屑スキル持ちの役立たずじゃないか? 」
「止しなさい、ダニエル! 知らないのですか、彼ケインは在学中はトップの成績だったのを! 」
「エ、トップ成績だったのは姫様なのでは? 」
「それは卒業時点の話! ケインが退学するまでは、彼がトップだったのよ! 」
「マァ、お陰で何処かの女生徒には絡まれていて困りましたけどね(笑) 」
「………そんな事………本当なのですか? 」
「証拠にこの村? いや、この都市が証拠でしょ? 普通に5年でここまでの都市って作れると? しかも魔の大森林の麓の場所に? 」
マァ、超頑張ったからね♪
壁作るのにもインチキ紛いの事もしたけどね(笑)
実は完全に囲み込めたのは最近なんだよね。
マァ、王国連合軍が攻めて来たと連絡が有って急いで仕上げたんだよね♪
さて、先ずはここから侯爵領都まで進軍しますかね。
その前に、追ってを片付けるかな?
「ケイン様、追っての王国連合軍が門前まで来たのですが……… 」
「どうした? 先頭に我が兄のクォートが居たとか? 」
「………ハイ、その通りで。それでこの村の開門と帝国第1皇女の引き渡しを要求してますが……… 」
「ハァ~、本当に裏切ってたか。………ではカレローラ第1皇女様、門までご同行を♪ 」
「貴様、敵に引き渡す気か! 」
「先ずは相手の口上を聞きに行きましょうってお誘いですよ♪ 虎の威を借りてる脳筋ゴリラの言い分を聞きにね(笑) 」
「………アハハハハ、それは面白い♪ 私も聞いてみたいな(笑) 」
「………アノ、聞いた後はどうするのですか? 」
「マァ、見てくださいな(笑) オイ、悪いが例の物を城門前まで運ぶように、ダイナ親方に連絡を! 」
「もう、用意しておるわ! さっさと蹴散らせてこい! 」
大きな鎚をもったいかにもドワーフって風貌のおっさんが入ってきた!
マァ、一応変わり者のドワーフなんだけどね♪
「貴方は帝国工匠のダイナ技術長! 」
「よせやい、元だ! 何せ同じ物を作っていて飽きたから辞めたんだからな! それよりケイン、例の新兵器も付けて置いたからテストしておけ! 」
「エ、アレを着けたの? 大丈夫だよね? 前の品は吹き飛んだじゃないか? 」
「今度は大丈夫だって♪ 兎に角、試してみろ♪ 」
「いや、相手次第だからね? それに最初は多分…………マァ、その時次第かな? 」
「何を用意したんだ? 」
「それは見てのお楽しみって事で(笑) 」
城門の上にて!
幅10m、深さ10mの堀には水が貯めてあり、その先に有る城壁は高さ20m、幅5m有る為に多少の攻撃にも耐えられる構造にはしたつもり。
マァ、予算の都合で国側の城門だけに表面にミスリル材使ってるから魔法攻撃には耐えられるハズ?
その城門の上から覗いてる、ケインとカレローラ第1皇女様。
そして城門前には、クォート兄さんが怒った顔で睨んでます?
ソリャ見下してた弟が、こんな立派な城門作ってれば驚くよね(笑)
「オイ、ケイン! 降りてこい! 」
「1つ質問? 何で帝国裏切ったの? 」
「フン、そんなの決まってるだろ! この帝国の半分をくれると王国連合軍の将軍が約束してくれたからな♪ 」
「ハァ~、我が兄ながら何でそんな事に引っ掛かるの? 」
「何を言ってる! 」
「その将軍って王族かい? ただの将軍がそんな約束守れる訳が無いでしょ? 戦いが終れば用済みで消されますよ♪ 」
「そんな事は無いぞ! その将軍は、フラル王国の第2王子様だからな♪ 」
「その第2王子様はどちらに? マァ、こんな辺鄙な所に来る訳もないか(笑) 」
「それなら、こ「黙れクォート! 」こ………って何ですか、マテアス王子! 」
ヤッパリ居たか。恐らくは監視で付いて来たって所かな?
残念だね、我が兄の脳筋な所は知らなかったかな?
「黙れ、クォート! お前だけで捕まえられると言うから任せたが、何で我の存在をばらす? 」
「それは、我が兄が脳筋だからですよ♪ 簡単に誘導尋問にも引っ掛かる位にね(笑) 」
「何を言うケイン! なら、降りて一騎討ちだ! 」
「だから脳筋なんですよ♪ ………マァ、余興で受けても良いけどね♪ よろしいかな、マテアス王子? 」
「………マァ良かろう♪ クォート、ちゃんと相手を倒せよ! 」
「ハ、お任せを♪ 」
「………って事となりました。ここで成り行きを見ていてくださいね、カレローラ第1皇女様♪ 」
「ケイン、カレンで良い! 」
「マァ、公私はちゃんとしな「カレンで良い! 」いと………分かったよ、カレン 」
そして、城門が下ろされて現れたのは、重装甲の重騎士………には大きく、全高2,5mの大きな鎧を纏った騎士が出てきた!
巨大な大剣(片刃の少し反ってる剣)を持っていた?
フルフェイスの兜を被っているので誰だか分からなかったが………
「オイ、ケインでは無いな! 代理は認めんぞ! 」
「そうだな、クォートの言う通りだ! 貴様は誰だ! 」
すると兜の面の部分が上がり、顔が出てきてから驚かれる!
「お前、ケインか! 」
「もう面倒だな。見ての通りのケインだよ! 新調した鎧だけど変か? 」
「お前、そんなに大きかったか? 」
「いや、変ではないが………サイズが合ってるのか? 」
「マァ、合ってるって言えば合ってるよ(笑) それで剣対剣の試合で良いんだろ? 」
「アァ、そうだ! 帝国式の作法での勝負だからな! 」
「………今更帝国式のって言うの恥ずかしくない? 」
「ウルサイ! イザ尋常に勝負! 」
フラル王国(王国連合軍)側では?
「オイ、クォートは勝てると思うか? 」
「………無理でしょうね。恐らくは負けるでしょう 」
「その根拠は? 」
「クォート殿は練度が低いと言うか、力任せですからね? それにアノ弟、ただ者では無いでしょうね? 」
「その根拠は? 」
「先ず、この様な城塞都市を短期間で作った所ですね。しかも魔の大森林の麓で! 」
「それは内政が上手いだけでは? 」
「それに、アノ鎧です。普通に着て動かすならば、身長が2,2mは最低でも無いと。聞いた話では、クォート殿(身長約1.95m)より低いと聞いてますが? 」
「確かに体格と鎧のサイズが合わないな? 」
「それと情報では、ここでの魔物素材が良質で高値で取引されていると? 」
「それがどうした? 魔の大森林で取れた素材が良質なのは普通では? 」
「イエ、そう言う意味では。素材の品質が高すぎると。つまり、毛皮1つでも綺麗に処置して有り、しかも全身、マァ、首を跳ねてると思えないとの事です? 」
「何、つまり魔物の首を刈って倒してると? それがアノ鎧の弟がか? 冒険者かも知れんぞ? 」
「それにクォートの話、弟は屑スキルでこの辺境に飛ばされたとの話 」
「確か、[憑依]だったかな? 確かに使えんわな? 」
「そうです。何故、鎧を纏って出てくるのです? 城門の上から鎧を操作すれば良いでしょうに? 」
「まさかと思うが、その[憑依]でアノ重装甲の鎧を中から動かしてる………負けるな! 」
「ハイ、その通りで! 」
「では、奴が負けた後は………何時でも攻撃できるように準備をしておけ! 」
「既に準備は終わってます 」
「流石だな! ではテノール将軍、後の采配は任せる♪ 」
「ハ、仰せの通りに♪ 」
一方、城門の上では!
「本当に大丈夫なんですか? 」
「アノ鎧、サイズが大きすぎませんか? 」
「マァ、そうじゃろうな。確かに鎧としたら大きすぎるだろうな(笑) 」
「何を呑気に、ダイナ技師長! 」
「だから、元だ! それに呼ぶならダイナ親方だ! 」
「………それでダイナ親方、アノ鎧って………鎧では無いのですか? 」
「マァ良いだろう。正確には鎧で合って鎧では無いな。強いて言えば、鎧型の自立人形………魔導人形って言えば合ってるだろうな? 」
「エ、人形? 」
「もっとも、人形の中に本人が乗り込むって聞いてな、最初は驚いたが作ってみると面白い♪ あれは最新の12号機になるかな? 」
「エ、12体目ですの? 」
「マァ、そうなるかな? アノ形になるまで大変だったぞ! 」
「それで、ケインは勝てるのでしょうか? 」
「大丈夫だろ? この前アレの前の鎧で、地竜倒したし♪ 」
「「「「「ハァ? 」」」」」
「地竜って、1ヶ月前に帝都のオークションに出ていた出所不明の地竜素材のですか? 」
「そうですな。マ、アノ鎧にも地竜素材使ってますよ♪ もっとも地竜狩った時に前の11号機が壊れたんだけどね(笑) 」
城門前ではクォートvsケインの決闘が行われていた………が!
゛キン♪、キン♪ ゛
大剣を使って剣を受け続けるケイン。
「(ハァハァ)防戦一方だなケイン! (ハァハァ………) 」
『………エ~ト、攻撃してます? クォート兄さん? 』
「(ハァハァ)お前こそ声がこもってるが? (ハァハァ………) 」
『鎧の中からですからね。ン、なんだ、随分と大振りになってるけど疲れたかい? 』
「(ハァハァ)何を! ここだ! 」
大きく振りかぶっての一撃!
その剣撃は見事にケインの左腕に当たり、切断されたが………
「ナ、何で血が出ない? なんだその腕は! 」
切断された腕だが、中から何かの繊維状の物が出ていた。
『ヘェ~、よく斬れたね? アレ、よく見たらその剣って父上が自慢していた剣だよね? 確かミスリル製の? ………何で持ってるの? 』
「(ハァハァハァ)決まってるだろ! 偽物と交換しておいたわ♪ (ハァハァハァ………) 」
「フ~ン、そうなんだ? なんだ、実力で奪ったんじゃなかったのか。残念♪ 」
「ウルサイ! 勝てば良いんだよ! 勝てば! ヤレ! 」
クォートの後方から矢が飛んできた!
タダ、鎧には当たるが弾かれていた!
『ン、何かしたか? 』
「クソ、固すぎるだろ! 」
『さて、もう良いかな? その前に、左腕パージ! 」
゛ガシャン! ゛
左腕全体が外れ落ちる?
『そして予備左腕セット♪ 』
「なんだそれは! 」
背中の部分が割れて中から腕が出て、左腕の所に移動する?
元の腕の様に動かす!
「ウン、問題なし♪ では始めようか♪ 」
それからは一方的に打ちのめしていくケインと防戦一方のクォート!
そして………
「グワァ! 」
クォートを峰打ちで意識を刈り、倒す。
「では本番と行きましょうか、マテアス王子 」
「そうかな? たった1人でこの大群と戦うと? 」
『オークキング軍団と戦うのと変わらんでしょうに? それに既に包囲されてる事に気がついてます? それと城門の上にも? 』
城門の上には大型バリスタが左右数十機現れ、王国連合軍に向けて矢を装填していた。
間には機械弓を持った兵が同じく王国連合軍に弓を向けていた!
更に回りの森の中からも、兵士が狙って居た。
「殿下、囲まれてます! 」
「いつの間に! ク、時間稼ぎされていたか! 」
『もっとも本命は………ダイナ親方、立ててくれ! 』
「待ってました♪ よし野郎共、機人を起こせ! 」
門の中で寝かされていた物が起こされたが………
「ナ、なんだアレは! 」
そこには巨大な人型の物が立っていた!
機人と呼ばれた全高7m程の大きな騎士鎧が立っていた?
顔はまるで怒った顔のような表情で不気味だった。
その巨大な騎士巨人の胸は開いており、中は空の様だったが?
『その前に、オイ、コイツを牢にブチ込んどいて♪ 』
雑に気絶しているクォートの襟を掴んで自軍の方に投げ込む!
クォートは簀巻きにされて牢に入れられる事に。
『さてと、搭乗♪ トウ! 」
あり得ない高さにジャンプして直接、巨人の空洞に入るケイン。
ケインが入ると、胸のハッチが閉じて………
顔の目が光り、動き出す巨大な騎士!
巨大なハルバートを持っていた!
肩には怪しい筒が付いているのも不気味だった。
息を飲む王国連合軍!
末端の王国連合軍の兵士は浮き足だす!
「アンなのに勝てるのか、俺たち? 」
「何で巨人がこんな所に居るんだよ! 」
「巨人って伝説の? 勝てるかよ、アンなのに? 」
「さっきの小さい鎧にも矢が通らなかったんだぞ! 」
「オイ、どうするんだ? 」
「大丈夫だ! アレを動かすには相当の魔力が要るハズ! つまり、魔力切れを待てば、ただの木偶の坊だって事だ! それまで引っ掻き回せ! 」
「「「「「ハ、将軍! 」」」」」
「カカレェ! 」
王国連合軍はテノール将軍の指揮の元に、巨人に対して少数によるヒットエンドランで攻撃させていた。
遠距離で矢を魔法を放ち、近距離では剣や鎚で足元を攻撃させていた。
だが、一向に魔力切れを起こす様子がなく、徐々に王国連合軍人が倒されていった。
巨大なハルバートで凪ぎ払われ、肩の上に付いている筒から放たれる炎の魔法弾で後方にも攻撃させていた!
気が付けば、回りには倒された多数の王国連合軍将兵が倒れていた。
城門の上では?
「ねぇダイナ技師ちょ………ダイナ親方殿、何で魔力切れをしないのですか? もう10分は動いてますよ? 」
「………姫様? マァ、普通にそう思いますよね? 」
「それでどうして動けるのですか? 」
「先程、地竜を倒したと言いましたよね? 」
「エェ、そう聞きましたが…………ア、まさか? 」
「気付きましたか。ソウ、アレの動力は地竜の魔石を加工して作った魔力タンクが載ってます。元々稼働時間が短いのが弱点の様な物でして、地竜を倒した時もギリギリでした。マァ、そのお陰で起動時間は大幅に増えました♪ 」
「魔力タンク? なんですそれ? 」
「魔力タンクは魔力を貯めておく物だと思っていただければと。マァ、水瓶みたいな物と考えてもらえればと? 」
「そうなのですか? それでも魔力タンクにどうやって魔力を貯めてるのです? 基本、魔石は使い捨てですよね? 」
「普通は使い捨てですよね、今までは。あの背中の部分には魔力コンバーターと言う装置が有りまして、そのお陰で空気中の魔素を魔力に変換、魔力タンクに常に補給してます。勿論、魔力コンバーターと魔力タンクはケインが開発してます 」
「エ、ケインってそんな事までしていたんですか? 」
「アノ発想力は驚愕ですよ! この城壁だってどう作ったと思います? 」
「エ、………(キョロキョロ)……… 確かにこの規模の城壁を作るのに5年では無理ですよね? 」
「先ず堀を掘って、固める。別の所で城壁をパーツ毎に作り、それを指定した場所に移して固定する。それを次々と並べて隙間を埋めれば出来上がりって言われても分かりませんよね? 」
「何を言ってるのか、本当に分かりませんわ? 」
「ケインが言うには、ブロック工法とか言うらしいのですが? 確かにこの工法で、3年でこの村の防壁を作ったとしか言えませんね? 何せ未だにワシは分からんからのう? 」
「………後でケインに聞くわ? で、アレは何時まで動けるので? 」
「基本、稼働時間は歩くだけなら最大5時間は動けますね 」
「5時間ですか? それだと移動後に狙われたら……… 」
「ア、魔力タンクだけで動かす場合です。魔力コンバーターで魔力を補給しながらですと、………何処まで動くかは試してないので分かりませんね? 」
「エ、使い用では……… ハァ~、ケインは何を作ったのよ! 」
「そのお陰で、ああして王国連合軍を倒せてるのですよ♪ 」
「………王国連合軍がお気の毒ですね……… 」
フラル王国(王国連合軍)側では………
王国連合軍が軒並み凪ぎ払われていた。
「何なんだ、アレは………? 」
「………どうします? 」
「アレは倒せぬか? 」
「現状は………無理ですな? 何せ情報が一切有りませんでしたから? 」
「つまり、もっと大軍で当たらないと無理だと? 」
「………そうなりますね。殿下、お引きください。そして、この情報を本隊にお知らせを! 」
「………分かった。でも、包囲を突破できるのか? 」
「相手がそんなに多くの人員で包囲してはいないでしょうね? マァ、矢くらい飛んでは来るでしょうが? 殿は私が勤めましょう♪ さぁ、お急ぎを! 」
こうして王国連合軍は撤退していった。
ケインも追撃しようとはしなかったが、森にて包囲していた機械弓部隊は矢を放ち追い討ちしていたが!
「ケイン、凄いな! それって私にも動かせるのか? 」
「エ、無理だよ? 」
「即答ね。マァ、そうなんでしょうけど 」
「では、取りあえずはキース兄さんの救援ですかね。それで、偵察隊は出たのか? 」
「現在、撤退していった王国連合軍に気付かれない様に追尾してます! 」
「では、遠征部隊の編制と留守の部隊の配置だな。関係各位を集めてくれ 」
ケインは、兄のキースを救援することに!
果たして間に合うのか?
000
どうでした?
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